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「腐らずに」嬉野さんの言葉の切れはし#337

時間なんて、ぼくらがイメージしなければ、本来どこにもありはしないものだから、「あぁ、今年も終わるなぁ」なんて言葉は所詮イメージの世界の話だよ。
でも、一年が終わり、また新しい年が来るって思えるから、ぼくらは抱えてきたものを清算できる。
ーー嬉野雅道

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誰が考えたんだろう一年って。
誰が考えたんだろう新しい年を迎えるって。
一年ごとに区切りをつけて、
年の瀬が近づくたびに、今年はこんな年だったなって考えて、
来年はどんな年になるだろうって考えて、
目に見える季節の変化の少ない南の国にだって、
南極の昭和基地にだって、人が住む以上、
そこにはやっぱり一年がある。
だから年の瀬があり、新年がくる。
でも、時間なんて、ぼくらがイメージしなければ、
本来どこにもありはしないものだから、
「あぁ、今年も終わるなぁ」なんて言葉は所詮イメージの世界の話だよ。
でも、一年が終わり、また新しい年が来るって思えるから、
ぼくらは抱えてきたものを清算できる、
一年がなければ、きっと無限の中で途方に暮れる。
そんな気がします。
年の瀬に、なんの理由もなく、
借金いっさい棒引きにしてもらってるから、
また来年、一から、新規まき直しできるって、
なんだか、勝手にイメージできているような気がするのですよ。
だから、ぼくらは、腐らずに生きていける。
そうじゃなかろうか。
ーー嬉野雅道(水曜どうでしょうディレクター)