「平気は難しい」嬉野さんの言葉の切れはし#301
毎日、平気で生きることは難しいのよ。
毎日は平気でいられないというのは当たり前のことなのよ。
--嬉野雅道
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昨年末だったか年始だったか、どこかの放送局の番組で、どこやらの高僧が生前言われていたというお言葉を聞きましたら、百歳を越えるその高僧である老僧は言われましたね、
「わしは、悟りとは、いつ死んでも好い思えることやと思うておったが、それは間違いやった。死ぬことより、平気で生きることの方がよっぽど難しい。毎日、平気で生きることは、ほんまに難しい」
わたしゃね奥さん。
なるほどねぇと、思いましたよ。
「毎日平気で生きることは難しい」
やっぱりそうだったんですよ。
平気で生きることは難しいんですよ。
しかも毎日なんてあなた。ねぇ。
だって、わたしらは平気で笑ってる日もあるけれどね、
ふんふん♪と歌いたくなるように楽しい日もあるけれどね、
不意に思わぬ事態に踏み込んで、悩んでしまうことだってあるわけさ。
したら奥さん、そん時ゃへこんでへこんでね、
へこみすぎてそこから出て来れなかったら、もうもうそのまま憂鬱な日々を送るはめになるわけよ。
まったくもってままならんのが己の心ですよ。ねぇ奥さん。
いったい人の気持ちってなぁ、誰が操縦しているのでしょうね。
だって、自分のことだから自分の気持ちなんて自分でどうにでも出来そうなのに、自分ではどうにも出来ないのよ。
だから、毎日、平気で生きることは難しいのよ。
わたしらは、その難しいことを毎日やろうとしている。
だったら毎日は平気でいられないというのは当たり前のことなのよ。
だって百年以上も生きてきた人がそう言い切るんだもの。
--嬉野雅道(水曜どうでしょう)