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3重苦のiPhoneに負けるわけがない

技術が上でも売れない


よく営業マンの愚痴で、
他社よりもう少し安ければ売れるのに…
他社よりもう少し高品質なら売れるのに…

というのが出てきますが、他社より安くても、他社より高品質でも、売れない場合がほとんどです。


例えば、携帯電話のブラックベリー。

2006年までブラックベリーはアメリカのスマートフォン市場で40%近いシェアを握っていました。大統領やセレブ、有名なCEOがブラックベリーを愛用していて、ブラックベリー中毒の意味の「クラックベリー」という造語まで誕生しました。


2007年iPhone誕生。


ブラックベリーの経営陣は、iPhoneは社会現象になったが、ブラックベリーのクオリティに到底及ばない。と考えていました。


iPhoneはバッテリーの寿命も短いし、内蔵メモリを食いすぎて、セキュリティにも不安があった。まさに三重苦。

そして、「タッチパネルは支持されない」とブラックベリー経営陣は考えていました。ちっぽけなガラスをタイプするなんて万人向けじゃない。

ノートパソコンにも電話にも物理的キーボードがあるじゃないか。
デザイン的にもブラックベリーの方が優位だと思う。

と述べたそうです。

ビジネスユーザーの市場では、iPhoneはブラックベリーに太刀打ちできない。企業はセキュリティの怪しい、1回の充電で1日ももたないデバイスに乗り換えるはずがない。iPhoneは目新しい商品にすぎない。流行り物にすぎない。

と決めつけていました。

企業はそうかもしれないが個人は違います。iPhoneを持ちたがっていました。あまりにも、その声が大きいので、自分の好きなスマートフォンを使えるように変更した企業が大勢でてきました。

さらに、iPhoneの大ヒットで新たなライバルが参入。
みるみる時代が変わっていきました。

2007年Googleがスマートフォン向けOS Androidをリリース。
2008年7月にApp Storeをオープン
2009年3月にGoogleプレイストアをオープン

サードパーティからのアプリが500億、1000億という単位でダウンロードされました。アプリ開発者はiOSとAndroid向けのアプリは作るけども、ブラックベリー向けのアプリを開発しませんでした。


なぜなら、市場規模に対してコストがかかりすぎるから。


そして、2011年、App Storeで手に入るアプリは45万本以上、Androidでは20万本以上、それに対し、ブラックベリーで手に入るアプリはわずか2万5000本。


技術的に上だからと言って、
消費者が買いたい気持ちになるとは限らない。

つまり、売れるとは限らない。


ノキア(前回の記事を参照)とブラックベリーはその意味がわからなかった。どちらも銃で戦う時代に剣で戦っていた。プラットフォームでの戦いに端末で戦おうとしていた。

2011年末にはブラックベリーのシェアは15%を割り込み、時価総額は75%近く下がった。


ブラックベリーの凋落から見える2つのこと


1つ目は、ニーズよりもウォンツ

「必要だから買う」「欲しいから買う」あなたの扱ってる商品が
どちらかによって、価格も支持も大きく変わります。

必要だから買う商品は、一般的に価格競争に陥りやすく差別化が難しい商品ばかり。それに対し、欲しいから買う商品は、安値競争にならずに価格が高くても売れます。

例えば、ロレクッス。

高級腕時計として有名なロレクッスは今、価格高騰中です。その昔、100万円で購入できたデイトナが今や300万円もしています。

「欲しい」という気持ちが爆発した証拠ですね。

欲しいという感情を刺激させることが出来れば、価格を吹き飛ばすことが出来ます。


2つ目は、時代の変化

時代の変化に対応しないと、業界トップの企業でもあっという間に凋落します。2006年から2011年までのたった5年で、時価総額が75%下落。時代のトレンドを見誤ると、業界トップの企業でも転落する典型例です。


これは太陽光発電も感じたことです。

10年ほど前、太陽光パネルの主流が多結晶から単結晶に移行していたとき、このまま多結晶を販売していては勝てない。シャープも単結晶を販売しなければ無理だな。と感じていました。

時代のトレンドにあった商品を販売しないと勝てないです。

例えば、

ガラケーからスマホ
ブラウン管TVから液晶TV
多結晶から単結晶

どれだけ交渉がうまくて強い営業マンでも、時代にあってない商品を扱うと
この先、難しいです。「悪徳」呼ばわりされてしまいます。


これは商品だけではありません。
売り方もそうです。


時代にマッチングしない売り方はこれから先、未来が見せません。昔ながらの電話営業や飛び込み営業などです。昭和や平成に全盛期だった訪問販売による営業法は、令和の時代ではかなり厳しくなるでしょう。個人的には、近い将来、交渉して売るという営業の方法も変わると思います。

お客様が(時代が)望む商品
お客様が(時代が)望む売り方

この2つを見誤るとノキアやブラックベリーのように、あっという間に凋落する危険性があります。

銃で戦う時代に剣で戦おうとするものです。
戦闘機に竹槍で挑むようなものです。

時代の流れに逆らって、勝てるわけがありません。


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