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移住10年目のフリーランス。続けることで見えてくるものがある。とりあえず起業した菓子製造業で7年。

起業して早いもので7年経ちます。
今は本業の傍ら畑で作物を作り、作ったものをお菓子に加工したり、農作業や加工のワークショップも行えるようになりました。
その様子はこちらのサイトにも連作していますので、良かったらぜひ☆



試練の地域おこし協力隊を終えて起業。業種は菓子製造業。

2014年に地域おこし協力隊として移住。
任期終了した3年後の2017年、めでたく個人事業主として起業。
と、いってもひとまず形だけ。
夢というか目標というか、起業はしたかった。個人事業主になりたかったのです。自分の軸となるものを持ちたくて。だからとりあえず開業届は出しておいたわけです。
業種は、菓子製造業。

とにかく、食に関わる仕事がしたくて、農家レストランも支援という業種について、体の良い労働力ではありましたが、何かを掴もうとどん欲に進んできて、食材のこと、郷土料理のこと、作物の栽培のこと、いろいろな意味で学ばせてもらいました。
協力隊としての任期終えて、何したらいいんだろ?ってことは割と早いうちから考えていました。
その農家レストランはつまりは受入れ団体が経営してるわけだし、それを切り盛りしている人もいるわけだし、そこでこれから私が給料もらえるほどの利益はないわけだし、そもそも私は事業主になりたかったわけで。
おそらく受け入れ側の意向としては、いま切り盛りしている料理長夫妻が引退したくなったときに継いでほしい。みたいなことなのだろうとは察しておりました。
でも漠然とその機会を待っているわけにもいきません。
任期後の収入は必要だし、その場しのぎで仕事をつなぐようなことで時間を費やすのはもったいない。
確信もないまま、とりあえず起業という形はとっておこうと思いまして。
まずは行動してみる。やってみればどうにかなる精神です。
飲食店はその農家レストランがあるわけだし、地域の産物を生かした食を提案するには、ということで、菓子製造業にしました。

協力隊の残務。

協力隊を経て起業した方の中には、任期中にきちんと準備もして段取ってテンポよく自分の事業を始められる人ももちろんいるわけですが、ここはそんなに甘くはありませんでした。
卒業までも、卒業してもその地域の仕事に追われ続けて、自分の思うことなどはほぼできていませんでした。自分自身も当時は、その団体の運営する農家レストラン、農家民宿、事務などなどの業務をこなすのに時間も精神もいっぱいいっぱいでした。とはいえ、自分では前向きに一生懸命やっていました。この辺りは以前の投稿にも書いておりますので見て頂ければ嬉しいです。
そして形だけはなんとか、と、受入れ団体の建物の内部を改修工事して、工房を整え、開業届を出しました。ちなみに、行政から起業のための支援制度があり、工事や備品を揃えるの費用に100万円を補助してもらいました。
無我夢中で暗中模索と試行錯誤といったところでしょうか。

地域の産物を生かした食べ物を作る。

珍しいかぼちゃをプリンにしてみよう

菓子製造業のきっかけは、【胃袋かぼちゃ】というヘンテコリンなネーミングのかぼちゃでした。
この名前、インパクトありますよね!

形が胃袋みたい


見た目からその名前がつけられたようですが、まあ、形が胃袋に似ているからだそうです。
これ、食べてみると本当に美味しいんですよ。
のどに詰まるくらいホクホクで、やわらかな甘味で、ザ・かぼちゃって感じのかぼちゃです。
これを生かせないかと考え、プリンにして世に広めようとしました。
もちろん、かぼちゃは自家栽培です。
当初は、合間を縫ってイベントに出店したり、農家レストランで売らせてもらったり、あとはふるさと納税の返礼品としても出品させてもらいました。あ、今もあります。

こちらでも販売中ですので興味のある方、ご注文お待ちしてます!

米どころ新潟、ってことで米粉のお菓子。

菓子製造を地味に初めて、ある方から【米粉】を使ったお菓子はどうか?と提案していただきました。
恥ずかしながら、あんまり考えずに始めたことなので、自分でもどうしたらいいのか、このかぼちゃ以外何を売りにしたらいいのか、いわゆるコンセプトというものを定められていなかったのですね。
だからこの時も、なるほどやってみよう、ととりあえずやってみることにしました。
米粉を使ったお菓子のレシピを探したり見たりしながら焼菓子を作ってみました。

そもそもパティシエでも何でもないし、お菓子つくりなんて趣味でちょっとやってたくらいなものなので、大した実力もないんですよね。

続けることで見えてくるもの、身に着くもの、そこから道筋は開ける。


小麦粉、卵、乳製品不使用のケーキ

実力はないなりに、イベント出店、市内のお店に置いてもらうなどして、細々と販売を続けてきました。
料理は元から好きだし、食べるのは好きだし、美味しいものを作るということに関しては探求心も沸いて来るし、やはり数をこなしていくことで経験や知識は上がってくるので、だんだんと商品のバリエーションも増え、また人からのリクエストをきっかけにアイデアも出てきて、少しずつですが前進はできていました。
今もそうですが、まだまだ菓子製造だけでは十分な収入は得られないので、農業法人でのバイトや、有償ボランティアなどもやりながらでした。協力隊時代の仕事は少しずつ手放す方法を考えていました。
また、市の施設などからお菓子作り講座のお話も頂き、講師もする機会ができました。
少しずつ、本当に少しずつだけど、間違いなく前には進んでいるのです。
大切なのは、求め続けることかな。
自分は何がやりたいのか、何が楽しいのか、分からなくても求める気持ち、追及することを止めずにいれば、見えてくるものがあるのだと実感しています。
外部から受けるヒントを頼りに探っていくと、これだ!って思えるものに出会えると思うのです。
私の菓子製造においては、オーガニックやグルテンフリー、ヴィーガン、アレルギー対応など『一般的でない』商品ラインナップがそれでした。他の人がやらないこと、人とは違うものを作る、ここに可能性があるし、自分も気分よくできる。また、限られた条件でいかに美味しく、きれいに、食べたいと思ってもらえるものを作るか、そんなことをクリエイトしていく作業はまさにやりがいでした。

小麦粉、卵、乳製品不使用のタルト


田舎だからと侮るなかれ。これらの食にこだわりを持つ人、またお子さんのアレルギーなどで困っている人は一定数いるのですよね。

また、最近は量り売りなどもするようになりました。これもまたリクエストによるものですが時代のニーズにもマッチしており、あらたな形態の商売の仕方ですね。

一つからだと買いやすい!


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