本日のウニ:タコノマクラ③4−8細胞期
第2卵割を終えた4細胞期のタコノマクラ胚です。相変わらず透き通っていて核まで綺麗に見えますね。バフンウニのようにしっかりとしたパターンを示さない個体もいるため、写真のように少し卵割面がずれているものも見られます。この辺はバフンウニの4細胞期と比較してみてもらうと楽しいかもしれませんね。また別の機会に出しますが、ハリサンショウウニの4細胞期はもっと衝撃的です。
さらに第3卵割を終えた8細胞期です。こちらも綺麗に4細胞期が2段重なったような形で見えています。4細胞期までは経割(けいかつ)といって、地球で考えると経度の線と同様な卵割面の入り方をしますが、この8細胞期になる時初めて緯割(いかつ)といって緯度の線と同様な卵割面の入り方をします。特に第3卵割では赤道面で胚が割れます。その結果、同じサイズの割球が8個、整然と並ぶ胚になります。8細胞期の8つの割球は見た目では全て同じ割球に見えますが、この時にはすでに4対4で割球の運命が分かれてしまっています。植物極側4つは体の全てを作り上げる能力を維持しているのですが、動物極側の4つは外胚葉、つまり体の表皮や神経などを作る能力だけ維持しており、内臓や筋肉を作る能力をこの時点で失ってしまっています。4細胞期では全ての割球が体の全てを作り上げることができることから、たった1回の卵割でそれぞれの割球に大きな運命の制限ができてしまうことに相変わらず不思議さを感じます。