カルマ
2024/11/18
ポルトガル入国8日目。
ポルトを拠点として同じ宿に滞在中なのだが、気がつくと沢山のインド人達。ゲストのみならず、スタッフまでも。
「日本人とか中国人、韓国人ってゴキブリも食べるんだろ!?」
「いやいやいや!食べないって!!」
「もし食べる人がいたとしても、極々少数の少し変わってる人だけだよ。それは何処の国にだっている」
「マジか!?そうなんだ!!」
彼らが私達を見下してるわけじゃないことは語調や表情でよくわかる。
単純に素直、そしてちょっとズレてるところが純粋に思えて、可愛い気すら感じてしまう。
しかし、どこでそんな情報を得たのか。おそらくインターネットの娯楽からなんだろうが、それを鵜呑みにしてしまう人が世界中で相当いるんだろうな。
たしかに以前、そんな話題を見た気がする。でも、それが国民全体の事だなんて…そりゃ偏見は無くならんわ…。
そんな彼らも皆、出稼ぎ労働が目的でポルトに来ている。
さて、朝食も済ませたところで今日は米ドルの調達へ向かう。
アフリカに入ってからでも可能かもしれないが、いちいちトラブルになりかねないので今のうちに。
良心的なレートの店を見つけ、無事にユーロから米ドルに両替完了。
しかし、モーリタニア通貨は両替してもらえず。コレ、下手したら二度と使えない金になっちゃうな…。
「君も働くためにポルトへ来てるの?」
今朝のインド人男性が私に問いかける。
当時インドの一部はポルトガル領だったこともあり、その土地の出身者が多く集まってくる。彼らはポルトガル語も話せるのかもしれない。
言語の壁が無いというのは出稼ぎにとっても有利に働く。
そういえば以前、モロッコ出身のノウフェルが言っていたな。
フランスは昔
アフリカ諸国を支配した
そして今
アフリカ移民はフランスを支配しつつある
カルマ(因果応報)だ
歴史は繰り返す他ないのだろうか。
無知と偏見と不平等は永遠に解消されないのだろうか。
争いは、戦争は無くならないのだろうか。
人類が知恵と知識を身に纏い、その重みで欲という海に溺れ、木々を破壊し、生態系を乱した果てにカルマがあるのだとしたら。
私達はこの地球から、この宇宙から、どんな報いを受けるのだろう。