ラオス出国前日
2023/6/20〜2023/6/21
朝、いつもの朝食スペースに向かうと、そこには既にアキさんとミツルさん。
だけではなかった…!
まさか、ここにきて更に日本人男性が…!
本当に
重なる時は重なるものなのかも知れない
アリキ君というその男性はニュージーランドやオーストラリアに3年ほど滞在し、マオリ族とも共に生活していたとの事。
しかも彼の名前は現地語で「神」を意味するらしく、人々によく敬われていたみたいだ。
昨日一緒に食事をしたアキさんも既に100ヶ国ほど訪問している熟練者。
ノウハウに頗る長けていて、落ち着きと余裕が感じられる。
なんか…みんなすごいな…
初心者の私は只々、感心しきりだった。
話も弾み、気付くと迎えのミニバンが到着。
この日はミツルさんがチェックアウトし、それに乗ってラオスを北上していくのだ。
宿の外へ出て、見送る際に握手を交わす。
その力強さに圧倒され、同時に
『あぁ、たぶんまた会えるな』
そんな予感がした。
「まぁ、また会えるやろ!」
私の心が読まれたかの様に、ミツルさんはサラッとそう言って颯爽と車に乗り込んだ。
これで宿に残る日本人は私とアキさん、そして今朝出会ったアリキ君の3人。
その彼らも明日にはチェックアウト予定だ。
というより、ラオス滞在日数の期限が明日までらしいので、チェックアウトどころか出国しなければならないのだが、2人とも全く焦る様子が無い。
やっぱり旅慣れている人は違うなぁ
と、ここでも感心させられるのであった。
ミツルさんを乗せた車が見えなくなり、私は部屋に戻って仮眠を取る事に。
1〜2時間のつもりが、そのまま夕方まで寝入ってしまった。
最近の疲れが溜まっていたようだ。
おまけに、ここ暫く腹痛と下痢が治まらない。食べ物は美味しいのだが、水か油が合わないのか何なのか…。
ふと目を覚ますと、目の前にアキさんが立っていた。
彼は今、2段ベッドで私の上段に宿泊しているのだ。
「ここから飛行機で、マレーシアのクアラルンプールまで行こうと思ってるんですけど、チケット代が高いんですよね」
私がそう言うと
「それなら陸路でバンコクまで行って、そこからクアラルンプール行った方が安いと思いますよ。海が見たいならパタヤでゆっくりしてもからでも良いし」
なるほど、確かにそうなのだが直接バンコクまでバスで行くとなると、10時間ほど揺られる事になる。
お腹が少し心配だ。どうしたものか…。
そんな事を考えながら、翌朝。
またいつもの朝食スペースで私とアキさん、そして昨日出会ったアリキ君と食事をする。
彼らはその後、チェックアウトだ。
アキさんは30分毎に出てるバスに乗ってタイに向かうと言い、お互い暫しお別れの挨拶をして宿を離れた。
残った私とアリキ君は、お互いの過去や未来の展望などの話題で再び盛り上がる。
アキさんもそうだが、アリキ君も今日が出国期限のリミットだというのに本当に焦りが無い…流石だ。
私は出国期限の前々日からソワソワしてるというのに…。
「アリキ君はこの後どうするんですか?」
「とりあえずタイのノーンカーイまで行って、それから考えます」
なるほど、ノーンカーイか。
それなら、メコン川を挟んですぐ対岸の街。
このヴィエンチャンから1時間足らずで入国できる。
そこからゆっくり南下し、パタヤで海を見て、バンコクからマレーシアに行くのも良さそうだ。
「決めました、僕も明日とりあえずノーンカーイに行きます」
私はそうアリキ君に伝え、彼を見送った。
思いがけず沢山の出会いがあった街、ヴィエンチャンのこの宿も、残る日本人は私1人。
そんな私も明日チェックアウトし、ラオスから再びタイ入国を目指す。
荷物をまとめ、ラオスでの濃い出来事と今後をぼんやりと想像しながらベッドに潜り込んだ。