
クリスマス・イヴ
2023/12/24
ブルサ3日目。
私達はイスタンブールに戻ることにした。
そもそもロッカーの鍵を返し忘れてしまったので、同じ宿に戻らなければならない。
何より、ハウスメイトと楽しく祝いたい。
そう、今日はクリスマス・イヴなのだ。



「クリスマス・イヴだから、大都市イスタンブールに出掛ける人も多いはず」
「だから今日は早く乗せてもらえるんじゃないかな」
全然、乗せてもらえない…
やはり、そんなに甘くはなかった。
車は通り過ぎていくばかり…。
それでも、親指を上げ続けるしかない。
根気良く待つしかない。
そして約1時間後。
全然、乗せてもらえない…
私とフーゴはわりとのんびり待つタイプなのだが、さすがに少し焦りが出始める。
何とかイスタンブールに、クリスマス・パーティが始まる前に辿り着きたい…!
場所を変更しようと私達はバックパックを背負い、幹線道路沿いを並んで歩く。その時
「%〆<・○〆|〜÷☆#!!」
言葉を聞き取れなかったが、背後から私達を呼び止める声がした。
振り返ると、少し離れた先の路上でパンを売る初老男性の姿。
手招きして、私達にパンを勧めている。
「すみません、お金が無いんです」
私がそう断るも、男性は納得しない。
その意気につられ、彼の元へ近づく。
まぁ確かに空腹だったので、一つくらい買っても良いかと思いつつ。
「いくらですか?」
「お金は要らないよ」
「えっ?」

アゼルバイジャン人の男性
私達がヒッチハイクする姿を見ていたのだろう
私とフーゴにパンを2つずつ
水まで無料でくれた
有難く、何よりその気持ちが嬉しい…!
時に、心の持ちようで流れは変わるものだ。
さっきまでの焦りはいつの間にかなくなり
「大丈夫、止まってくれる」
そんな空気が私達を覆っていた。
そして

ドライバー女性が水とお菓子まで買ってくれた
ありがとうございます…!
ブルサへは3回ヒッチハイクしてようやく辿り着いたが、今回はなんと直接イスタンブールまで乗せてくれた。
本当に何が起きるかわからない
しかし
それを楽しんでいられるのは幸せな事だろう

片道20分でアジア側とヨーロッパ側を行き来する
イスタンブール市民の身近な交通手段だ
20TL(約100円)
時刻18:30。
何とか宿に戻り、いざクリスマスパーティ。
まずはハウスメイトと買い出しへ。



ジェレミー

クリスマスイヴ
イスラム教徒が多いトルコでは
世界都市イスタンブールといえども
街の装飾は控えめ
しかし今
この宿においてそれは関係ない
年齢、性別、人種、宗教、文化
それらを全て越え
”ただ、この日を楽しく過ごす”
そんな共通意識のもと
穏やかで平和な時間がゆっくりと流れていた

フランス人のフーゴ
中国人のチェン
マレーシア人のキン
アメリカ人のジェレミー
ブルガリア人のアレックス
モロッコ人のノウフェル
トルコ人のハザー
素敵な写真
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