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ケープタウンで乾杯
2024/12/1
「よかったら、軽く飲みませんか?」
朝、キムラさんからのメッセージ。
一昨日の喜望峰ヒッチハイク後、体調を崩した彼は昨日もほぼ丸1日寝込んでいたらしい。その内に私がそろそろケープタウンを離れる事を知り、彼はそう誘ってくれたのだ。
もちろん断る理由などない、私は早速「ぜひ」と返事をして支度に取り掛かった。
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フリッタータ
洒落てますな、味も良し
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2日振りに会ったキムラさんはまだ本調子ではない様だったが、昨夜は何とかサンドウィッチを口にできたという。
私がヒッチハイクなんて無理な誘いをしてしまったばっかりに、本当に申し訳ない…。
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さて、何処か手頃な店を…と探し歩いている間に私が滞在するダウンタウン・エリアまで来てしまった。そして彼も察する少し不穏な雰囲気。やはり私の感覚は間違っていなかったようだ。
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私の宿で乾杯することに
その後、私達はボ・カープという地区へ。
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アジアやアフリカから大勢の人々が奴隷として
連れてこられた場所
元々は土やレンガの建物だったが、奴隷解放を機に
住民が喜びを表現する為
現在のパステルカラーへと塗り替えられた
という説が有力みたいだ
現在はムスリムが多く、モスクも建てられている
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ウキウキ気分で見ることは出来ない
治安も良くはないしね
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ケープタウンは日本やヨーロッパ先進国にも引けを取らないほど建物やインフラも整っていて、IT技術もかなり進んでいる。また、基本的に人々のマナーも良い。それだけに一部の地区や人が余計に際立って異様に映るのだ。
パリやロンドンとも違うこの異様さ…私の中では初めての感覚かもしれない。
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歩行者天国エリアへ
何かイベントがあるらしい
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しかしアルコール提供は無し
そして尋常ではない警備員の数…
ちなみに此処は2週間前
邦人男性が首絞め強盗に遭った地区です…
時刻17:00過ぎ。
そろそろ今日も終わりが近づいてきた。
キムラさんはまだしばらくケープタウンに残り、翌日は喜望峰ツアーに参加する予定。
私はまだ決めていないが、この日でケープタウンは終わりにしようと考えている。
「最後に軽くビールでも飲みませんか?」
今度は私が彼を誘い、大麻臭が蔓延する店を避けて、安全そうなバーへ。
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更にボディチェックを受けて入店
そういう街なんです
いつでも何処でも、楽しい時間はあっという間だ。そして日没までには帰らないといけない。そこでキムラさんが一言。
「僕が滞在しているシーポイント地区も見て行きませんか?」
そこは富裕層が暮らすエリア。ウォーターフロントと並び、安全で海岸の景色も良いらしく、私も気になっていた場所だ。
時間は限られてきたが、それは見ておきたい。私達はバスに乗り、やや足早に向かう。
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こんなに平和な所がケープタウンにあるなんて…!
ウォーターフロントとも違う、落ち着いた雰囲気
私もこの地区に泊まっていたら、もう少し長居したかったが、生憎ドミトリーは無いらしい
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ケープタウンのまた違った一面を見ることができて良かった。
たしかに危険だが、魅力も多い街だ。
もしいつか治安が良くなれば、また来たいと思う、かもしれない…。
そして、いよいよキムラさんとお別れ。
出会った当初は「もう会うことはなさそう」と言っていた彼だが、縁とは不思議なものだ。信じられない偶然も起こり得る。
私は今まで何度となくそれを経験してきた。
私が帰りのバスに乗る際、見送ってくれる彼が最後に言ってくれた。
「“一旦”ここでお別れですね」
「正直、ヒッチハイクの時は大変でしたけど、でも楽しかったです」
その言葉を聞けて本当に良かった、もう思い残すことはない。
そしてまたいつかキムラさんと再会した際には、今回の出来事を肴に乾杯したいと思う。
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35ZAR(約290円)
安いな…
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