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イスラムの世界観
2023/7/13
食事後、マラッカ中心地を当てもなく散策。
この時間が好きだ。
目的も無く、予定にも追われずに、ただフラフラするだけのこの時間が。
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その人達に配られてた無料のジュースをゲット
ご馳走様です
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『けっこう歩いたなぁ』
アプリの万歩計を見ると23,000歩。
いつもなら“そろそろ”な頃合いなのだが、久々に体の調子が良い。
いつ振りだろうか?
瞬間に思い出すのは、1ヶ国目の韓国以来だろうか。
とにかく、まだ行けそうだ。
翌日にと考えていた場所へ急遽、足を運ぶ。
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時刻16:30。
目的地に到着。
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この街で一番楽しみにしていた場所だ
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肌の露出が多い服装は禁止されている
うっすら反射して見えるが
私の格好は当然NG
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料金は寄付制だ
無事に入場し、まずは内部を見学。
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ムスリムしか足を踏み入れられない
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なんというのか…
イスラム教のモスクは幾つか訪れたが
全てに共通した
何か形容し難い、特有の雰囲気を感じる
タイの寺院の様な、開かれた様子では無い
どちらかというと日本の神社に近いが
それほどの重々しさとも違う
粛々とした緊張感が有りつつも
大らかで緩やか
尚且つ、淡々とした時間が流れている
気持ちは引き締まるが
とても落ち着くのだ
そんな唯一無二の空気に包まれながら
只ひたすら海に浮かぶモスクを眺め続けた
そして時刻18:00。
腰に巻いたスカートの貸出所が閉まる時間。
私は返却後も遠くからモスクを眺め続けた。
もう敷地内には入れない。
陽が徐々に沈み、日中の生暖かい風が少し冷たくなり、やがて日没。
モスクに明かりが灯り始める。
とても幻想的なのだが、離れているので他の建物や看板に阻まれ、ハッキリとは見えない。
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どうにか、間近で見れないだろうか…
時刻19:45。
ミナレットから礼拝を呼びかけるアザーンが流れる。
独特の音調に導かれ、ぞろぞろとムスリムの方達がモスクに入って行く。
私はその様子に引き込まれつつ、もどかしい思いでその場に立ち竦んでいた。
と、そこに1人の男性が近寄ってくる。
英語は話せないみたいだが、言葉を詰まらせながら
「………from…?」
「Japan」
すると、その男性はニコッと笑い
「Indonesia」
私も笑顔で返したが、すぐ苦笑いに変わり
間近でモスクを見たいけど、ショートパンツだから…。
スカートも貸出が終わってるし…。
そう身振りを交えて伝えると、男性はまたニコッと笑いながら口元に人差し指を立てて
「シーッ」
「いやいや、マズいですよ。セキュリティもいるし…」
すると今度は、その立てた人差し指で私の後方を指し、またニコッと笑いながら
「そこを通って行きな、大丈夫」
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付近に新品のレンガが積まれているので
建設途中の様だ
なので立入禁止なのだが
そこを通るとセキュリティに見つからないよ
そう私に教えてくれて
男性は正面からモスクに向かって行った
ユルい、という表現は違う気がする
寛容、大らか
そんな言葉がしっくりくる
私はセキュリティの目を気にしながら、その建物をコソコソと通り抜け、その先に見えた景色は…
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長い時間待っていて良かった
そして、あのムスリム男性に感謝した
心が高鳴るとも違う
落ち着く…
いや、今はそんな気持ちでも無い
安らぐ
そんな言葉が近いかもしれない
何ともいえないが、晴れやかなのは確かだ
とても充実感のある
不思議な体験が出来た1日だった
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