多様な世界
2024/9/17
2度目のカサブランカ、2日目。
サームの家に泊めてもらった私とタネルは至福の朝を過ごす。
なんと下階に住むムスリム家族まで来て私達をもてなしてくれるのだ。
サームの母、アイシャさんにとってはご近所さんであり店子になるが、普段から良い関係だということが窺える。
恐縮するほどのおもてなしに感謝して始まる一日。
『海を見に行こう』
サームの誘いで私達3人はトラムに乗り、カサブランカ市内の端まで移動。
ビーチ沿いの涼しい風を楽しみ、市内中心部に戻った後はBarに立ち寄る。
イスラム教国のモロッコだが、飲酒には比較的寛容(とはいえ基本的に推奨されていない)らしく、何人かのムスリム達が穏やかに酒を楽しんでいた。
店内にはどことなく背徳感が漂い、日本とは当然雰囲気が違う。
「もちろん明日も泊まっていきなよ!」
「君はいつでも大歓迎だ!」
「明日はクスクスを食べに行こう!」
サームが私に言ってくれる。
素直におもてなしを受け続けることに申し訳無さを感じて『何か御礼をしないと』と思う日本人は多いと思う。
私もその1人であり、ディナー後に立ち寄ったスーパーでの会計を私がしようとお金を出したのだが、店員さえもそれを受け取らなかった。
「君はお金を出すべきではない」と。
それがイスラム文化なのかもしれない。
色々な常識や慣習があって今、私はそれを体験させてもらっている。
彼らの生活に密接した貴重な体験だ。
多様な世界に触れて理解することで、より寛容になれたら良いなと思う。
ひとまず、ご厚意に甘えて明日もサームの家にお世話になる予定だ。
2023年3月から世界中を旅して周り、その時の出来事や感じた事を極力リアルタイムで綴っています。 なので今後どうなるかは私にもわかりません。 その様子を楽しんで頂けましたら幸いです。 サポートは旅の活動費にありがたく使用させて頂きます。 もし良ければ、宜しくお願いいたします。