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2つ目の石

2024/10/30







アイアントレイン乗車から13時間。
午前6時を回ったあたりで漸く朝陽が見えてきた。



地平線の先まで続く
連結された貨車


列車はまだまだ走る。
一体いつまで走るのか、今は何処にいるのかもわからない。GPSは相変わらず機能停止。
有り難い事に、同じ目的地へと向かう現地民が同じ貨車にいるのでまだ安心できるが、もし1人だったらと思うとゾッとする。


だんだん青空へと変わる
そして停車中に荷物を積み下ろす人々

ちなみにトイレはこの隙に外で済ませる
警察に捕まったり、サングラスが壊れたり
想像以上の衝突音と揺れに戸惑ったりと
色々あったが
腹を下さなかった事は本当に不幸中の幸い
いやマジで
もし下痢だったらヤバ過ぎる…

逃げ場の無い振動の中で
人間としての尊厳を
失うこと必至…

地名も無さそうな砂漠の集落
此処にも確かに人は住んでいる




いやぁ、それにしてもさ…。
ホント、いつ到着すんだよ…。
砂塵も風も衝突も、慣れてしまえばそんなに過酷ではないんだけど、如何せん到着が遅過ぎる…。
まぁ、そのおかげで日没と夜明けの両方を列車上から見れたのは良いんだけど、いい加減そろそろ着いてくれないかな……。

っていうか、着くのか本当に…。
まさか、全員まとめて乗り過ごしてるんじゃないよな…。


後半はずっとそんな事ばかり考えていた。


もう全身砂まみれ…


いよいよ明るくなり、清々しい青空
しかし心は晴れていない



揺ーれて揺れて今ここーろーがー
なーにも信じられないーまーまー

LUNA SEAの名曲が延々と頭の中で鳴り響く中、ついに…ついに目的地へ到着……!!

列車は遅れに遅れ、結局19時間かかった…
本来ならば終点に着く時間らしい…
本来なんかあるのかもわからないけど

いやぁまぁ、何だかんだいっても終わってみれば
貴重な経験で楽しめたし、後悔は無い
確かに日没と夜明けは感動した

だが、もう二度と乗りたくはない…


辿り着いた先はシュームという小さな村。
アイアントレイン、正式名称モーリタニア鉄道の中間地点だ。

商店
おそらくモスク


およそ観光客など来るはずもない様に思われるが、同国唯一の鉄道において要衝となるこの村には一軒のゲストハウスがある。

今は営業停止中としながらも、なんとか迎え入れてもらえた。
そして最安のプランで寝床をお願いする。

その結果がコレ

一泊300MRU(約1,200円)

とにかく、何よりもまず体を洗って、洗濯をしたい…。
ずっとそう思っていた私は何とか無事に済ませ、軽く村を一周り。

メインロード
これって、つまり
そういうことですよね…


最低限、水とパンさえあれば…。
商店を周り、今夜と明朝分を購入。
もちろん言葉は通じないのだが、珍しい客を歓迎してくれてか、店の中へと招いてくれた。
しかし特に何をするわけでもなく、ただ無言のシュールな時間が流れる。


宿に戻ると、ゲストハウスのスタッフが少し遅めのランチを無料で提供してくれた。

チェブジェン
魚の煮汁を用いた炊き込みご飯だ

その他の具材は芋、人参、キャベツ
柑橘やスパイスなども

セネガル料理として知られるが
モーリタニアでもよく食されるらしい

その味は意外にも繊細で優しく
どことなく”和”を感じさせる
言ってみれば魚介の五目御飯だ

驚くほど美味かったし、興味もあった料理なので
思いがけないサプライズに感謝
そのスタッフと記念撮影



話は少し遡り、昨日の正午過ぎ。
おそらく一生に一度のアイアントレイン乗車前に拾った石がある。

実は私にはある約束があり、世界中で計3つの小石を日本に持ち帰ろうとしているのだ。
詳しくは
↓↓


最後の石は何処になるだろう。
まだまだ旅は続きそうだし、そう願う。


数少ない“やりたい事”の1つだった
「砂漠でキャンプ」
それも昨日と今日のコレで達成としよう
やっぱり星は自分のカメラじゃ捉えきれないな
それでもしっかり
特にアイアントレインからの星は記憶に留めたい

ひとまず、おやすみなさい


2023年3月から世界中を旅して周り、その時の出来事や感じた事を極力リアルタイムで綴っています。 なので今後どうなるかは私にもわかりません。 その様子を楽しんで頂けましたら幸いです。 サポートは旅の活動費にありがたく使用させて頂きます。 もし良ければ、宜しくお願いいたします。