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ようこそモーリタニアへ
2024/10/31
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おはようございます
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ちょうど朝焼けの時間
あの遥か彼方に日本があるのか…
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泥の様に眠った昨日から一夜明け、シューム2日目。
当初はもう一泊を予定していたが、先を急ぐことにした。西サハラ辺りからずっと言いようのない焦りを感じて落ち着かない。
今のところ深刻なトラブルも無いし、良い人に恵まれてはいるのだが…。
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他のゲストからお茶とパンをご馳走になる
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親切なスタッフにバス乗り場まで見送ってもらい、次の目的地アタールへと向かう。
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サハラ砂漠を貫く直線道路はしっかりと舗装され、わりと快適だった。
しかし、このスピード感…時速100kmは優に超えていただろう。
とはいえ、事故を心配しても今更どうしようもない。それより着いた先での宿探しの方が気掛かりだ。
またその先のモーリタニア最終目的地、首都ヌアクショットまでの交通手段も聞いて周らねば…。
と、そんなタイミングで隣の席に座った1人のモーリタニア人男性と話が弾んだ。エリィという名の彼は英語が話せたので、会話が出来る喜びに私もつい口数が多くなる。
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アタールに到着
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街の食堂へ
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エリィがそう私に尋ねて、出てきたコチラ
炭火で香ばしく焼かれ、食欲をそそられる
何よりこの食感…!
モロッコ入国から数えて3ヶ月弱
肉といえばミンチ状を焼いたものばかりだった
舌で潰せるほど柔らかいソレも確かに美味いのだが
この「肉を齧ってる感」に私は飢えていたのだ
そしてこの脂身のコク…
美味ぇ…!
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本来、彼らは手足を水で清めてから祈り始めるが
水が大変貴重な砂漠のムスリム達は
代わりに石を撫で、その手で顔や腕を清めて行う
同じ宗教でも国や土地によって様々だ
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有り難い…!
「君はゲストだからね、ようこそモーリタニアへ」
炭鉱で働く彼は
モーリタニア最大の会社に勤めているとの事
「アタールの次は何処に行くの?」
「ヌアクショットだけど、行き方がわからないんだ。言葉も通じないし、インターネットも繋がらなくて…」
「それならバス会社まで一緒に行って、俺が通訳してあげるよ」
そんな彼のおかげで、私は難なくヌアクショット行きのチケットを購入。
この街アタールにも1〜2泊して情報を集めてからと思っていたのだが、気温39℃の中、宿探しも大変なのですぐに出発を決めた。
「ありがとうエリィ!本当に助かったよ!」
私は筆ペンで紙に「恵利」という日本語の名前を書いて渡し、御礼を伝えて彼と別れた。
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本日合計550kmの移動
幸運且つ順調ではあるが、それはそれで不安もある。
午後3時に出発したバスがヌアクショットに到着するのは夜9時過ぎ。
そんな時間に、人口100万人の大都市で勝手もわからないまま、バックパックを背負って歩くのは危険だ。
Simカードのデータも使い果たしてインターネットも出来ず、おまけに宿の予約も無い…。
ハラハラしながら、とにかく出来るだけ早くの到着を願う。
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イスラム教徒は通常一日5回これを行う
此処は簡易的なモスクらしく
男性は中で、女性は外で祈っている様だ
1人だけ非ムスリム、そして外国人の私は車内でも目立つ存在。
祈らない私を白い目で見るかと思いきや、逆に興味の対象として数人に話し掛けられた。
その中の1人、モハメッドは先程のエリィ同様に英語話者で、特に私を気に掛けてくれた。
「ところで、ヌアクショットに着いてからはどうするの?」
「とりあえず宿を探さなきゃ…」
「宿って、夜から探すの?車は?このバスの到着場所は郊外だし、歩いて中心部になんか行けないよ?」
「えっ、マジで!?…どうすっかな……」
「じゃあ俺の車で街まで連れてってあげるよ」
そんな調子でバスは夜9時半、本当にヌアクショットの郊外へ到着。
そして車で迎えに来てくれた彼の友人と共に3人で市街地まで。
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その後ろに運転してくれた彼の友人
モハメッドは私のSimカードに
データまでリチャージしてくれた
何やら無料で可能らしい
「ありがとう!本当にありがとう!」
「実は心配だったんだ。初めての街で、しかもアジア人は目立つし、危険なんじゃないかと…」
「ハハハ、こちらこそ。ようこそモーリタニアへ、良い旅を」
この日も偶然人に助けられ、宿も見つかり、何とか無事に終えられた。
毎日毎日、綱渡り。
でも何とか、何とかなっている。
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