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コーヒーの香りと旅の彩り

2024/10/2



「今日、有名なコーヒーショップに行って、それからモロッコを出国するよ」



BACHA COFFEEをご存知だろうか。
シンガポールやフランスなど世界各国に店舗を構え、チャーリー・チャップリンやフランクリン・ルーズベルト、ウィンストン・チャーチルなどの偉大な文化人、政治家も訪れたコーヒーショップの有名店だ。

1910年建設のダール・エル・バシャ宮殿にて創業。その1号店が此処モロッコのマラケシュ旧市街にあると知った私は
「それは飲んでみたい」
と、ルームメイトの韓国人キムと共に向かった。


10:00開店に合わせて到着すると
まさかの大行列

なんと2時間待ちだという
入場料10MAD(約148円)
『コーヒー屋に入るだけで金かかるの!?』
なんて思ったが
なるほど納得…110年以上前の宮殿を
これだけ綺麗に保つには、たしかに維持費が必要だ

飲食店でこれだけ待ったことは初めてかもしれない。
だがそこはキムと会話したり、この日記を書いたりして難なく過ごす。彼はやや待ちくたびれた様子だったが…。

本当に2時間後に入店
むしろ時間通りで安心した

海外で2時間と言われたなら
3時間は待つ覚悟が必要なので…
ゴージャスな内装に
ゴージャスなメニューブック
1杯181MAD(約2705円)
ぬおお高けぇぇぇ…!
私は100種類以上ありそうなメニューの中から
初のフレーバーコーヒーを

ウンチクはわからないので名前で決めた
Marrakech Morning coffee
44MAD(約658円)

バニラビーンズと生クリームが付いてくる
店員の接客もすごくしっかりしている
すげぇ!プラムの香りがする!
なんて驚いてキムに話したが
そりゃフレーバードなんだから当然か

普段は頼まないタイプのコーヒーと
普段は縁のないリッチな環境に動揺してしまった


肝心の味はというと、これが想像以上に美味しかった。
久々にテイスティング気分で味を確かめながら飲んだが、ウイスキーも然りで、たまにはフレーバータイプも楽しいよね、と思いつつ堪能。
実際は2杯半の量があり、店の環境や歴史も踏まえるとお手頃な値段だと思う。


記念撮影

釜山出身のキムは何度も来日経験があり
つい先日も日本に滞在していたらしい

”日本語は俺の第二言語なんだ”と言ってくれる彼
やっぱり嬉しいよね


その後、満足した私達は宿に戻って1時間ほど休憩。そして

「そろそろ行くよ」


そう切り出し、立ち上がるキム。
これからモロッコを出国し、ヨーロッパに向かうという。
私は惜しみつつも、玄関先でそんな彼を見送った。

僅か数日の出会いと別れ。
バックパッカー宿ではよくあるこんな出来事が、深く鮮やかな彩りとなって旅に刻まれていく。
私は再会を縁に委ね、静かにドアを閉めた。



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URBANRANCH
2023年3月から世界中を旅して周り、その時の出来事や感じた事を極力リアルタイムで綴っています。 なので今後どうなるかは私にもわかりません。 その様子を楽しんで頂けましたら幸いです。 サポートは旅の活動費にありがたく使用させて頂きます。 もし良ければ、宜しくお願いいたします。