最高潮の時
2023/9/7
シェムリアップ6日目。
いい加減
さっさとアンコールワット行けよ
自分でもそう突っ込みたくなるが、今まで気乗りしていなかったわけではない。
逆だ。すぐにでも行きたかった。
このアンコールワット(正確にいうとアンコール遺跡群)は、私がこの旅で絶対に行くと決めていた、数少ない場所の1つなのだ。
その理由は、私が影響を受けたエッセイスト、石田ゆうすけ氏の一冊にある。
1995年夏から2002年末まで、氏は7年半の歳月を費やし、自転車で世界中を巡る。
そして、その中でアンコール遺跡群を訪れるのだ。
私はそれを追体験してみたかった。
氏は東回り、北米からスタートしているので旅の終盤、一方私は西回りのアジアからなので序盤。
更に20年以上も前の話なので、今と諸々の違いはあると思う。
しかしペダルを漕ぎながら氏が感じた事、それに思いを馳せつつ、私がどういう感情になるのか。
日本にいる時からずっと楽しみにしていた
まさに世界一周、東南アジア編
そのクライマックスだ
というわけで、連日の雨からじっと天気が回復するのを待って今に至る。
決行日は明日。というより、明後日の早朝にシェムリアップを発つ事になったので、明日しかチャンスは無い。
その前に、色々な情報と楽しい会話、そして美味しいコーヒーや食事を提供してくれたGOEN COFFEEに最後の挨拶を兼ねて訪問。
しかし、この日は休みだった。
残念だが、ご縁があればまた繋がるだろう。
ちなみに“GOEN”は日本語の“ご縁”を意味するようだ。
時刻14:00。
アンコール遺跡群の入場チケットを買う為、往復10kmの道をのんびりと歩く。
あとは、どうやって行くかだ。
バスツアーに参加するなら、夜明けに間に合うようセッティングしてくれるだろう。
だがそれでは自由度が少なく、1人佇む事は難しい。
ならば少し高くなっても、個人でトゥクトゥクをチャーターするか。
キーポイントだ、ここに出費は惜しまない。
しかし改めて本を読み返すと、氏が訪れたと描かれているのは壮大な遺跡群の中のアンコールワットと、その先のバイヨン。
そこから約40km離れたベンメリアは、私の勘違いで書かれていなかった。
街からアンコールワット、バイヨンまでなら
自転車で行ける気がする…!
いずれにせよ、現地は観光客だらけでゆっくり出来ないかも知れない。
また極度の方向音痴なので、道に迷って夜明けに間に合わない可能性も十分ある。
それでも
20年以上前に残した1人の旅人の軌跡
それを辿ってみたかった
同じ目線、同じスピードで
これで準備万端
あとは早起きして
いよいよ明日、晴れるのを祈るのみ
楽しみだ
………
あれ…?
なんか…
寒気がしてきたな…