
イスタンブールの洗礼
2023/10/22

時刻25:30。
トルコ、イスタンブール空港。
新しい場所に来た際、まず感じる事。
それは風と気温。
タラップを降りて、肌に触れるその心地を確かめる。
『おぉ…地元の秋だ…!』
慣れ親しんだ北海道東部・初秋の風。
盆を過ぎ、短い夏が終わったかと思うと急にに涼しくなる。
30℃後半を推移するドバイから来た私は不意に懐かしさを覚え、気温を確認すると17℃。
なるほど、納得。
久々の“ちょうど良さ”に早速
『来て正解だな』
そう思った。

思いの外、入国審査はスムーズ。それどころか最短記録タイの早さで通過。
全く何も聞かれずスタンプを貰い、預け荷物を受け取る。
そしてトイレを済ませ、両替だ。
余ったドバイ紙幣13,000円分をトルコ通貨「リラ」とEU圏で主に使用される「ユーロ」に替え、近くのベンチに座り金額を確認。
『9,000円…!?』
両替手数料と為替の差で4,000円も少なくなっている…!
勿論、空港のレートが悪いのは知っている。
その上で、イスタンブールでは市内換金所もそう変わらないと、下調べを済ませていた。
しかし…こんなに少なくなるのは初めてだ…。
その場で確認し、とりあえず拒否する事を怠った自分の落ち度である。

いずれにせよ空港泊なのだが
時刻7:00。
カウンターで市内行きのチケットを尋ねる。
何やら日本のSuicaと似た仕様の「イスタンブール・カード」とセットらしい。
そのカードが必須な事も調べ済みだ。
むしろ空港では買えないと情報があったので、意外にも好都合だった。
「700リラ(約3,730円)、現金のみ」
驚くほど英語が通じない店員に戸惑いつつも、言われた通りに現金を渡す。
その後、背筋にスッと悪寒が走る。
『ちょっと待て、高くないか…!?』
『大体このカード、幾らチャージされてるんだ…!?』
『支払いは現金のみって…国際空港のチケット売場でおかしいだろ…!』
完全に弛んでいる
寝起きな事もあるが、空気の心地良さ、親日国のトルコと聞いて油断していた。
いや、思えばドバイでも…。
うっかり計算を間違えて、ハンバーガー2個で2,400円も支払っていた。

アボカドとチキン
これで…
何かと刺激的だったインドに1ヶ月、また東南アジアに半年滞在後の今。
その快適さからか、すっかり緊張感を失っている。
マズい、そして何より恥ずかしい。
『気を引き締めないと…!』
到着したバスに乗り込む際、案内人に
「その購入チケットは使えない。現金もしくはクレジットカードだけだ」
と言われるが、先に並ぶ人は問題無くチケットで乗車しているので、冷静に無視。
『なんだなんだ…?さっきから…』
『空港の外が治安悪いのは常識だが、それにしても…やけに悪質じゃないか?』
もしかしたら私の勘違いかも知れない。
しかし、どうも釈然としない。
モヤモヤした中、バスは淡々と走ること約1時間。
時刻9:00。
イスタンブール市内に到着。

最寄りの中心部タクシム広場まで歩き、屋台でパンを買い、それを噛りつつ石縁に腰掛け、宿を検索する。

10TL(約53円)
その場で宿を予約し、徒歩で向かう。
まだチェックインまで4時間もあるが、ひとまず荷物だけでも預かってもらい、あわよくば共有スペースで休みたい。
空港泊は旅を感じられるが、どうしても疲れは残るのだ。
嬉しい事に午前10時からチェックインさせてもらえたので、有り難く厚意に甘え、昼過ぎまで仮眠を取った。
宿のスタッフ曰く
「すごく疲れているように見えた」
らしい。
間違ってはいないが、そこまで外見に表れているのか…。
ベッドでゆっくり休めたのでスッキリ回復し、早速イスタンブール市内を探索。




おぉぉ…





完全にヨーロッパじゃん…!
トルコをアジアとするのか、はたまた欧州とするのかをも知らないのだが、今までアジアを周遊すること約7ヶ月。
そして未だヨーロッパを訪れたことの無い私からすると、此処は紛れもなくそう見えた。






何はともあれ
やはり
初めての国、初めての街は心が踊る
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