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ファティマの手

2024/8/13


宿で知り合ったユセフはこの日、チェックアウトしてアンザを離れるとの事で、私は彼を見送った。

思えば彼は日本や日本人、日本のアニメではなく、私個人を慕ってくれたようだった。
短い間だったが、共にアンザビーチを散歩して、毎晩ご飯とミントティーを私に用意してくれた。

昨夜のミルク粥
オリーブオイルをかけ、砂糖を溶かしながら頂く
これもモロッコでポピュラーな食べ方らしい
優しい甘さとオリーブの風味が癖になる美味しさ


「マサキ!マサキ!」と誘われて一緒にTikTokも撮ったなぁ。まぁ、私は全く踊れなかったけど…。
そんな風に慕ってくれるのは素直に嬉しいもんだ。

最後はハグをしてお別れ。
またいつか再会できる事を願う。


その後
昨日も訪れた食堂へ

この中から好きな魚介を選ぶ
今日はマグロ、イカ2杯、エビ2尾
なんか…
いや、抜群に美味かったんだけど
今回は60MAD(約900円)だった

事前に値段聞いても教えてくれないんだよな

他の様子を見てると
どうやらオーナーの気分で値段が決まるらしい

もちろん900円でも全然安いし
値段にケチつけるわけじゃないんだけど
「注文確認してくれよ、そこにメモあるだろ!」
と言っても聞く耳を持たないから
後味が悪かったな


会計の後、100mくらい歩いただろうか。
背後からバイクに乗った中年の男が声をかけてきた。
ダリジャ(アラビア語のモロッコ方言)だったので聞き取れなかったのだが、どうやら先の食堂での会計のやり取りを見てて、心配して来てくれたみたいだ。
おそらく
「すまない、君を歓迎するからモロッコを嫌いにならないでくれ」
という様な事を言っていたのだと思う。

「Sorry, I can only speak English. But I'm fine, so don't worry. Thank you so much.」

言うほど英語が話せるわけでもないのだが、とりあえず英語でそう返すと彼は

「Merci」
と笑顔で私に応えてくれた。
英語に対してフランス語で返事をするくらいだから、彼が私の言葉を聞き取れたかどうかはわからないが、お互い気持ちは伝わったのだと思う。
ちなみにモロッコの第二言語はフランス語だ。


やっぱり人の心を癒すのは人ですよね
犬や猫、亀でもいいけど
音楽と酒でもいいよ


コーヒーでもいいし

モロッカンコーヒー(砂糖抜き)
これ美味いぞ…!

イタリアで飲んだエスプレッソに匹敵
いや、このロケーション込みだとそれを凌ぐ美味さ
6MAD(約90円)

しばらくお世話になる予感


ユセフが別れ際、私にくれたプレゼント
「ファティマの手」
と呼ばれるモロッコのお守り
魔除けの意味合いがあるらしい

これで私の腕には頂いたブレスレットが計4本
募る思い出と共に旅をする


海岸沿いに造られた
お祈りの場
その様子はとても神秘的で美しい










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URBANRANCH
2023年3月から世界中を旅して周り、その時の出来事や感じた事を極力リアルタイムで綴っています。 なので今後どうなるかは私にもわかりません。 その様子を楽しんで頂けましたら幸いです。 サポートは旅の活動費にありがたく使用させて頂きます。 もし良ければ、宜しくお願いいたします。