ファティマの手
2024/8/13
宿で知り合ったユセフはこの日、チェックアウトしてアンザを離れるとの事で、私は彼を見送った。
思えば彼は日本や日本人、日本のアニメではなく、私個人を慕ってくれたようだった。
短い間だったが、共にアンザビーチを散歩して、毎晩ご飯とミントティーを私に用意してくれた。
「マサキ!マサキ!」と誘われて一緒にTikTokも撮ったなぁ。まぁ、私は全く踊れなかったけど…。
そんな風に慕ってくれるのは素直に嬉しいもんだ。
最後はハグをしてお別れ。
またいつか再会できる事を願う。
会計の後、100mくらい歩いただろうか。
背後からバイクに乗った中年の男が声をかけてきた。
ダリジャ(アラビア語のモロッコ方言)だったので聞き取れなかったのだが、どうやら先の食堂での会計のやり取りを見てて、心配して来てくれたみたいだ。
おそらく
「すまない、君を歓迎するからモロッコを嫌いにならないでくれ」
という様な事を言っていたのだと思う。
「Sorry, I can only speak English. But I'm fine, so don't worry. Thank you so much.」
言うほど英語が話せるわけでもないのだが、とりあえず英語でそう返すと彼は
「Merci」
と笑顔で私に応えてくれた。
英語に対してフランス語で返事をするくらいだから、彼が私の言葉を聞き取れたかどうかはわからないが、お互い気持ちは伝わったのだと思う。
ちなみにモロッコの第二言語はフランス語だ。
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2023年3月から世界中を旅して周り、その時の出来事や感じた事を極力リアルタイムで綴っています。
なので今後どうなるかは私にもわかりません。
その様子を楽しんで頂けましたら幸いです。
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