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何処で、誰と、何をして

2024/9/12


ウェザーン、2度目の2日目。
ユウカちゃんとシェアした個室で目覚めた朝。

やっぱりプライベートルームは落ち着く。
いざ泊まってみるとわかるし、疲れの取れ方も違う。

それにバックパッカー女性と居るのも気が楽だ。
彼女達は元々ドミトリーに慣れているので、良い意味であまり細かい事を気にしない。
部屋で着替えようが歯を磨こうが、爪を切ろうが…お互いに洗濯した下着だって干す。

ユウカちゃんなんて
「トイレにゴキブリが2匹いたんで、踏み潰しておきました」と…。
もちろん彼女は靴も履いているし
「靴ちゃんと洗ったんで、心配しないでください」と言うが、つ、強い…。

ゴミ箱のメシを食っても野宿しても、それは俺には無理だ…。


朝食
バスステーション付近の食堂で
ケフタ(ミンチしたラム肉)のグリル
シャキシャキの玉ねぎを添えて

モロッコ料理はスパイスをよく使うが
やり過ぎない絶妙な加減なので素材の味が活きる
20MAD(約300円)
タジン
今回は野菜で

あの帽子みたいな蓋が蒸気を循環させているからか
ジャガイモも人参もふっくら
そして甘みや旨味が凝縮している
オリーブ入りは“流石ウェザーン“といったところか

35MAD(約525円)
ホブス付き


乾燥させたイチジクはとても甘い

ユウカちゃんが10MAD(約150円)を先に渡して
「この分だけちょーだい」と言ったら
両手に収まらない位の量がきた
エスプレッソとカフェラテ
いずれも8MAD(約120円)

まともなWi-Fi環境に時間無制限で居られて
この値段はありがたい


食事を楽しんだ後は街をぶらりと散歩。

鮮やかな緑色と緻密な彫刻が美しいモスクの前で佇んでいると、近くにいた女性達に話しかけられた。

「私達の家に寄っていきなさい」と。

普段、私1人なら断る場面だ。
こういう時は大抵、お金絡みのトラブルにつながる。
しかしイスラム圏の国々では、たとえ初対面でも旅人をもてなしてくれる文化があることは知っている。

ユウカちゃんも乗り気なので、誘われるまま私達はお邪魔させてもらった。

綺麗な食器の中にはミントティー
オリーブやバター、ハチミツにホブス
焼き菓子まで出してくれた

薄型テレビにフライヤーなどの調理器具もある
しっかりした家

こういったムスリム達の家には
いつでも客人をもてなせる準備と応接間が
備えられている
とても親切な人達でした
娘さんも大学行って、今はエンジニアだし
こんな景色を見渡せる場所に家があるのだから
おそらく裕福な家庭なんだろうな


彼女達に御礼を伝え、私達は再び陽が暮れるまで散歩。



実は今朝、ユウカちゃんがバスステーションの食堂で店員のオジサンと話していたところ、この街に住む日本人がいるとのこと。

『珍しい、どんな人なんだろう?』

私達はそのオジサンを介して連絡を取り「今夜一緒に食事ましょう」という話になった。

3回目のチキン屋に集合

七面鳥の串焼きは初めて食べた
普通の焼き鳥と変わらないが
スパイスが独特なので異国感はある

適当に頼んだので何人前かわからないが
合計88MAD(約1,286円)くらいだった気がする


フランス人の夫とフランスで25年過ごし
夫が亡くなった今はモロッコに来て11ヶ月目の
ミキさん
ハンディキャップのあるシンタロウ君と2人暮らし

「日本に帰って生活はしないんですか?」
私が訊ねると
「モロッコの人は外国人やこの子にも優しいから」
とのこと

なるほど、たしかに

一方で、3ヶ月の滞在期間を過ぎる前に
スペインに入り、再入国しなければならないのは
少し不便かもしれないが
それも含めたうえでの選択だ


久し振りの日本人と日本語が嬉しかったのかミキさんもシンタロウ君も、もちろん私達も終始盛り上がり、気づくと時刻は22時半。

ユウカちゃんは帰国間近なので、その準備をしなければならない。なんせ彼女はまだフライトチケットも取っていないのだ。
私も明日の予定すら決まっていない。

熱が冷めやらぬ中、後ろ髪を引かれる思いで私達は2人に挨拶をして宿に戻った。
また会える事を願いつつ。

そしてシャワーを浴び、洗濯物を夜の屋上に干しながら考えた。



皆それぞれの人生がある

俺はこれから何処で、誰と、何をして生きて行くんだろう




とりあえず笑っときゃハッピーハッピー♪

by フィリピンのおじさん



2023年3月から世界中を旅して周り、その時の出来事や感じた事を極力リアルタイムで綴っています。 なので今後どうなるかは私にもわかりません。 その様子を楽しんで頂けましたら幸いです。 サポートは旅の活動費にありがたく使用させて頂きます。 もし良ければ、宜しくお願いいたします。