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雑記:ウェドゼムの夜明けを眺めながら

2024/9/24


ところで先日、シェフシャウエンからウェザーンまでの数日間を共にしたユウカちゃんから、一冊の本を頂いていた。
バックパッカーの間では言わずと知れた名作、あの「深夜特急」その文庫本だ。

『あぁ、読んだことあるある、懐かしいな。せっかくだからもう一度読んでみようか』

そんなつもりで手に取り、文章を目で、口で、手でなぞりページを捲ってみたものの、懐かしさどころか、一向に先の展開を思い出せない。
そして気付いた。



オレ読んだことないわ、深夜特急


だいたいにして
“バックパッカー”って言葉を知ったのも最近だしね

それほどいい加減な自分でも、著者の沢木耕太郎という名前は知っている。
巻末にはそんな沢木氏と、同じくノンフィクション作家の山口文憲氏(こちらは存じ上げず…すみません)の対談が掲載されているのだが、今回の本題はここから。


対談の中で山口氏は
「自分で文章作ってて思うんだけど、展開とかリズムとかテンポなんかが、やたらと気になる」
と話しているんですね。
若き頃の氏はトランペットを吹き、東京芸大の器楽科を目指す音楽少年だったそうで、その影響があるみたいです。

実はコレ私も同じで、いや同じといってはあまりにも失礼なのですが、毎日コツコツ言葉を並べる際、個人的に重要視しているポイントなんです。
ちなみに私は30年近く前からドラムを叩いています。なので尚更テンポやリズムを気にするのかもしれません。

つまり“如何にしてスラスラ読める文章を作るか”ということですね。

特に私の場合、所謂ロックンロールやパンクロックといった阿呆みたいに早い曲を叩くことが多かったので、なんていうかこう「ダァーッ!!」と読める文章を目標にしています。
…いや、これは曲の所為ではないな、単純に私の性格でしょう。


………


そんな眼で見ないでくださいよ…


と、こんな調子でブレイクなんかもたまに入れながらね。
もっとも、私は東京芸大を目指すなんて考えもしなかったアマチュア中のアマチュアですけども。


昔は機材を車に詰め込んで
小さなツアーなんかもやっていましたね

あ、こんなイカしたトラックじゃありませんよ


しかし理想は“書く”のではなく“描く”こと。

具体的には、景色や音、匂い、味、感触そして心の機微が伝わる文章にすることですね。
そのためには時として、写真の添付が不都合だったりします。

だって、ほら

こんな風に写真載せちゃうと
それ以上でも以下でもなくなっちゃいますから


読み手の想像を膨らませ、各々で完成させてもらう作品が創れたら良いなと思いつつも、旅中にリアルタイムで綴っているので正直、これが限界です。
が、たとえ荒削りでも、その日の熱量をそのまま文章に込めたこの日記がいつか、自分の中で「あぁ、やってて良かったな」と思えたら良いなと。

ウェドゼムの夜明け



そんでもって、いつか帰国した時、ボロボロになったブーツを脇に置き、ウイスキーをちびちびと飲りながらコレを読み返し、ニヤニヤしたい。という気持ちの悪い本音をここに残しておきます。
実際は恥ずかしくて読めたもんじゃない、となるのを予想していますが…。
まぁ詰まる所、自分の為に描いて、いや書いているんですね。
それでも読んでくださる方が少しでも楽しんでもらえたなら、もちろんそれは嬉しいです。
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます。


明日で出発からちょうど1年半

目標というか
目安にしている3年旅の折返し地点になります


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URBANRANCH
2023年3月から世界中を旅して周り、その時の出来事や感じた事を極力リアルタイムで綴っています。 なので今後どうなるかは私にもわかりません。 その様子を楽しんで頂けましたら幸いです。 サポートは旅の活動費にありがたく使用させて頂きます。 もし良ければ、宜しくお願いいたします。