セネガル出国
2024/11/9
ダカール滞在4日目。
午前6時に起床し、早々に出発の準備を済ませる。
この日、コバ君はコートジボワールへ。
そして私も急遽、予定を決めた。
フランスに行こう
実は先日、新しいカウチサーフィンの2人組ゲストがやって来た。なんと彼らもダカールで財布を盗まれたらしい。
出会う人皆、何かしら盗られている。そんな街で楽しめる気がしない。何よりコバ君を差し置いて楽しもうとする気になれない。
当初は陸路でモロッコまで戻ろうと思っていたのだが、その為にまたあの国境を越えるのも億劫だ。
それに同じルート、街を巡るのも気が乗らないし、最低一週間は掛かるだろう諸々のコストを考えると飛行機の方がまだ安くつく。
まずはヨーロッパに行き、それから東アフリカ行きのフライトを見つけよう。
というわけで早朝6時半過ぎ。
私とコバ君はハリルさんの兄に空港まで送ってもらった。
最後の最後までハリルさんには本当にお世話になった。ダカールにはこんなに人徳がある人がいる一方で、スリが多発している現状は残念でならない。が、これも経験として今後に活かすしかない。
空港に到着し、まずコバ君がフライトをチェックする。すると、出発時刻が当初の予定より2時間近く早くなっているではないか…!
『遅れるならともかく、早まるなんてあるのかよ…』
私達はモーリタニアで偶然出会ってからの一週間を振り返る暇も無く別れることになった。本当にこの国は油断ならない。
それでも笑顔で握手し、見送ることができて良かった。彼とは今後も繋がりがあるだろうし、そう願う。
と感慨に浸る間もなく、コバ君から連絡が。
「出国審査で“スタンプを押すには50ドル必要だ”と賄賂を要求されました。気をつけてください!」
ったく本当にこの国は……。
案の定、私の出国審査でも20ユーロを要求されたが即座に断り、強引にスタンプを押させた。
たまたま一緒にいたフランス人親子は何も言われなかったらしい。アジア人が狙われやすいのは事実だ。
飛行機を降りて外に出ると、スゥッと冷たい風が頬を撫でた。これまた久々に感じる、秋の夜風だ。
それは西アフリカからヨーロッパに戻ってきた安心感と相まって、とても心地良く私を迎えてくれた。
『とりあえず今日は空港泊。そしてまたゴミ漁り生活か…』
何か食べ物はないかとゴミ箱を物色していると、女性の声が。
私が深く御礼を告げると、そのポルトガル人女性はこうも私に言った。
「この空港、フライトチケットが無いと夜中は居られないわよ。職員達は空港泊を嫌っているから…」