揺られる好奇心
2024/10/27〜2024/10/28
ふやけたコンソメスープ・パスタを平らげ、陽も沈みかけた頃、再び外に出てみる。
”夜は出歩かない”
治安の悪い場所では鉄則かもしれないが、ここは思った程でもなさそうだ。まぁ、夜に街へ行ったところで特別なものなど見られないと思うが、僅かな好奇心の向くまま歩いてみることにした。
ところで。
此処ヌアディブには”アイアントレイン”なるものが走っているらしい。
正式にはモーリタニア鉄道というらしいのだが、内陸の街ズエラットから運ばれた沢山の鉱石がこの街で下ろされ、空になった列車がまたズエラットに戻って行く。
何やら、その空になった貨車に乗ってサハラ砂漠を十数時間、夜通し突き進むのが地元の人達、そして旅人の間では有名のようだ。
列車の長さは全長2kmとも3kmともいわれ、いずれにしても世界最長として知られている。
また、強風に伴う異常な砂埃と日中の強烈な陽射し、夜は闇の中で寒さに凍え、ひたすらガタゴト揺られ続けながら到着を待つ過酷な環境としても…。
私はその存在こそ知っていたものの、まさかモーリタニアの、しかもヌアディブに有るとは思っていなかった。
ハッキリ知ったのはつい1ヶ月前だ。
今までは無料で乗れたそうなのだが、あまりにも観光客に注目されてしまったからだろうか。今では外国人の貨車乗り込みは正式に禁止されているとの事。
だがそれはもちろん建前で、警察に金を渡せば可能らしい。つまり賄賂だ。
とにかく、此処まで来ておきながら、そのアイアントレインに乗らないなんて味気ない。
大変そうだけど、絶対に酷く汚れるけど、なんでわざわざ賄賂を渡してまで過酷な環境に身を投じるのか、内心疑問はあるけども…。
やはりこれも好奇心というやつなのだろう。
なので明日、挑戦してみようと思う…。
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2023年3月から世界中を旅して周り、その時の出来事や感じた事を極力リアルタイムで綴っています。
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