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揺られる好奇心

2024/10/27〜2024/10/28


ふやけたコンソメスープ・パスタを平らげ、陽も沈みかけた頃、再び外に出てみる。

”夜は出歩かない”
治安の悪い場所では鉄則かもしれないが、ここは思った程でもなさそうだ。まぁ、夜に街へ行ったところで特別なものなど見られないと思うが、僅かな好奇心の向くまま歩いてみることにした。

路上で買ったスパイス入りコーヒー

鼻に抜ける刺激的な香りと砂糖の甘さ
たしかに洗練されているとはいえないが
これがなかなかどうしてイケるのだ

シナモンかな、それともクミン?
知っているスパイスのはずだが
コーヒーに混ざるとわからなくなる
10MRU(約39円)
ダフラでもそうだったが
この辺りではコーヒーをヤカンに入れ
炭火で温めながら売り歩く行商をよく見かける

それにしてもカッコいいな、このお兄さん


夜のヌアディブ中心部
裏通りの方がまだ賑わいがあり
実質のメインロードになっているようだ
昼間も購入したサンドウィッチ店

サクフワに焼いたフランスパンに
たっぷりチキンが入って20MRU(約80円)は嬉しい
ちゃんとアルミホイルに包み、紙袋に入れてくれる
連日立ち寄っている果物屋のお兄さん
彼は愛想が良く、英語を話せるのでとても助かる

バナナ3本で30MRU(約120円)
と、コミュニケーションの流れで写真を撮ったが
基本的にこの辺りでの撮影は良く思われないようだ
実は西サハラに入ってから薄々感じていた

およそ観光地以外のアフリカ全般だと予想する


帰り道
そこそこの緊張感はあれど
特に問題は無い

でも無防備に歩くなんて、もう想像がつかないな
日本に帰ったら感覚が戻るんだろうか



ところで。

此処ヌアディブには”アイアントレイン”なるものが走っているらしい。
正式にはモーリタニア鉄道というらしいのだが、内陸の街ズエラットから運ばれた沢山の鉱石がこの街で下ろされ、空になった列車がまたズエラットに戻って行く。

何やら、その空になった貨車に乗ってサハラ砂漠を十数時間、夜通し突き進むのが地元の人達、そして旅人の間では有名のようだ。
列車の長さは全長2kmとも3kmともいわれ、いずれにしても世界最長として知られている。
また、強風に伴う異常な砂埃と日中の強烈な陽射し、夜は闇の中で寒さに凍え、ひたすらガタゴト揺られ続けながら到着を待つ過酷な環境としても…。

私はその存在こそ知っていたものの、まさかモーリタニアの、しかもヌアディブに有るとは思っていなかった。
ハッキリ知ったのはつい1ヶ月前だ。

今までは無料で乗れたそうなのだが、あまりにも観光客に注目されてしまったからだろうか。今では外国人の貨車乗り込みは正式に禁止されているとの事。
だがそれはもちろん建前で、警察に金を渡せば可能らしい。つまり賄賂だ。

パスタじやダメですかね
今回は上手く茹で上がったんですけど


とにかく、此処まで来ておきながら、そのアイアントレインに乗らないなんて味気ない。

大変そうだけど、絶対に酷く汚れるけど、なんでわざわざ賄賂を渡してまで過酷な環境に身を投じるのか、内心疑問はあるけども…。

やはりこれも好奇心というやつなのだろう。



なので明日、挑戦してみようと思う…。



しかしまぁ
砂漠地帯の夕焼けは本当に美しい

アイアントレインから見る空はどんな感じだろう


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URBANRANCH
2023年3月から世界中を旅して周り、その時の出来事や感じた事を極力リアルタイムで綴っています。 なので今後どうなるかは私にもわかりません。 その様子を楽しんで頂けましたら幸いです。 サポートは旅の活動費にありがたく使用させて頂きます。 もし良ければ、宜しくお願いいたします。