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サハラ砂漠でHitchhiking

2024/10/21

ラーユーヌ3日目、チェックアウト。

午前8時に出発し
まずは約5km先のヒッチハイク・ポイントまで歩く
途中で見つけた段ボール
これを拾い、行き先をアラビア語で書く

サインを使うのは久々だ
徒歩1時間で到着

目的地ブジュドゥールまでは約180km
さぁ、どうなるかな…!


意外にも道路はきれいに舗装されていて、交通量も悪くない。そしてアラビア語で書いたサインが功を奏したのか、ドライバーがきちんと反応してくれる。

「ごめんごめん」
「遠くにはいかないよ」
「おっいいね、頑張れよ!」

完全に白い目で見られると思っていたので、とりあえずリアクションがあるだけでも嬉しくなってしまう。



そう、開始1時間までは…



諸々の条件が悪くなかった分、予想より早く止まってくれるかと思ったが、やはり甘かった…。
そして、あっという間に1時間半が経過。

『うーん…なかなか厳しいな…』

そう思い始めた矢先、1人の現地人が何故か私に向かって近づいてきた。大きな目をギラリと光らせながら、ニヤニヤと笑みをこぼして何か言いたげだ。

これは厄介な事になると感じた。なので私は帽子を深く被り、サングラスを着用して目を合わせないよう警戒。

すると、その男は

“Where are you going? ”
”It's the same direction.”
”It's hard to catch a car here, so it's better to go this way.”

意外にも
「同じ方向だ、一緒にヒッチハイクしよう」
と英語で私に持ちかけたのだ。
そう言って彼は私の前を通り過ぎ、先へと歩いて行く。

私は一旦軽く受け流した後、少し考えた。

『たしかに、此処だと見込みが薄い』
『それにあの口調、呆気なく遠ざかる様子…どうやら悪い人ではなさそうだ』

私は少し離れた彼を追いかけ、その意見に乗った。

訊くと、彼は西サハラ手前の街に住むモロッコ人
英語を話せた理由はそれかもしれない

私の西サハラにおける最終目的地ダフラ
その手前まで行き、ボートで漁の仕事をするらしい


慣れた雰囲気から察するに、この辺りでヒッチハイクをするのは初めてではなさそうだ。
それにアラビア語を話す彼なら交渉もしやすいだろうし、ドライバーも私よりは心を許す気がする。


彼の持ち物は毛布1枚のみ

野宿する気満々じゃないですか…


しかし、それでも車は止まってくれない。
「ダメダメ」と反応してくれるのがムスリムとして、せめてもの情けなのか。
とにかく、そうこうしているうちにヒッチハイク開始から3時間以上も経過してしまった。

「此処は場所が悪い」

そう言いながら移動を繰り返し
とうとうラーユーヌ終わりのゲートまで…
宿からの距離
バックパック有りの徒歩だとまぁまぁキツい


ゲート内で公安の軽い職質を受けた後、更に歩いた先で彼が言う。

「最終ポイントだ、此処でなんとか車を止めなければならない」

たしかに、この先は地平線の先まで果てしない直線。これ以上歩いても仕方が無いだろうし、いよいよ引き返せなくなってしまう…。

「OK、やるしかないね」

私が応えた後、彼は笑顔で言った。




ちょっと疲れたから
1時間だけ寝るわ



えっ…?



…んだよそれ…
しょうがなく私も寝そべる

絶え間なく吹く風と
不幸中の幸いともいうべき曇り空で陽射しも遮られ
状況とは裏腹に心地良い


サハラ砂漠で天を仰ぎつつ、私は考えた。

『もし駄目ならバスか…まだ間に合うはず』
『間に合わなければ宿で延泊だ』
『仮に中途半端な所まで進んだら、下手すると野宿か…』
『このオジサンと…?』


いや、待てよ



このオジサン





本当に“1時間だけ”寝るのか…?



私は1人でヒッチハイクを再開した

もし車が止まったら、そこで彼を起こそう


しかし、粘れども粘れども車は一向に止まってもらえない。

…今なら…此処からならまだ引き返せる…。
悔しいが、深追いは得策ではないな…。

さようならオジサン…

起こして御礼を伝えたかったけど
2時間も爆睡してたからそっとしておく事にしたよ…


帰り際
ゲートに立つ公安職員から労いの水をもらった

ヒッチハイクって色んな側面から賛否両論だけど
こんな事があるとやはり嬉しい


いや〜それにしても、また此処から歩いて戻るのか。キツイわ、ほんと。
しかし、そうするより他ない。

がっくりと肩を落とす私の前を1台のタンクローリーが通り過ぎ、赤いテールランプを光らせ、クラクションを鳴らした。


5時間以上頑張っても止まらなければ
ただ歩いているだけで止まってくれたり…

本当に何が起こるかわからない
ハリルありがとう!
実は足パンパンだったからホント助かったよ!

約10分の幸せなドライブ


もう今日は疲れた…宿を延泊してシャワー浴びて、寝よう。頭痛もしてきたし…。

モロッコでヒッチハイクしてから毎回だが、アフリカで長時間のヒッチハイクは体に堪える…。
陽射しの強弱に関係無く、熱射病気味になるのだ。それに、ヒッチハイクは神経を使う。
ありとあらゆる場合を想定しながら行うそれは、体力もそれなりに必要だとよく思う。

ぐったりして今朝チェックアウトした宿に戻ると、まさか…。最安の部屋が埋まっており、残りは約1.5倍(それでも1泊1,500円だけど)の値段になると店主は言う。

カフェで頭痛対策の激甘エスプレッソを飲み

回らない頭で考える…


もう1時間歩いて、バスターミナルに行こう。
夜行バスでブジュドゥールを通り過ぎ、1泊分を節約しながら最終目的地のダフラまで…。



サハラ砂漠ヒッチハイク

無念の敗退…!


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URBANRANCH
2023年3月から世界中を旅して周り、その時の出来事や感じた事を極力リアルタイムで綴っています。 なので今後どうなるかは私にもわかりません。 その様子を楽しんで頂けましたら幸いです。 サポートは旅の活動費にありがたく使用させて頂きます。 もし良ければ、宜しくお願いいたします。