国境の街
2023/5/31
早朝5:30にアラームをセットしてたのだが、肝心の音量を0にしていた為、寝坊する。
時刻7:00。
バス発車まで残り1時間。
ターミナルまでの土地勘があれば焦らなくても間に合うはずなのだが、極度の方向音痴な私にとっては危機的だった。
ベッドから飛び起き、顔も洗わず歯も磨かず、チェックアウトの為に女性オーナーの所へ。
「朝食は食べていかないのかい?」
こんな感じで最後まで親切にしてくれたので、もっとゆっくり話してお別れしたかったのだが、そんな余裕は無く、御礼の挨拶だけ告げて早々にブーツを履く。
そんな私にオーナーはバナナ2本を持たせてくれて
「また戻ってきてね」
と笑顔で見送ってくれた。
昨夜まで一緒に楽しく飲んで語り合った男性にも挨拶出来ず、後ろ髪を引かれる思いだったが、チケット予約しているバス停に向かう為、大通りまで走る。
炎天下の中、大荷物を抱えながら…。
その途中に一台のソンテウが通りかかる。
聞くと、50バーツ(約200円)で送ってくれるという。
タクシーの半額だ、何より今からタクシーを探していたら間に合わないかもしれない。
なのでOKし、即乗った。
バス発車30分前。
ターミナルに到着。どうやら間に合いそうだ。
頂いたバナナを食べ、トイレで歯を磨き、酔い止め薬を飲む。
10錠で80円の酔い止め薬を…
しかも何故か箱無しで渡された謎の薬…
バスが到着し、乗り込む。
次の街、ナーンまでは322km。そこそこの距離だ。
ゆっくり景色でも………
………
…………
気付くと、出発から4時間半が過ぎていた。
意識を失う様に寝ていたらしい。
いや、まだ意識がハッキリしない…。
目を閉じたらすぐに、いくらでも寝てしまいそうだ。
原因は間違い無く、あの酔い止め薬だ…。
眠くなっても良いよ、と伝え購入したが、まさかここまで強烈だとは…。
途中休憩でバスを降り、肉まんを買う。
これが日本のコンビニで売られてる物と全く同じ味で驚く。
冷凍食品だろうし、セブンイレブンはチェンマイにもそこら中にあったので可笑しくはないが、不意に懐かしくなった。
再びバスに乗り込み、即撃沈。
結局、7時間の移動は終始寝ていたので道中の景色など何も見れなかったが、あっという間に着いたので良しとする。
隣国ラオスとの国境付近の街、ナーン。
かつては何世紀も外界との関係がほぼ無い、独立した自治王国だったらしい
日本人も滅多に行く事がないであろう街だ
私もここがタイだと知っていたら
来ることは無かった
てっきりラオスだと思い
勘違いして来てしまったのだ
何はともあれ、時刻15:00。
バスターミナルからソンテウで宿へ。
すんなりとチェックインを済ます。
今のところタイは本当に順調に事が進む。
激暑以外はストレスが特に無い。
激暑以外は……!
様子見で軽く外に出たのだが、もう暑くて暑くて長時間はいられない。
日中の気温は毎日40℃を越えてくるのだ。
こまめに水分補給とよくいうが、こんなに意識した事は関東に住んでいた時でも無かった。
時刻17:00。
セブンイレブンに飛び込む。
クーラーの効いた店内で体を休め、ビールを買うのだ。
タイでは11:00〜14:00、17:00〜24:00の時間帯のみ酒の販売が認められている。
ちょうど小学校の近く、しかも下校時間だ。
ボーイスカウト、ガールスカウトの格好をした子供達と、迎えに来る親。
揃って楽しく横断歩道を渡り、買ってもらったジュースを美味しそうに飲み、それを親が楽しそうに見つめている。
のどかな街だ。
ここではどんな事があるのかと
温くなったビールを喉に流し込みつつ思った