視線の先
2024/10/17
アンザ7日目。
ひとまず、次の街に向かう段取りは済ませた。なので今日はリラックスして過ごす。
ところで、サハラ・アラブ民主共和国🇪🇭という国をご存知だろうか。
私が明日に向かう西サハラを領土と主張する独立国家だ。
約50年前、スペインがその地域の領有権を放棄した後、武装政治組織「ポリサリオ戦線」によって建国。現在、アフリカや南米諸国を中心に国家承認されている。
しかし其の実、西サハラはモロッコが実効支配しており、そこではモロッコ通貨が使用され、私が保有している90日のモロッコ滞在期間にも含まれているのが現状だ。
故にモロッコとの関係を重視する欧米や日本などの先進諸国は同国を承認しておらず、国際連合にも加盟していない。
したがって日本とサハラ・アラブ民主共和国の関係は複雑…というより、良くない関係にあるのだ。
よって明日以降、この類の話はタブー。
当初、その事情を詳しく理解していなかった私は
「次に行く国は西サハラ(サハラ・アラブ民主共和国)だよ」
とモロッコ人達に話すと、彼らは
「いやいやいや、そこモロッコだから!」
と笑って済ませてくれた。
が、しかしこれが西サハラで
「ここモロッコだよね?」
なんて言ったもんなら本当にシャレにならないはず。
絶対に、間違っても口にしてはいけない。
そんな場所で何を見て、何を経験して、何を感じるのか。
私は海辺の岩に腰掛けながら、沈み行くアンザの、その美しくも妖しい夕陽を只々じっと眺めていた。
2023年3月から世界中を旅して周り、その時の出来事や感じた事を極力リアルタイムで綴っています。 なので今後どうなるかは私にもわかりません。 その様子を楽しんで頂けましたら幸いです。 サポートは旅の活動費にありがたく使用させて頂きます。 もし良ければ、宜しくお願いいたします。