出会いと別れと再会と
2023/6/28
パタヤ2日目。
同宿のオオヒラ君と共にビーチ沿いを歩く。
海のある街で育ったからか、水平線を見ていると気持ちが落ち着く。
もっとも、私が小さい頃から見ていた海は観光客で賑わう華やかさは無く、豪快な波が押し寄せる荒々しいものだが。
このパタヤは完全にリゾート地だ。
息抜きに海を眺め、ゆっくりする人。
仲間とワイワイ騒ぐグループ。
水上スキーやパラセーリングなどのアクティビティを楽しみ、夜は繁華街で酒を飲み、派手に遊ぶ。
お金を使おうと思えば、いくらでも使えてしまう。
が、勿論そんなわけにはいかない私でも、十分楽しめるのがこの街だ。
一通り景色を堪能し、帰りの船へ。
本土に着き、オオヒラ君と軽く一杯。
彼は明日、バスでカンボジアに向かうので、ここで一区切りの意味も兼ねて。
もしかしたらマレーシアでまた会えるかも知れないねと話していると、もう日没過ぎ。
お互い安全に気をつけながら旅を続けようと言いつつ、解散した。
彼は今夜予定があり、その関係で他の宿を予約したので私と別々なのだ。
ゲストハウスに戻り、シャワーを浴びて部屋に戻ると、そのオオヒラ君からLINEで着信。
開いてみると
アキさんだ!!
彼もまたラオスのヴィエンチャンで出会い、一緒に美味しいインドカレーを食べた仲。
その後、私より一足先にタイに入国したので、どの街へ向かっているのか把握出来ていなかった。
まさか今、同じタイミングでパタヤにいるなんて…。
何やら急遽オオヒラ君の予定が無くなり、と同時にアキさんから丁度パタヤに来たと連絡があり、合流したのだそうだ。
いやぁ、ここまで偶然が続くとコレが当たり前なのだと錯覚してしまいそうになるが、決してそんな事は無い。
たまたま今、機会に恵まれ続けているだけで、それは本当に有り難い事。
私は常にそう思っている。
「もし良かったら来ませんか?」
食事の誘いを受け、もちろん出掛ける準備をする。
そうこうしていると、8人部屋で唯一、私の他に宿泊客。そのベッドからチラッと顔が見えた。
「……Where are you from?」
お決まりの言葉で尋ねると、やはり日本人だった。
実は先程から薄々、そうかもと思ってはいたのだが、いきなり声を掛けるのも失礼と思い、控えていたのだ。
聞くと、ユウヤ君という彼は登山もする東京の大学生で、数泊パタヤに滞在した後、バンコク経由で日本に帰るのだという。
せっかくの機会なので、もし良ければと誘うと快諾してくれた。
結局、私とオオヒラ君、アキさん、そしてユウヤ君の4人でウォーキングストリート前に集合。
「おかげ様で、今のところホント人と会う機会に恵まれてるんですよね」
私がそう言うと
「それは本当に良い旅が出来てるんだと思います。なかなか無いですよ」
経験豊富なアキさんがそう言ってくれた。
2ヶ月前、モンゴルの宿でハウスメイトだったドイツ人女性の
あなたは世界中に友達が出来るから大丈夫
その言葉を不意に思い出した夜だった。