プレトリアへ
2024/12/2
ケープタウン5日目の朝。
目が覚めてすぐに今日の予定を考え、そして決めた。
『プレトリアに行こう』
そう聞いて何処だかわかる日本人はどれだけいるのだろう。ちなみに私は知らなかった。
しかし、プレトリアは南アフリカの首都だ。正確には“首都のうちの一つ”。
南アフリカ共和国は世界で唯一、3つの首都を持つ国で、残る2つはケープタウンそしてブルームフォンテーンとなる。
同国最大の都市、ヨハネスブルグは意外にも首都ではない。
プレトリアを行き先に選んだ理由は、バスでボツワナへ直接アクセス可能だったからだ。
ヨハネスブルグからも行けるのだが、バックパックを背負ってこの街を歩くのは極力避けたかった。
何故なら…おそらく言うまでもないだろう。
そんなわけでプレトリア行きの最安バスを探すと、出発時間は3時間後。
急いでシャワーを浴び、朝食を取って歯を磨き、チェックアウトしてバスターミナルに向かった。
ケープタウンに来ることも人生でこれが最後だろう。
目標だった喜望峰。それは入口で引き返す事になり結局、CAPE OF GOOD HOOPの看板を見ずに終わってしまった。
いや、その気になれば簡単に叶えられるのだ。改めてツアーに参加したら良いだけ。
しかし私は考えた末、そうしない事にした。
喜望峰の先端に行き、看板を拝む以外のツアー内容は既にほぼ体験してしまったから、というのも理由の一つだが、何よりヒッチハイクで喜望峰まで行き、それでも先端まで辿り着けなかった。
何となく、そこで終わらせておいた方が思い出に残るんじゃないかと感じてしまったのだ。
まぁ、とはいえ仮にこれが逆だったら…。
つまり何かのアクシデントでツアーが中止となり、ヒッチハイクで行くしか看板を拝む手立てがない…!
もしそうなれば、私はチャレンジしていたと思う。
要するに過程を重視したいわけだが、大抵は素直にツアー参加するのが一般的だろう。
キムラさんは申し込んだみたいだ。
旅スタイルは千差万別、人それぞれ。
私はこの選択で後悔しないはず。
やがて眠りにつく。
到着は明日の朝になる予定だ。