ポルトガル出国?
2024/11/21
ポルト滞在11日目、チェックアウト。
と同時にポルトガルを出国すべく、空港へ。
さぁ、いよいよアンゴラだ。アンゴラ?
アンゴラって何処なんだ?
まぁ情報が少ないものの、流石に航空券を取ったからには場所くらいは確認している。
中央アフリカだ。
なんとも香ばしい…どう考えても一筋縄ではいかない匂いがするではないか…。
『これは片道チケットじゃ無理そうだぞ…』
ほとんどのバックパッカーは予め予定を決めず、その時の都合と気分で動く。
なので入国する為のチケットだけを持って空港に行くのだが、出国チケットが必要な場合もある。不法滞在、さらにいうと不法就労防止の対策だ。
しかし世の中“上手くできている”もので、その為の対策をビジネスとして展開している企業もある。
所謂「ダミーチケット」つまりキャンセル前提の出国チケットを購入するのだ。
なんとも怪しい…会社の素性もわからない…。
それはそうなのだが、一部の間では常識で、例えばフィリピン入国ではわりと当たり前に対策として使われている。
もちろん国や航空会社もその存在は知っているはずなのだが、実際はそのダミーチケットの提示で何事も無く話が通るのだ。
要するに”本音と建前”の世界なのである。
というわけで私もダミーチケットを購入し、準備は万端。いざ、空港チェックインの最前列へ。
実はオンラインチェックも試みたのだが、日本人は不要なはずのビザ情報を入力する欄が必須となっていて上手くいかなかった。
空港のセルフチェックインも然り。
「アンゴラ出国のチケットはありますか?」
『ほらきた…!やっぱりだ!』
「はい有りますよ、コレです」
自信満々にダミーチケットを提示する私。
何やら電話をしだす航空会社の職員。
『……えっ、電話……?』
『いや、チケットには予約ナンバーも付いてるし、大丈夫でしょ』
このチケットは実態がありません
あなたは新しい出国チケットを買わなければなりません
まーじーかーよー!!
ちょっと待て、ダミーチケットが通らなかった話なんて聞いた事ないぞ…!
そりゃあダミーなんだから効果を保証するものではないとしても…ネットで調べたって、そんなの見た事がない。
いや、えっ?
やべーじゃん俺、飛行機乗れないじゃん、アンゴラ行けないじゃん。
55,000円もしたチケット捨てるの?
どうする?今から新しい正規の出国チケット買う?
いつ出発?何処行き?値段は??
とりあえず航空券を検索。すると隣のナミビア行きが最安のようだ。
最安っていっても340€(約54,979円)だが……!
仮にコレを買ってだ、発券するまでにチェックイン締め切られたら2枚とも無駄になる…。
11万の損失?いやいや笑えない。
……キャンセル保証付けて395€(約63,873円)か…。
……2択だな。
一か八か、キャンセル保証付きのナミビア行きチケットを買って、発券が間に合ったら腹を括ってアンゴラに行く。
間に合わなかったらキャンセルだ。保証代55€(約8,894円)は仕方無い。
それと、もう一つ。
もう最初からアンゴラ行きの55,000円チケットを捨てて、大幅に予定を変更する。
ナミビア行き発券が間に合わなかった場合も同様だ。
そのまま北米か南米に行っちゃおうかな
ここまで時間にして10分弱。
人間、切羽詰まると頭が良く働く。
私は成り行きを天に委ねる事にした。
つまり、ナミビア行き正規チケットをキャンセル保証付きで買い、発券が間に合うか否かでアフリカに行くかどうかを決める。
というわけで、ポチッ。
あとはもう抜け殻の様に空港の天井を仰いで待った。
しかし、これがまぁ良いのか悪いのか
間に合っちゃうんですよね
なんで俺はそこまでしてアフリカに拘るのか、自分でも本当にわからない…。
毎度毎度、割合でいうなら期待1、憂鬱9だ。
まぁ行ってしまえば良い事も確かに沢山あるのだが…。
何故か、なんとなく
“行かなきゃならないのでは…!?”
“苦労しなきゃならないのでは…!?”
という強迫観念に駆られてしまうのだ。
のほほんと平和に旅したいはずなのに…!
…とにかく、間に合ってしまったものはしょうがない。
再びチェックインカウンターで手続きをする。航空会社の職員は完全に私を疑っている。そりゃそうだ、下手したら別室行きだ。
逮捕だって有り得る?
Trip.com経由の正規チケットですら駄目だと言われたが、そこは流石に強く主張して何とかチェックイン。
時間がない、セキュリティを抜け、ラウンジで急ぎの食事。
まぁ…じゃあ行くか…行くしかないな…。
日本を出国してからほぼ20ヶ月。いつかは必ずやると思っていた想定外の大出費。
損失ではないにしても、突然この支出はいささかショックだ。
しかし、これも旅。あとは楽しもう。
ひとまず、経由地のイスタンブール空港へ。
もう行くしかない。