良い国ブラジル、ガンとナイフが無ければ
2024/12/29
休息日。
ここ数日間、雨天の街散策やハードなトレッキングで体力を消耗していたので少し休まなければ…。
アフリカの後半からずっと忙しなく動いていたので忘れがちだったが、元々私はのんびり旅をしていたし、今もそれを望んでいる。
何しろ数年がかりだ、ずっと急いでばかりはいられない。
アイマンも旅に疲れたらしく、元旦にチリへ行き、ややしばらく過ごした後コロンビアに戻るみたいだ。彼の母国はモロッコだが、そこに彼女が住んでいるらしい。
年末になると宿代が高くなってくるので、私とアイマンは一度チェックアウトし、他の最安宿を見つけて飛び込んだ。
一泊967円のドミトリー。ボロボロのコンクリートで固められた薄暗い部屋は埃やカビの臭いが充満している。当然エアコンなど無く、窓すら無い。所狭しと置かれた2段ベッドに汗ばむ体をダイブさせ、ぐったりとしながら天井を見上げる。
「今まで泊まった宿の中で、ここは最低?」
アイマンが私に尋ねる。
いやいや、全然そんなことはない。
ここは不思議と虫がいないし、シャワーからお湯だって出る。キッチンも使えて、決して綺麗ではないが、トイレも水洗だ。
たしかに埃でむせ返る廃墟の様な宿だが、私にとっては十分。
なんて旅する前は想像できなかったな、こんな風に思えるとは。
ブラジル入国から約2週間になるが、治安さえ良ければ本当に良い国だなぁと思う。
陽気な人々、陽気な音楽。リオデジャネイロにはビーチや歴史的な建造物も多い。食べ物はまぁ、そんなに絶品ではないが私にとっては問題無いし、アジア人蔑視されることも無い。
ホント治安さえ良ければ…。
どうやら現地の人々にとっては、強盗に遭うことは不慮の事故みたいなものらしい。気をつけていても起こる時には起こると…。
なので最悪、盗られてもしょうがないという覚悟で外に出るみたいだ。
つくづく思うが、どんな街だよ…。
そんな中、私とアイマンは明日サンパウロに戻る。その後の予定は特に決まっていないが、まずは何より穏やかに年を越したい。