必要な事
2024/10/8
マラケシュ11日目。
ここに留まっている理由はいくつかあるが、その一つに”宿の居心地が良い”というのがある。
これは長期旅にとっても大事なポイントで、とりわけハウスメイトや宿スタッフの印象はその街、ひいては国の印象にまで影響しかねない。と、私は思っている。
所詮は相性なので運次第だが今回、有り難いことに私は恵まれたようだ。
特にメインスタッフのイブラヒムとは初日から打ち解け、彼はいつも私を気にかけてくれる。
「日本人はみんな行儀が良く親切で、リスペクトフル。その中でも君はベストだ」
そう言って彼は忙しい時間の合間を見つけては私の元に来て、色々な話をしてくれる。
「貧しい人に少しのお金を分けてあげる事は”その方が良いから”じゃない。これは”必要な事”なんだ」
「例えば、ひと月の給料が5,000MADだとするだろ?その内の200MADを少しずつ誰かに分けるなんて、そんな難しい事じゃない」
「それで彼らは少しの幸せを手に入れられる。これは本当にとても大事な事なんだ」
真剣に語る彼は27歳で大学生のムスリム。
今は卒業試験の結果を待っている。
それは根本的な解決にはならない、といった一種の正論も世にあるが、イブラヒムの目は「違う、そんな次元じゃないんだ」
そう訴えているようにも感じた。
そして今日もイブラヒムに呼ばれて近寄ってみると、なんとスタッフ達がタジンをご馳走してくれた。
こんな感じで長居しているわけだが、その都度ちまちまと延泊を繰り返しているうちに、とうとう予約ができなくなってしまった。
翌日はすでに満室だったのだ。
さて…どうしようかな。
別の宿に移るか、はたまた別の街に行くか…。
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2023年3月から世界中を旅して周り、その時の出来事や感じた事を極力リアルタイムで綴っています。
なので今後どうなるかは私にもわかりません。
その様子を楽しんで頂けましたら幸いです。
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