見出し画像

【ラジオ】2000年代中盤、地方の高校生は布団の中でひそやかにサイケデリックロックを聴いた.mp3 <後編>

*ポッドキャスト番組「アーバンぱるNEW」の文字起こし記事です。

前編はコチラ

<メンバー>
店長 / ダモリ / ファグ







<レココレを読んでよく聴いたアルバムの話など>


ファグ「それで、まあ何を聴いてたかっちゅう話ですよね。レココレで色んなものが載ってて、ネットを駆けずり回って。再発されてないのとかも当時はいっぱいあったから。買えるやつの中で、少ない小遣いの中からやりくりして何枚か買っていく、と。」

ダモリ「そうそうそう、うん。」

ファグ「で、まあやっぱり何回も聴くからね、この当時の聴き方っていうと。結構ね、やっぱりいまだに聴き直してもいいなぁと思うのが、いくつかありますよね。大枠で結構カテゴリー分けみたいなんがされてて、ソフト・ロックとか…」

店長「ガレージ系とかね。」

ファグ「そうそう。まさにサイケデリック・ロックとか、あとフォーク系とかあるんやけど。そん中では、まあソフト・ロック、ガレージ系はあんま影響受けへんてんけど。サイケデリック・ロックのとこ、エクスペリメンタル / アバンギャルド系とか。 サイケにとどまらず、サイケの枠からちょっと現代音楽まで飛び出すところまで載ってて。まあ、その辺も影響を受けた感じかな。で、その中でも特に好きやったのは、 やっぱりリンダ・パーハクスのパラレログラムスとか。」

ダモリ「うんうん。メッチャ良かったですね、アレは。普通に名盤っすね。」

Linda Perhacs / Parallelograms (1970)


ファグ「そうそう。でも、これ嘘やろ?書いてるの。全然ハワイじゃないっていう。」

ダモリ「そうそう。ハワイ出身っていうのは、普通に嘘っていう。その辺も後々にね、情報とかが揃ってきて。」

ファグ「そう。で、大学生ぐらいになってなんか訳知り顔でさ、このアルバムって実はハワイ出身じゃないんすよね、みたいな事言ったら、メディテーションズの店長かな?に、そんなんどっちでもいいじゃないですかみたいな事言われて (笑) 頭でっかちのガキをやり込める方法をしっかり知ってるんやなと思って、感銘を受けました。」

ダモリ「なるほど。さすがや (笑)」

ファグ「あとはやっぱり、メイヨ・トンプソンの、"Corky's Debt to His Father"」

Mayo Thompson / Corky's Debt To His Father (1969)

店長「いいですねぇ。」

ダモリ「大好き!アレは大好き、ほんまに!」

ファグ「”コーキーの父親への借金”っていうタイトルやったんやっていうのを、今回初めて訳して知った。」

ダモリ「まあ、なんの事やっていう感じっすね。」

ファグ「なんか歌詞(カード)がないからさ、ちゃんと読みたいねんけど。俺はとにかく、"Horses"とか凄い好きで、コード進行も好きやし。で、まあなんか追っかけて行くと、やっぱメイヨ・トンプソンが色んなキャリアを歩んでてさ。(レッド)クレイオラ、CからKになったりとかさ、Pere Ubu参加したりとか。あとは、プライマル(スクリーム)の1stとかさ。あと、レインコーツのプロデュースとかね。」

ダモリ「そう、レインコーツ!」

店長「ラフ・トレード系ね。」

ファグ「そうそう。なんかサイケからスタートして、ニュー・ウェーブも通過して、90年代のその辺の音楽まで、一貫して面白い音楽に関わってるみたいな感じとか最高に良くて。僕らの好きなマヘル (・シャラル・ハシュ・バズ)とかもね、レッド・クレイオラの2ndをカバーしてたりとかする。」

店長「あ、そうなんや?」

ダモリ「そうなんや。カバーしてたんや?」

ファグ「うん、カバーしてたって。工藤冬里カバー集っていうサイトがあるから。今までカバーした曲が全部網羅されてるっていう、結構クレイジーなサイトがあって…」

ダモリ「そんなマニアックなサイトが (笑)」

ファグ「これ、でもYumboの人がやってんのかな?ちょっと分からんねんけど。そういうのもありました、はい。」

店長「他は?」

ファグ「他はですね、あと好きやったのは、これはちょっとメジャー寄りやねんけど、クイックシルバー・メッセンジャー・サーヴィスの1st。」

Quicksilver Messenger Service - S/T (1968)


店長「あー、いいよねぇ。」

ダモリ「あれはいいね。ギターの絡みがいい、ツインギターの。」

ファグ「クリスタルな感じがね。」

ダモリ「そう。クリーンギターの絡みがね、まさにクリスタルっすよ。」

ファグ「まあ、これから選者として入ってる石原洋さんのホワイトヘヴンとかをね、聴くようになって。結構ありそうでないねんな、クイックシルバー・メッセンジャー・サーヴィスみたいな感じっていうのは。」

店長「うん。水谷孝も好きやったと。」

ファグ「そうなんや?ブルー・チアーじゃないの?灰野さんとやってたバンド…」

店長「あー、ブルー・チアーのカバー・バンド。いや、じゃなくて。久保田麻琴さんがアメリカに行く時、買ってきてって水谷さんがお願いしてたレコードの中のひとつが、クイックシルバー・メッセンジャー・サーヴィスやったみたいなエピソード、紹介されてたな。」

ファグ「へー、そうなんや。何枚目やろ?」

店長「分からんけど。ダモちゃんとかは、どの辺を聴いてたの?」

ダモリ「この前、Amazonの履歴を遡って調べてたんですけど。最初に買ったのが13th フロア・エレベーターズのセカンド。"Easter Everywhere"か。これ、最初に買って結構正解やったな、と。リバーヴ、ディレイ…」

ファグ「トゥクトゥクね!」

ダモリ「そう!トゥクトゥクもあるし、良いメロディーもあるし。全部詰まってる、みたいな。で、プライマル・スクリームもカバーしてるし。」

ファグ「うんうん。」

ダモリ「これはメッチャよかったっすね。で、その時一緒にレッド・クレイオラのファースト、あのメッチャガシャガシャ演ってるやつを買ってるんすよ。」

ファグ「The Parable of Arable Land 」

ダモリ「そう、"The Parable of Arable Land"か。で、これは多分ファグさんに頼まれたやつやと思うんすけど。ファグさんのレココレ読んだ後の、初のお買い物がこれやったんじゃないか?みたいな。どうっすか?」

ファグ「あー、そうやったっけ?いや、でも結構早い段階で購入したのが、レッド・クレイオラの"The Parable of Arable Land"と、あとリンダ・パーハクス。この2枚は結構早い段階でゲットしたかなぁ。うん、そんな記憶がございますね。」

The Red Crayola / The Parable of Arable Land (1967)

店長「うん。それでね、レッド・クレイオラのライブを観に行ったりもしましたもんね。」

ファグ「そうですねぇ。」

ダモリ「そうや、そこまで広がりましたね。レッド・クレイオラのライブに行くまでに。」

店長「で、いきなり1曲目のハリケーン…、なんやったっけ?」

ファグ「ハリケーン・ファイター・プレーン!」

ダモリ「テテテ、テテテ、テテテってやつね。」

店長「から始まったんですよね、たしか。」

ファグ「うん、大阪のNOONで観たやつやんな?」

店長「うん。」

ファグ「あれはね、凄いよかったよね。なにがよかったって、ドラマーとメイヨさんがちょっとギクシャクしてたところがよかった (笑)」

ダモリ「ちょっとピリついてましたね (笑)」

ファグ「楽譜かセットリストを渡そうとしたらさ、メイヨ・トンプソンがバッって奪い取るように取って。MCとかも無く始まるから。なんかピリピリしてるバンドなんやと思って。カッコよかったけど。
一応、その次の年も来日してるけど。多分3回観たんかな?その中でベストが、そのピリピリしてる時やったな。ジョン・マッケンタイアやねんな、その次の年のドラマーが。でも、その年(2005年)はなんかオッちゃんみたいな人が叩いてて、その感じもよかった。パンクっぽかった。で、ギター2本の編成(+ドラム)で、編成が変なのもいいし。ピリピリしてるのいいし、ちょっと変なライブ体験やったみたいな感じがして。凄い未だに思い出すライブですねぇ。」

ダモリ「よかったっす。」

ファグ「うん、よかったね。」

店長「まあね。レココレに載ってる人で実際に観た人って、ほんとメイヨさんぐらいじゃないのかな?って思ったりもするけど。」

ダモリ「なんかスカイ・サクソンも来日はしてたんかな?観てないけど。」

ファグ「してたね。してた!」

ダモリ「ジョン・フェイヒーも90年代にはライブしてるけど…」

ファグ「え、ジョン・フェイヒーって来日してんの?」

ダモリ「なんか90年代に磔磔やったかな?来日してて。まあ、でもレココレ読んだ時にはもう…。あ、まだ亡くなってはいなかったかな?」

ファグ「へー。」

店長「あ、そうでもないわ。テリー・ライリーとか思いっきり観てるわ、俺 (笑)」

ダモリ「あ、そうや。テリー・ライリーや!そやそや (笑)」

ファグ「いや、でもやっぱりさ、そのアヴァンギャルド / エクスペリメンタルコーナーはちょっと特殊じゃない?サイケっていうよりもっていう (笑)これ一応さ、個人的には凄く影響受けたページやからさ、その中でも特に好きなんってどれやろうと思って、ざっとリストアップしてみてんけど、

◎シルヴァー・アップルズ
◎テリー・ライリー
◎トニー・コンラッド
◎アンガス・マクリーズ
◎ジョン・ケイル
◎ラ・モンテ・ヤング
◎シャルルマーニュ・パレスタイン
◎ムジカ・エレットロニカ・ヴィヴァ
◎モートン・サボトニック
◎ブルース・ハーク

ってさ。こんなんサイケか?(笑)」

ダモリ「ちょっとサイケとして話すにはズルいかな、みたいな (笑)」

ファグ「だから、なんて言うのかな?プレ・サイケやけど、ニューヨークら辺の、アメリカの現代音楽の前世代みたいな感じの人たちかな、と。もちろん、トニー・コンラッド、アンガス・マクリーズ、ジョン・ケイル辺りってさ、永久音楽劇場に参加してて、それがある意味プレ・ヴェルヴェッツ的な側面もあるような状態じゃないっすか?フルクサスとかと繋がったり。その辺を考えるとさ、サイケか?みたいな。でも、サイケにかこつけてこれを紹介したかったのかっていうのが、やっぱり感動するなって思うけど。」

ダモリ「まあ、でもサイケってそういうとこありますよねっていう。サイケにかこつけてなんちゃら、みたいな (笑)サイケ自体がね。」

ファグ「あー、たしかにね。やっぱり精神的なものと、あとドラッグ・カルチャー的なものとあるから、色んなものと繋がってくるよな。ネガの側面で言えばさ、やっぱチャールズ・マンソンの話もあるわけで。CD無理矢理1枚出てるけど、みたいな。」

店長「このエクスペリメンタル系ページは、松山(晋也)さんが全部やってるのかなぁ。」

ファグ「あ、そうなんや。松山さんっていうと?」

店長「スタジオ・ボイスの編集長やった人ね。」

ファグ「そうなんか。もう恩人やな。この前会った時に、タバコ1箱ぐらいあげたらよかったな (笑)」

ダモリ「それぐらいの感謝は…」

ファグ「あなたのおかげでこうなりましたっていう (笑)まあ、別にどうもなってないところがミソやねんなぁ。大変なところですよ。」

店長「で、まあ俺が個人的に聴いてたのはっていうか、のちに坂本慎太郎推薦みたいなので結構影響されてたのが、シルヴァー・アップルズとか、あとピーター・アイヴァースか。あとエリカ・ポメランスとか、その辺やったのかなっていうのは思い出したね。」

ファグ「あー、ESPのエリカ・ポメランス。でもピーター・アイヴァースは、これに載ってるのはピーター・アイヴァース・バンドの方やねんな。」

店長「うん、そうね。」

ダモリ「それなんですけど、こっちのサイケデリック・ムーズは結構ピーター・アイヴァースが網羅されてるっていう。やっぱり時間の経過を感じるというかね。」

店長「この時(2002年)、出てなかったでしょ?ピーター・アイヴァース。廃盤やったやろ、確か。」

ファグ「廃盤やったと思う。でも、なんかその前にさ、90年代ぐらいに日本だけでターミナル・ラブが再発されてんねんな。」

店長「あ、そうかそうか。それを坂本(慎太郎)さんとかが入手したんやんな?」

ファグ「多分そうなんじゃない?」

ダモリ「まあ、ピーター・アイヴァースはその辺やんね、坂本慎太郎とか。広めたのは。」

ファグ「そうそう。なんかこの本出る前後ぐらいから、やっぱりサイケの再発っていうのが、結構日本でも手に入りやすくなって。その前は、それこそさっきちょっと言った、ペイズリー・アンダーグラウンドぐらいの時期に海外輸入で再発モノが出てて、それが買えたみたいな話を聞いた事あんねんけど。普通にタワレコとかね、大手レコードショップに行ったら買える、みたいなレベルになったのは、この辺なんじゃないかなという印象。で、やっぱりそれを後押ししたのが、ゆらゆら帝国の人気もあったのかなぁ、と思うけど。

店長「うん、ちょうどメジャーに行ってね。」




<ゆらゆら帝国と坂本慎太郎の話>


ファグ「やっぱり、ゆら帝好きな人がサイケ聴いてるみたいな、なんかそういうのがあって。個人的には結構中学ぐらいの時かな?ゆら帝聴くようになって。好きではあったけどサイケを聴くようになってから、ちょっと見る目が変わったところがあって。それがどういう事かっていうと、今回のサイケ特集をやるにあたって色々聴き直してみて、なんかやっぱりムードが似てる曲とか、もうちょっと言ってしまえば、多分曲を作る時のソースにしたやろうなみたいなのがやっぱいくつかあって。それはもちろんジャーマン・ロックとかにも見られるし。例を言うなら、The Freak Scene / Rose Of Smiling Facesっていうのが"EVIL CAR"の元ネタっぽいリフがあったりとか。あと、雰囲気が凄い近いなぁと思うのが、Damon / Poor Poor Genieっていうのは"ソフトに死んでいる"の雰囲気に結構近いなって思ったりとか。」

店長「まあね、"無い"が NEU! だとかっていうのは有名は話ですよね。」

ファグ「そうそう。なんかピーター・アイヴァースで言うならさ、"Audience of One"っていうのがちょっと"タコ物語"の雰囲気あるよなぁ、とか。そういうのは、薄い所から濃い所まで色々あって。で、まあその辺から考えるに結構やっぱり、ゆら帝っていうのはサイケの本歌取り的なバンドっていうイメージに高校半ばぐらいにはなったと。で、その時の俺の考えが結構オリジナル至上主義者的な所があって。やっぱりこう、サンプリングみたいなのがまだあんまり概念としてフィットしてない。まあ、若気の至り的なのがあって…」

店長「パクリやん!みたいな事ですよね?」

ファグ「そうそうそうそう (笑)まあ、2ちゃんねらー的なアレなんかもしれんけど。オレンジレンジを許さない、みたいな。それはさ、俺らよりもうちょい後の世代やけどさ。なんかそういうムードは、インターネットの中には凄いあったよ。コピーが簡単やから余計に、なんか盗んで来るみたいな事に対して意識が尖ってくる、みたいな。でもなんか、のちのインタヴューで坂本慎太郎が、昔フリッパーズギターとかピチカートファイヴとかを聴いて、同じことをやってるのになんで俺たちは売れないんだろう、みたいな感じの事を書いてたのが…」

店長「ああ、あったね、そのインタヴュー。」

ファグ「そうそう。小山田圭吾と話してるやつかな?」

店長「うん、多分そうやったと思うけど。」

ファグ「それを見てやっぱりなんか腑に落ち、というかさ。やっぱ本歌取りで、ワザとやってたんやなっていうか。」

ダモリ「まあ、自覚はあったっていう。」

ファグ「そうそうそう。だから、サンプリングして再提示する。そこになんらかのこう…。まあ、再提示するところに新しさを入れ込むみたいなやり方かな。」

ダモリ「何かと合わせる、みたいな?」

ファグ「そう。だから結構サンプリング・コラージュじゃないけど、そういうやり方を。DJ的なやり方って言ってもいいのかもしれんけど。ゆら帝ってやっぱミックスとかも出てるし、なんかそういうものと親和性の高さみたいなのが、やっぱあの正しく2000年代にアップデートされたサイケデリック・ロックやったんやなぁっていうのを今になると思うっていう。」

店長「うん、まあね。”空洞です”とかクラブでDJにすげえ人気やったらしいからね、なんか。」

ダモリ「で、なんかソウル・ミュージックも好きそうやしね、坂本慎太郎。」

ファグ「うんうん、なんかソウル・ミュージックになると、ゆら帝以降っていうか。坂本慎太郎になってからみたいな。」

ダモリ「まあ、なってからの方が顕著か。」

ファグ「で、個人的にはマイナーなソウルと、あとトワイライト・ガレージっすよね。この2つの感覚をミックスしたのが…。その辺から本歌取りしてるっていうのが、最近の坂本慎太郎っていうか。で、ゆら帝はサイケから本歌取りしてるみたいな。なんかそういう差かなと思ってて。」




<トワイライト・ガレージの話>


ファグ「ちなみにやねんけど、店長がFeminine Complexっていうバンドを挙げてトワイライト・ガレージって書いてたけど、トワイライト・ガレージではないかなっていう感じ。」

店長「うん。」

ファグ「トワイライト・ガレージっちゅうのは、Numero Groupeが凄い良いコンピを出してて。”Louis Wayne Moody High”っていう。」

Louis Wayne Moody High / V.A (2020)

店長「あー、そうそう。海外だとトワイライト・ガレージじゃなくて、ムーディーっていう…」

ファグ「そうそう。ムーディーっていうみたいで。坂本慎太郎もソロ始めた時、結構ムードみたいな事言ってて。しかも、ムーディーっていうぐらいやから、結構ムード歌謡とかさ、Z級GSみたいなスカスカな哀愁みたいなんがあって。なんかその辺がいいっすよね。ちなみにやねんけど、この"Louis Wayne Moody High"の一番最後に入ってる、Shy Guysっていう人らの曲が異常にいいから是非聴いてほしい。"Goodbye to You"っていうタイトル。」

ダモリ「名前もいいっすよね、Shy Guys (笑)」

ファグ「大好き、これ。で、ちなみにこれシングルで出ててさ、A面これで、B面聴いたら普通にちょっとサイケ寄りのガレージみたいなんで。結構意図的にこういうものを作ったんやっていうのが、驚きでしたね。トワイライト・ガレージって、結構大学とか高校生とかの、卒業記念的なノリで作っったりする、今でいう身内音楽とかに近いというか。」

ダモリ「あー、はいはい。文化祭で演奏したりね。」

ファグ「そうそう。それの記念盤みたいなノリで作ったりしてるもんやから。それって聴き手がさ、これトワイライトやなって、やってるだけやと思うねんけど。なんか作り込みがあって、しかもトワイライト・ガレージに聴こえるっていうのは、結構ええなぁっていう感じっすね。」

ダモリ「これ、いいっすねぇ、オルガンの音が。」

ファグ「うん。やっぱサイケって、特にB級以下のサイケって無意識を楽しむ、みたいな楽しみ方があると思うねんけど。クスリをやって飛んでる人を面白がるっていうのと、クスリをしているような気持ちになる、っていうのがあって。もちろん後者の方が面白いねんけど。クスリをやっているような気持ちになるっていうものの中で、なんかやっぱり下手くそやから変な間が出来てしまう、ギクシャクしてしまう、そういう感覚みたいなのが、滑らかな時間を寸断するような感覚があって。それの面白さみたいなのが、結構ある。それを、コントロールしてやろうとするところが、また話戻るけど、多分ゆら帝とかがやろうとしてた事かもしれんし、そういう片鱗をShy Guysに感じたっていうのは、最近の発見でございました。」



【アーバンぱるNEWとは】

アーバンぱるNEWとは地元が同じ中年男性3人が集まり、だらしなく音楽について話をする番組です。地方幹線道路沿いのチェーン・量販店の増加や、スーパーの大型化に抗しきれず廃業した地元のローカルスーパーの名称を、失われた心象風景の象徴として拝借しました。いまだにフードコートにしか居場所がないわたしたちにとって、この番組は心のフードコートみたいなものなのかもしれません。


【YouTube】


【Spotify】

https://open.spotify.com/show/034AgDG0ekk6VkB32TRXDb


【アーバンぱるNEWのサイケデリックロック プレイリスト】
https://open.spotify.com/playlist/7cSnYzi9q1xM8whCGwIcYV?si=qSP_2KnXSuikJHsDk7XswA&nd=1

【Twitter】@urbanpal_NEW
【Instagram】@urbanpal_new



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?