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♡今日のひと言♡梶井基次郎
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一体私はあの檸檬が好きだ。レモンエロウの絵具をチューブから搾り出して固めたようなあの単純な色も、それからあの丈の詰まった紡錘形の恰好も。
(中略)
あんなに執拗かった憂鬱が、そんなものの一顆で紛らされる――(中略) それにしても心という奴は何という不可思議な奴だろう。
梶井基次郎 (1901-1932~大阪・小説家)
早くから頽廃的な生活を送り肺結核に罹患したが、作家の中谷孝雄らと知り合い、文学への道を志した。その中谷らと雑誌『青空』を創刊し,同誌に『檸檬』『城のある町にて』(1925)など後に梶井の代表作とされる作品を発表したが、文壇からは注目されなかった。26年から伊豆の湯ヶ島温泉に転地療養し、その間に『冬の日』(1927)や『冬の蠅』(1928)など、生と死の極点を凝視した作品を書いた。その後病状が悪化し、『交尾』(1931)、『のんきな患者』(1932)を発表したのちに他界した。ボードレールの『パリの憂鬱』を座右の書としていた。
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