詩と呼んでいるだけかもしれない
詩についてはほぼ絶望している。というか、絶望からスタートしている。というより、絶望からスタートするよう、薫陶を受けてからこの世界に入った。
僕が十代の頃、ちょっとした詩のブームがあった。それは朗読という行為を「ポエトリーリーディング」と呼び換えたもので、サブカル男子女子のあいだで少しだけ流行った。あれは、当時花盛りだったJポップの亜流として生まれた流れであったようにも思う。日本のCD出荷枚数が史上最高を記録したのは九八年。同じ時期、Jポップを意識したJ文学という言葉が