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漫画感想文-宝石の国 市川春子【資料編②】
※最終13巻までのネタバレを含みます。
2012年10月から2024年4月まで『月間アフタヌーン』(講談社)で連載された。人類滅亡後の地球(とみられる惑星)で戦う宝石たちの物語。最終13巻が2024年11月21日に発売され、特装版もあったのだが、23日(土)に本屋にいったらもう完売していて涙を呑んで通常版を購入し、しばらく読む勇気が出ずに積んでいたのだが、先日読了したので感想を書きたいと思う。
ただし、感想を書くにあたって自分なりに情報整理を行いたく、今回は宝石たちの生態についてまとめる。第11巻特典の『図説 宝石の国』を参照した。今後、本編を確認し追加も行いたい。
『強くてもろくて美しい、戦う宝石たちの物語』のコピー通り、とても美しい物語でした。
宝石たちの身体
性別はなく、生殖機能を持たない。
空洞の構内を振動させることで音を発し、言語によるコミュニケーションを行う。
痛覚がない。
温度変化に鈍い。
太陽光により活動エネルギーを得る。
視力はあまりよくない。夜目が効かない。
足は21センチ(金剛が揃えている?)。
宝石たちの性格
身体特性が精神に直結する。
危険に対する危機感が薄く、好奇心が強い。
概ね純粋で穏やかな気質。
協調性に乏しい。
宝石たちの暮らし
寝相が悪い。睡眠時間は平均11時間程度。
糊と白粉を塗り、塩害を防ぐ。海中に行く場合はさらに耐塩樹脂でコーティングする。
個人的な持ち物はほとんど有さない。
火を使わない。(火を見たこともない者がほとんど)
宝石たちの産出
尾の浜で、百年~千年に一度生まれ落ちる。
どの鉱石生命体が産出されるかに規則性はない。
宝石たちの属ごとの特徴
クオーツ族
戦闘バランスに長けていて器用
ゴースト・クオーツ、カンゴーム、アメシスト
宝石たちの文化
発生する語と記述のテキストには全く共通性がない。
文学、音楽、絵画表現がほとんど見られない。
所感
文化面の特徴が面白いなと思う。テッド・チャンの『あなたの人生の物語』で我々とは全く別の言語体系を持つ生命体との出会いを描いていたが、それを少し思い出した。
文学、音楽などがみられないのはそれらの保管にかかるコストに比べて宝石たちの寿命が長すぎるからかしらと思った。
あとは資料としては地理的な特徴であったり、月人・アドミラビリス族についてや、口伝などで伝わっていることなどを整理しておきたい…。ここのところずっとフォスたちのことを考えてるよ〜。