某大使館勤務
渋々進学した、商学部。勉強が
嫌になりました。本当は国文学
を学びたかったのです。
アルバイトでもしようと、朝日新聞の
求人欄を見ました。いまから50年以上前の朝日新聞は、求人欄も一流でした。
そこで「イタリア大使館・官邸ボーイ
募集」を見つけました。面白そうと思い、早速応募しました。
大使館は、港区三田の慶応大学の
裏手にあります。少し坂を登ると、
左手に官邸・奥に二階建ての事務所が
在りました。
応募者は20名ぐらい、面接は大使秘書のA女史がなさいました。
私はお人と接するのが、大好きです。
なのでオペラや美術の話で、大層
盛り上がりました。
「大川君、事務所に空きがあるから
とうかしら?ボーイさんには、相応しい人が居るから」思いがけない提案でした。
こうして日本人事務員の補助として、
感動秘話だらけの「大使館生活」が
始まりました。