昔の随筆 2

「カードと葉書」昔某小冊子に書いた物です。

11月下旬から12月に入ると、海外の

友人達から「クリスマス・カード」が届きます。

色々と趣向を凝らした、魅力的なカードばかりです。

キリスト教の宗教画に基づく品は、机の上に立てかけ

飾って楽しみます。そのほとんどは海外で知り合った、

友人達からの物です。

それらを見ながら、世界各地のクリスマスに思いを

馳せています。カードのやり取りだけで、何年も

有っていない人ばかり。しかしカードは文章を書く

スペースも沢山あるので、近況を知らせる言葉に

溢れています。

それにもう一つの喜びは、貼られている切手を

見る事です。クリスマスカード用に売り出された、

切手を眺め薄い消印を解読します。

若い頃には無かった事ですが、年々「喪中欠礼」の

葉書を頂く様になりました。ご両親の喪が殆どですが、

中には本人そのもので家族からの知らせも。

私はその葉書をまとめ仏像の前に置き、年内は花と

水を供えて居ます。

そしていたわりの言葉を添えた、書信を出します。

お知らせ下さった方々は、どんな思いで除夜の鐘を

お聞きになるのでしょうか。

北風も強く寒い一日、ポストにうれしいカードと

辛く悲しい知らせが、重なっているのです。