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新古今和歌集 春歌

「待てというにとまらぬものと知りながら

しひてぞ惜しき春の別れは」読み人しらず

待って欲しいと願っても、止まらずに季節は

動いて行きます。理論では、それを分かって

いました。

それでも尚、春との別れは名残惜しく思われて

ならないのです。秋から冬だと、少しづつ寒く

なって来ます。ところが春から夏へは、まるで

不意打ちの様にいきなり気温が上がります。

若い頃は、夏の来るうれしさが勝っていました。

しかし老境に達して、惜春の思いが強くなりました。