新古今和歌集 春歌
「花さそう 比良の山風 吹きにけり
漕ぎゆく舟の 跡見ゆるまで」宮内卿
比良{比叡の隣}から吹き降ろす山風に、
花びらが散っています。琵琶湖の水面を
覆い隠してしまいました。
その中を舟がゆっくりと、進んで行きます。
航跡が大きな道を、湖水の上に作りました。
まるでこの道に沿って、春が動いて行くかの
様です。
宮内卿は、綺羅星のごとき新古今歌人中とても
好きな方です。式子内親王・俊成娘・と違い
若いので、恋歌は・・・
しかし叙景歌に優れていて、そのどれもが
色彩感覚に溢れて居ると感じてます。