ピース又吉直樹のおすすめ本:彼の人生に影響を与えた70冊【2024年最新版】
お笑い芸人と作家の二つの顔を持つピース又吉直樹。彼は芸人としての活動に加え、芥川賞受賞作家として文学界でも高い評価を得ています。又吉さんが追求する「言葉の力と人間理解」の源泉は、彼の幅広い読書習慣にあります。
お笑いや演芸関連書だけでなく、古典文学、現代小説、詩集、哲学書など多岐にわたるジャンルを学び、表現者としての感性と知性を磨いています。この多面的なアプローチが、彼の繊細な文章力と独特な芸風を生み出す基盤となっています。
今回は、ピース又吉直樹が影響を受けた70冊をご紹介します。これらの本から、言葉の魅力と人間性の深みを探る新たな視点が得られるでしょう。
【小説】
ピース又吉直樹のおすすめ本
#1 人間失格
【又吉さんの愛読本】
ピース又吉といえば太宰治。そのように連想する方も多いのではないでしょうか。この本は映画化もされておりみなさんと馴染み深い作品であると思います。人間としての弱さや葛藤が描かれた作品で、又吉さんの幼少期とリンクする部分があるそうです。今でも人生を生きるためのテキストとして読み返しているそうです。又吉さんは「この作品は100回以上読みました」と述べていました。
#2 戯作三昧・一塊の土
【又吉さんの愛読本2】
「戯作三昧」「或日の大石内蔵之助」の江戸期ものや、「舞踏会」などの明治開化期ものなど。現代に材料をとった佳作を網羅。又吉さんは「いちばん読み返したのは『人間失格』と芥川の『戯作三昧』とかかな」と述べていました。
#3 深い河
【本当の愛と生きることの意味を問う本】
舞台はインドのガンジス河。人生に疲れ切った日本人がガンジス川のほとりで救いを求める物語です。5人の登場人物の人生模様に共感を誘う物語となっています。又吉さんは「宗教に対する子どもの疑問に答えを与えてくれたと思いました」と述べていました。
#4 列
【現代に生きる人間の姿を深く見通す本】
男はいつの間にか奇妙な列に並んでいた。先頭も見えず、最後尾も見えない、なぜ並んでいるかもわからない。現代に生きる人間の姿を深く読み解く一冊です。又吉さんは「子供の頃からの悩みに正面から向き合ってくれる小説だから大事と言うか貴重な小説なんです。」と述べていました。
#5 きょうも芸の夢を見る
【芸人のリアルな悲喜交々を紡いだ短編小説集】
現役よしもと芸人が書いた一冊。著者ファビアンは又吉さんの後輩です。
自身のルーツの「芸人」をテーマにした短編小説。コントのように随所にちりばめられた仕掛けを、最後に回収していく、軽妙でテンポの良い一冊。又吉さんは「現実で起こりそうなことが現実を超えて書かれている」と述べていました。
#6 杳子・妻隠
【現代の青春を浮彫りにする芥川賞受賞作】
精神病に苦しむ杳子が山中で異様な出会いに始まる斬新な愛の世界を描いた芥川賞作品「杳子」。都会に住む若い夫婦の日常の周辺にひろがる深淵を描く「妻隠」。著者の代表作2編を収録した一冊。又吉さんは「脳が揺れ比喩ではなく実際にめまいを感じました。」「身体に直接影響を及ぼす小説があることに驚きました。」と述べていました。
#7 沈黙
【カトリック作家が描くキリスト教文学の最高峰】
島原の乱が鎮圧されて間もないころ、キリスト教禁制の厳しい日本に潜入したポルトガル人宣教師が目の当たりにした拷問やうめき声に接し、ついに背教の縁に立たされる。そんなキリスト信仰の根源的な問題を衝き、「神の沈黙」という永遠の主題に問いを投げかける作品。又吉さんは「人生に必要なのは悟りではなく迷いだと思います。「沈黙」を読んだのは十代の頃ですが、今もなお往々にして思い出すことがあります。その度、ここに描かれた「葛藤」が鮮烈に蘇るのです。」と述べていました。
#8 一千一秒物語
【時代を先取りした文学空間を構築した短編集】
50ページ弱に70篇もの短編作が詰め込まれている。1話完結型の詩なので、短いものだと2、3行しかない話が連続で書かれている。又吉さんは「この本を初めて本屋で発見した時、本が発光しているように見えました。読むと幻想的な物語達が、やはり光ってました。と述べていました。
#9 真鶴
【夫の失踪を追う女性の物語】
10年以上前に失踪した夫の日記「真鶴」と記してあった。京は母親と娘と3人暮らしをしていた。新しい恋人と愛瀬を重ねる京は、なにかに惹かれるように東京と真鶴を行き来するのであった。又吉さんは「川上弘美さんの『真鶴』は何回も読み返して、それもやっぱり語りが好きで。読んでいるだけで気持ちいいという、いちばん好きなタイプの小説です。」と述べていました。
#10 累々
【しかけがほどこされた短編集】
『カモフラージュ』の著者が贈る衝撃の最新短編集。結婚、セフレ、パパ活、トラウマを題材に、現代の複雑な人間関係と自己探求を描く5つの物語。表面的な幸せの裏に潜む不穏さと駆け引きを鮮やかに切り取り、「本当の自分とは誰か」を問いかける。著者の新境地を示す、たくらみに満ちた傑作。又吉さんは「この小説を読むと落ち着く、人間てこういう所あるよなって。」と述べていました。
#11 R帝国
【全体主義の恐怖を描いた衝撃作】
近未来の島国を舞台に、全体主義の恐怖を描く衝撃作。突如始まった戦争、絶対権力"党"、謎の組織「L」。主人公が気づく世界の違和感と、暴走する社会。『教団X』の著者が放つ、現代への警鐘。驚愕の展開で読者の価値観を揺さぶる問題作。又吉さんは「昔からファン。話は絶望的なものが多いんですけど、本人はすごく明るい。」と述べていました。
#12 この高鳴りを僕は青春と呼ぶ
【九州の片田舎から芸人を目指す少年の青春記】
人気コント師「サンシャイン」坂田光による100%リアルなノンフィクション。理想と現実の狭間で揺れる若き芸人の姿を鮮やかに描き、多くの心を震わせた話題作。夢追う全ての人へ贈る、笑いと涙の記録。又吉さんは「ここに描かれた痛みや喜びが自分の記憶と重なった。何かを好きだと全力で叫べることが素晴らしい。僕も坂田君の本が好きです。」と述べていました。
#13 i
【自分の存在意義を真正面から探す力作】
直木賞作家・西加奈子の渾身作。「この世界にアイは存在しません」という言葉から始まる、現代への挑戦。「想うこと」から生まれる強さと優しさを描く感動長編。又吉直樹、中村文則絶賛の物語が、読者に勇気と希望を与える。魂を揺さぶる一冊。又吉さんは「残酷な現実に対抗する力を、この優しくて強靭な物語が与えてくれました。」と述べていました。
#14 銃
【現代文学の新たな扉を開く一冊】
中村文則の衝撃デビュー作、新潮新人賞受賞。大学生が「銃」に魅せられ、「拳銃を撃つ」確信に至る過程を鋭く描く。又吉直樹、綾野剛も絶賛の傑作。孤独と欲望を探る、現代文学の新星誕生を告げる一冊。未収録作「火」も併録。又吉さんは「衝撃でした。より一層、僕が文学を好きになる契機になった小説。」と述べていました。
#15 芸人迷子
【笑って泣ける青春迷走記】
ユウキロックの渾身作。「ぼやき漫才」で人気を博したコンビの解散秘話。M-1準優勝から単独ライブ成功まで、栄光と挫折の軌跡を描く赤裸々な青春記。島田紳助、松本人志ら大物芸人との交流から見えた笑いの真髄。又吉さんは、「僕が尊敬する漫才師が書いた、血だらけの告白がここにある。何かを愛することは残酷なほどの痛みを伴う。だからこそ、尊い。後悔や情けなさ、誰かの嘲笑さえも飲み込んだ日々は、その尊さは、誰が何と言おうとも揺るがない。」と述べていました。
#16 図書室
【温もりと抒情に満ちた三島賞候補作】
大阪で暮らす中年女性の心の軌跡を描いた温かな物語です。安定した日常の中で感じる老いの不安と、それを支える小学生時代の懐かしい図書室の記憶が描かれています。社会学者である著者が繊細な筆致で綴った三島賞候補作に、大阪での暮らしを綴ったエッセイも収録されています。普通の人の心に寄り添う、静かで深い感動を与えてくれる一冊です。又吉さんは「すごくこの感覚分かるな」と述べていました。
#17 トロッコ
【芥川龍之介の名作短編】
大正時代、8歳の少年が鉄道工事用トロッコに魅了される物語です。子どもの純粋な憧れと大人の世界の対比を、芥川独特の繊細な筆致で描いています。近代化する日本の姿も垣間見える、奥深い一編です。文学入門にも、愛好家の再読にも最適な作品です。又吉さんは「あまりにも的確に自分の感情が描かれているなあと思ったんですよね。いまだに好きなんです。」と述べていました。
#18 晩年の子供
【少女が主人公の短編集】
通学路で出会う自然と人々の姿が、鮮やかに蘇ります。メロンの温室、れんげ草、茶畑など、日常の中の小さな発見や感動が詰まっています。少女の心の成長を美しい情景描写とともに味わえる、心温まる一冊です。又吉さんは、「この『晩年の子供』に収められた『ひよこの眼』の簡単に説明できない話が学生の頃、好きでした。この人がこういうことをしたからいいと思います。悪いと思います。と説明しなくてすむ物語が好きなんです。」と述べていました。
#19 こころ
【近代文学を代表する名作】
謎めいた「先生」の過去を描いた近代文学の傑作です。親友との裏切りと自殺、深まる罪悪感。人間関係の機微や孤独な内面を鋭く描き、愛と友情の葛藤を繊細に綴ります。現代にも通じる普遍的なテーマを持つ、心に響く物語です。又吉さんは「教科書の抜粋に興味を持ち、図書館で全編を読んだ。『それから』は20歳頃に読み返して面白さを感じた。」と述べていました。
#20 痴人の愛
【谷崎潤一郎の代表作】
美少女ナオミと会社員譲治の狂おしい恋を描く官能小説です。純粋な思いから始まった同居が、欲望と支配の関係に変貌していく様を鮮烈に描写。大正時代の性意識の変化も巧みに表現した、谷崎文学の真髄が詰まった魅惑的な一冊です。又吉さんは「具体的に書かないが卑猥な言葉を想像させる手法に感心。主人公の気持ちを想像すると可哀想だが面白いと感じた。」と述べていました。
#21 変身
【人生で一度は読むべき名作】
主人公が突然、巨大な虫になる不条理な物語。日常と非日常の対比を冷静な文体で描き、人間の疎外感や存在の不条理さを鋭く問いかけます。20世紀文学の傑作として、今も多くの読者を魅了し続ける一冊です。又吉さんは「主人公が虫になった後に会社のことを心配する場面や、家族の反応を含めて全体がコメディだと感じた。」と述べていました。
#22 罪と罰
【文学に大きな影響を与えたドストエフスキーの代表作】
貧困にあえぐ大学生が「理想的な殺人」を企てる物語です。老婆殺害とその後の心理的葛藤を通じて、人間の善悪や罪の本質を探ります。緻密な心理描写で知られる世界文学の傑作で、人間の内面に鋭く迫る一冊です。又吉さんは「語りが全て面白く、急にひどいことを言ったりする展開に笑ってしまった。」と述べていました。
#23 夫婦善哉
【ダメ夫の日常を描いた短編小説】
大正・昭和初期の大阪を舞台に、健気な妻と憎めないダメ夫の日常を描いた短編小説です。大阪弁の会話と生き生きとした描写で、笑いと哀しみが交錯する庶民の人間ドラマを鮮やかに切り取った無頼派文学の傑作。心温まる味わい深い一冊です。又吉さんは「夫婦が並んで善哉を食べる場面が、状況に応じて泣けたり笑えたりする。人間のありのままの姿を感じた。」と述べていました。
#24 紙の動物園
【史上初の3大SF文学賞を制した傑作】
テッド・チャンの短編集「紙の動物園」。中国系アメリカ人少年の成長と、命を吹き込まれた折り紙の動物たちを描く幻想的な物語。他6篇も収録し、SFの枠を超えた深い人間ドラマが展開。想像力豊かな世界観と心揺さぶるストーリーが詰まった、SF・文学ファン必読の一冊です。又吉さんは「SFながら、普遍的な感覚を見出せる点に興味を持った」と述べていました。
#25 亡命者
【中村文則さんの最高傑作】
4%の生存確率を告げられた男の逃亡劇。潜伏キリシタンの末裔が隠し持つ、戦時中の不穏なトランペット。キリシタン迫害、戦争、現代を貫く「意志」と、ある女性との「約束」。信仰、戦争、愛が交錯する中村文学の集大成。心揺さぶる壮大な物語です。又吉さんは「とにかく破格の物語です。今すぐ読んだ方がいい。非常に稀に、このような作品に出会えるから、私は読書をやめられません。」と述べていました。
#26 息吹
【傑作も名作も超えた別次元の存在】
映画「メッセージ」原作者による9篇の傑作を収録。人間不在の世界探求や斬新なタイムトラベルなど、独創的な発想と緻密な世界観が光る各賞受賞作を含む。初訳5篇も収録した、知的興奮に満ちたSF愛好家必読の一冊です。又吉さんは「人間の感情や、未整理の倫理などが克明に描かれていたので、迷子になることなく、夢中で読めました。ひとつ残らず全て面白かったです。」と述べていました。
#27 アラビアの夜の種族
【日本推理作家協会賞&日本SF大賞受賞作】
冲方丁の「光圀伝」、日本推理作家協会賞&日本SF大賞受賞作の文庫化。1213年のカイロを舞台に、ナポレオン艦隊の脅威と「災厄の書」をめぐる壮大な陰謀が展開。イスラムの地の幻想と歴史ロマンが融合した、推理とSFの要素を併せ持つ傑作小説です。又吉さんは「エジプト侵攻を阻止するという設定からして規格外。本当に面白いんです。」と述べていました。
#28 七つの殺人に関する簡潔な記録
1976年、ボブ・マーリー襲撃事件が暴力の連鎖を引き起こし、ジャマイカからアメリカまでを巻き込む。ギャング、政治家、CIA工作員、目撃者など70名以上が語る壮大な物語。ジャマイカ出身作家初のブッカー賞受賞作、圧倒的なスケールで描かれた歴史と暴力の巨篇。又吉さんは「本のサイズに圧倒されるかもしれませんが、それぞれ語り手のリズムが心地良くて最高です。」と述べていました。
#29 黒い本
【ノーベル賞作家オルハン・パムクの最高傑作】
オルハン・パムクの傑作が完訳で登場。行方不明の妻を追うガーリップが、いとこの新聞記者ジェラールのコラムを手掛かりにイスタンブールの謎に挑む。推理小説を超えた幻想的で多層的な物語が広がる、必読の一冊です。又吉さんは「個人的に興奮したのは、架空の天才がコラムニストの文章を成立させているところ。天才の概要を書ける作家はいるだろうけれど、作品を書けてしまうというのが恐ろしいです。」と述べていました。
#30 コインロッカー・ベイビーズ
【村上龍の衝撃代表作】
コインロッカーに捨てられた幼児が都市への復讐に立ち上がる。1980年刊行の衝撃作。実際の事件を題材に、生後間もなく捨てられ蘇生したキクとハシが織りなす過酷な運命を描く。第3回野間文芸新人賞を受賞した話題作です。又吉さんは「永遠に読み続けられる傑作として、心に残る作品。」と述べていました。
#31 三四郎
【大学生活を通じて成長する恋愛小説】
熊本から上京した青年・三四郎が、都会の女性・美禰子との出会いを通じて経験する学問、友情、恋愛への不安や戸惑いを描く、青春の物語です。『それから』『門』へと続く三部作の第一章で、何度読んでも新鮮な感動を与える永遠の傑作です。又吉さんは「18、9歳で読んだ時は難しく感じたが、20歳頃に再読した際には非常に面白かった。」と述べていました。
#32 それから
【高等遊民としての葛藤がテーマの小説】
三十歳を過ぎても親の仕送りで暮らす高等遊民・代助が、かつて親友に譲った人妻・三千代との再会をきっかけに、愛と社会の狭間で葛藤する姿を描く。明治期の知識人が直面する生き方の苦悩と、愛を貫く決意が交錯する傑作です。又吉さんは「漱石作品の中で特に好きな一冊とし、自身の内面的な成長に影響を与えた」と述べていました。
#33 ノルウェイの森
【愛と喪失の物語を描いた世界的名作】
37歳の主人公が、ビートルズのメロディーを聴きながら、18年前の大学生時代に戻る。死んだ友人の彼女・直子、同じ学部の緑との出会い、それぞれの欠落と悲しみを抱えた日々。青春の痛みと喪失を描いた、時代を超えて愛され続ける世界的名作です。又吉さんは「人間関係や心情描写が非常に共感できるとして、特に印象的だった。」と述べていました。
#34 夜は短し歩けよ乙女
【不思議な夜を舞台にした恋愛小説】
「黒髪の乙女」に恋する「先輩」が、京都中で彼女を追いかける中、巻き起こる珍事件の数々と運命の大転回とは? 山本周五郎賞を受賞し、本屋大賞2位にも輝いた傑作が待望の文庫化。青春と奇想が交錯する、笑いと感動に満ちた一冊です。又吉さんは「そのユニークさと魅力的なキャラクターたちに引き込まれた。」と述べていました。
#35 アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
【人間とアンドロイドの関係を描いたディストピア小説】
第三次大戦後、放射能で汚染された地球で、生きた動物が地位の象徴となっていた世界。人工の電気羊しか持たないリックは、本物の動物を手に入れるため、火星から逃亡したアンドロイドを狩る危険な任務に挑む。現代SFの巨匠フィリップ・K・ディックが描く、斬新な世界観とスリリングな物語。映画『ブレードランナー』の原作としても知られるSFファン必読の名作です。又吉さんは「人間とは何かという問いかけが深く、考えさせられる作品。」と述べており高く評価していました。
【エッセイ】
ピース又吉直樹のおすすめ本
#36 凡者の合奏
【音楽と愛のエッセイ本】
sumikaのフロントマン片岡健太による初のエッセイ集。挫折や喪失、支えられてきた経験を通じて見つけた“自分”を綴る、人間賛歌の一冊です。普通の青年が経験した絶望と希望の記録を、優しい言葉で描きます。sumikaの音楽が持つ、人に寄り添い背中を押してくれるその源に迫る内容で、川崎市の故郷を巡った撮り下ろし写真も多数収録。悩める人にそっと寄り添う一冊です。又吉さんは「優しい言葉が印象的で、心温まる内容。」と述べていました。
#37 こんなにバイトして芸人つづけなあかんか
【売れない芸人の経験を綴ったエッセイ本】
慶應卒、芸歴20年、吉本所属。それでも手取り13万円の生活を続けてきた芸人が、やむを得ず選んだ数々のバイト生活を振り返るエッセイ集。時給90円の深夜バイトや、超ラクな自治体仕事、飛び降りの後始末、ミス連発の宅配ピザなど、波乱万丈なアルバイト遍歴がユーモラスに描かれています。売れない芸人のリアルな奮闘記、笑いと共感に満ちた一冊です。又吉さんは「笑える逸話が温かい余韻を残す。」と述べていました。
#38 東京芸人水脈史
【笑い文化や芸人たちを掘り下げたエッセイ本】
東京吉本のレジェンド作家・山田ナビスコが初の自伝的エッセイを刊行。28年間“お笑い”の最前線に身を置き、『笑ってはいけない』やM-1グランプリなどの裏話から、極楽とんぼやロンブー、ピース、渡辺直美ら人気芸人とのエピソードを多数収録。日本が誇る“お笑い大国”の舞台裏を知る一冊です。又吉さんは「芸人としてのルーツや歴史を知る良い機会になった。」と述べていました。
#39 みんな十四歳だった!: よしもと芸人が語る、何者でもなかった「あの頃」の話
【芸人の14歳の頃の思いや経験を描いたエッセイ本】
「十四歳の頃」、誰もが通った道。落ち込んだり、ワクワクしたり、友達の大切さを感じたり、孤独を楽しんだり。人気芸人十七人が、まだ何者でもなかったあの頃の悩みや笑い、不安を赤裸々に語ります。混乱した時代を生きる子どもたちへ送る、笑えて泣ける、心温まるエールが詰まった一冊です。又吉さんは「懐かしさと共感を覚える内容で、心温まる。」と述べていました。
#40 読書の腕前
【読書好きにはたまらないエッセイ本】
“空気のように本を吸う男”が綴る、読書に魅了された日常。寝床や喫茶店、電車や風呂まで、どこでも本を手放さない著者が、自身の読書体験を語る一冊。読書好きにはたまらない、日常に溶け込んだ本との関わりを描いた体験的読書論です。又吉さんは「一行読むごとに共感や発見があり、ますます本が好きになりました。本を愛する僕にとって、岡崎さんは偉大なる先輩です。」と述べていました。
#41 1990年、何もないと思っていた私にハガキがあった
【伝説のハガキ職人が自身の過去を描いた自伝的小】
ラジオ番組へのネタハガキ投稿に青春を捧げた、伝説のハガキ職人せきしろが、自らのルーツを初めて綴る半自伝的小説。オールナイトニッポンや「バカはサイレンで泣く」で社会と繋がろうとした不完全な青春の日々。ラジオ好き必読、涙なしでは読めない感動の一冊です。又吉さんは「この作品を通じて、ラジオが持つ特別な力や、思春期の心情に共感した」と述べていました。
#42 神秘大通り
【母や妹との思い出を辿る感傷的な物語】
メキシコのゴミ捨て場育ちの作家が、雪のNYからマニラへと古い約束を果たすための旅に出る。母は娼婦で教会の掃除婦、妹はサーカスのライオンに殺され、宣教師とトランスヴェスタイトの養父母に育てられた過去が、いつしか旅路に重なる。怪しい美人母娘を道連れに、過去への感傷旅行がどこへ向かうのか。不思議な旅路を描いた上巻。又吉さんは「作品の中で描かれる家族との関係性や、過去への思いが心に響く」と述べていました。
#43 こちらあみ子
【少し風変わりな女の日常を描いた物語】
風変わりな少女・あみ子が、純粋な心で周囲を変えていく姿を描いた感動作。第26回太宰治賞、第24回三島由紀夫賞受賞のデビュー作に、書き下ろし短編「チズさん」も収録。心に残る一冊です。又吉さんは「自身の子供時代と重ね合わせながら、あみ子の純粋さや失敗に共感した」と述べていました。
#44 たとえる技術
【ユーモアと表現力の秘密を明かす本】
芥川賞作家・又吉直樹や直木賞作家・西加奈子との共著でも知られる彼の文章力は、「たとえ」にあった。驚きや喜び、孤独をユニークなたとえで表現する巧みな言葉遊びが詰まった一冊です・又吉さんは「急患が出た飛行機に偶然乗り合わせた名医、いや、すりおろしリンゴを食べさせてくれる母のようだ」と述べていました。
#45 Sunrise & Sunset
【ミュージシャン小山田壮平による初の詩集】
andymori、AL、そしてソロ名義の楽曲歌詞を収録し、彼に縁深い写真家や絵描きが楽曲をイメージした作品も掲載。新たに英訳詞も加えられ、珠玉の言葉とメロディが詰まった永久保存版。初のソロアルバム『THE TRAVELING LIFE』と同日に発売され、又吉直樹と菅田将暉の推薦コメントが帯に寄せられています。又吉さんは「もう触れることが出来なくなったはずの愛しい日々や感情や風景と再会させてくれる。」と述べていました。
#46 成功者K
【又吉さんが推薦した芥川賞作家の超話題作】
ある朝、突如有名人となったKの人生が一変する。しかし、それは不気味な迷宮への入口だった――成功者の恍惚と不安を“ありのまま”描いた取扱注意の危険作。映画監督・行定勲が「とんでもない小説」と絶賛する衝撃の物語です。
#47 表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬
【オードリー若林さんのエッセイ本】
社会の競争に違和感を覚えたオードリー若林が、別の生き方を求めてキューバへ旅立つ。ユーモア溢れる若林節と、ホロリと泣ける感動が詰まったエッセイ。キューバ旅行の写真も多数収録された一冊です。又吉さんの好きな本として紹介されていました。
【哲学】
ピース又吉直樹のおすすめ本
#48 鉄人の思考法
【トップアスリートたちの哲学】
「松坂世代」の鉄人たちが語る、生きた哲学と思考法。中村憲剛、大黒将志、玉田圭司、和田毅など、1980年生まれの一流アスリートたちが、挫折や困難を乗り越え、40歳近くまで現役を続ける秘訣を明かす。彼らの競技人生を支えた言葉や出会い、考え方を深く掘り下げる。又吉直樹と中村憲剛の同級生対談も収録。挑戦する全ての人に勇気を与える一冊です。又吉さんは@生きた実践的な哲学に感動した。」と述べていました。
#49 存在と時間
【20世紀を代表する哲学書】
1927年の刊行時に哲学界へ大きな衝撃を与えた本作は、《存在》を人間存在(現存在)から解釈し、時間性を通じてその意味を探る。上巻では「現存在の基礎分析」を中心に、世界内存在としての人間の在り方を深く探求する、哲学の古典と称される必読の一冊です。又吉さんは「この本を通じて、存在に対する新たな視点を得た。」と述べていました。
#50 道徳感情論
【人間の道徳的判断や感情について論じた著作】
『国富論』の副産物とも言える本書は、個人の「共感」や「激情」を通じて、人間の心に「義務」や「道徳」を確立し、新しい社会のあり方を探求します。近代社会の原理を理解するための必読書であり、スミスの鋭い観察眼と豊富な例証が光る傑作です。又吉さんは「道徳的な視点から経済を考える重要性に気づかされた。」と述べていました。
#51 実存と無
【人間の自由や選択、責任について考察する哲学的著作】
人間の意識と存在を詳細に分析し、存在と無の弁証法を探究したサルトルの不朽の名著。実存主義を確立し、現代思想の原点となった本書は、人間の実存を深く問いかける哲学の必読書です。又吉さんは「人間の自由とその重みについて深く考えさせられた」と述べていました。
【漫画】
ピース又吉直樹のおすすめ本
#52 ドラゴンボール
【日本を代表する漫画】
山奥に住む怪力で元気いっぱいの孫悟空が、ある日「どんな願いも叶う」というドラゴンボールを探す少女ブルマに出会う。二人はドキドキの冒険の旅へ!人気キャラクターたちと繰り広げるワクワクの冒険譚の始まりです。又吉さんは「ピッコロのように、最初は敵だったのがちょっと仲間になってくるようなキャラクターが好きでしたね。」と述べていました。
#53 サッカー少年ムサシ
【空手バカの物語】
空手バカのムサシが、ひょんなことからサッカーに出会い、その魅力にどんどん引き込まれていく。仲間たちに温かく迎えられたムサシは、空手の技を活かしたカンフー・キックで活躍。弱小チームだった「桜台キッカーズ」が、ムサシの力でどんどん強くなっていく成長物語です。又吉さんは「『サッカー少年ムサシ』という全3巻の漫画は好きでしたね。それは主人公もヘンやったんで。」と述べていました。
#54 じゃりン子チエ
【大阪の暮らしを感じる事ができる漫画】
大阪の下町でホルモン焼き屋を切り盛りする小学5年生のチエちゃん。無職でケンカとバクチに明け暮れる父・テツ、家出中の母・ヨシ江という逆境の中、チエちゃんは大人顔負けのたくましさで奮闘します。個性豊かな登場人物たちが繰り広げる、笑いと涙の大騒動が詰まった物語です。又吉さんは「チエちゃんにケンカ打ってはやられてしまう二人組の男の子がいて、その一人のマサルくんの「今日のチエは強いわ」って台詞がすごく好きでした。」と述べていました。
【絵本】
ピース又吉直樹のおすすめ本
#55 ぐりとぐら
【又吉さんの一番古い読書記憶】
お料理好きの野ねずみ、ぐりとぐらが森で大きな卵を見つけ、カステラを作ることに。香ばしい匂いにつられて、森の仲間たちが集まってきて…楽しい冒険とおいしいカステラの物語。人気者ぐりとぐらの魅力が詰まった絵本です。又吉さんは「幼い頃に何度も読み返していた記憶がありますね。」と述べていました。
#56 いやいやえん
【子どもの頃に好きだった絵本】
元気でわがままな保育園児・しげるが主人公の物語集。「いやいやえん」に連れて行かれる話や、積み木の船でクジラを捕まえに行く冒険など、全7話が収録。1962年の出版以来、多くの子どもたちを魅了してきた童話の名作です。又吉さんは「こぐまが転入してくる話とか、みんなで積み木で船を作って乗っているうちに本当に海に出ているような感覚になる話がすごく好き。」と述べていました。
#57 おしいれのぼうけん
【子どもの頃に好きだった絵本2】
お昼寝前にけんかをしたさとしとあきらは、先生に叱られておしいれに閉じ込められます。そこで出会ったのは、地下に住む恐ろしいねずみばあさん。ねずみばあさんに追いかけられながらも、ふたりは手をつないで決してあきらめずに逃げ続けます。又吉さんは「保育園で悪いことをした子が押し入れに閉じ込められる話ですが、あの暗闇がすごく重要なんじゃないかと思っている。」と述べていました。
#58 手ぶくろを買いに
【保育園の時に読んでいた絵本】
初めての雪に大はしゃぎした子狐は、手が冷えてしまいます。そこで母狐は、子狐に手袋を買ってあげようと人間の町へ送り出しますが、子狐はお店で間違えて狐の手を出してしまい…。母親の愛情と子狐の緊張が伝わる、新美南吉の名作を黒井健が美しく描いたロングセラー絵本。又吉さんが通っていた保育所で保母をやっていた方が「読み聞かせると他の子はうんうん聞いているけれど、直樹くんは必ず物語が終わった後に質問をしてきました。」昔の思い出を述べていました。
【自著】
ピース又吉直樹のおすすめ本
#59 火花
【又吉さんの芥川賞受賞作】
第153回芥川賞を受賞し、累計発行部数283万部を誇る傑作。NHKドラマにもなった又吉さんの処女作です。売れない芸人徳井が天才肌の先輩芸人神谷と出会う物語。笑いとは何か、人間とは何かを書ききった又吉さんの自信作。又吉さんは「自身の体験を通じて、深い感情に触れられる作品。」と述べていました。
#60 劇場
【火花より先に着手した小説的原点】
こちらも映画化されている作品で、代表作の「火花」より先に執筆を行っていたといいます。大阪から上京し劇団を主宰する不器用な青年・永田と、全てを受け入れる女性・沙希との切なく甘くない恋愛模様を描いた青春小説。永田の性格が原因で二人の関係は思うように進展せず、もどかしさが募る。
#61 人間
【又吉さんの初長編小説】
この作品で「何者かになることを夢見た人間の青春期と痛恨の出来事、そして痛みを抱えたまま何者にもなれずに迎えた 20 年後」を描いています。
人間の持つ愚かさをリアルに描写しながら、ありのままを受け入れていいんだ。という優しさを与えてくれる作品になっています。
#62 月と散文
【又吉さんの新作エッセイ集】
コロナ禍での日々の暮らしの中で、変わっていく世界で向き合った孤独や遠く離れた家族との記憶などが述べられたエッセイ集です。怒りや悲しみ、憤り、ささやかな幸せが感情表現豊かに表現されています。
#63 その本は
【本への愛を描いた絵本】
本好きの王様のために、二人の男が世界中を巡って「めずらしい本」の話を集める冒険が始まる。目が悪くなり本を読めなくなった王様に、夜ごと語られる本の話は、笑いと感動で満ちています。芥川賞作家・又吉直樹と人気絵本作家・ヨシタケシンスケが贈る、ユーモアと心温まる物語です。
#64 カキフライが無いなら来なかった
【妄想文学のエッセイ】
自由律俳句の世界が広がる、妄想文学の鬼才せきしろとお笑いの奇才又吉直樹による珠玉の句集。五七五の枠を超えた「雨と冷蔵庫の音に挟まれ寝る」「転んだ彼女を見て少し嫌いになる」など、過剰なセンチメンタルと異常な自意識が詠み込まれた500以上の句と散文が詰まった一冊。又吉さんは「日常の滑稽さや無意味さを描きつつ、共感を呼ぶ内容が印象的。」と述べていました。
#65 東京百景
【又吉直樹のエッセイ集】
芸人を夢見て上京し、挫折と喜びを経験した青春の日々を100篇のエッセイで綴ります。『火花』『劇場』の原点とも言えるエピソードも収録。夢を追う全ての人に贈る、共感と希望の一冊です。又吉さんは「東京への愛情が伝わってくる作品で、読み応えがある。」と述べていました。
#66 新・四字熟語
【現代の四字熟語集】
ピース又吉が生み出した、ユーモア溢れる新・四字熟語120を気鋭の書家が表現。『鈴虫炒飯』や『構内抱擁』といった、思わず「なぜ?」と考えさせられる独自の言葉遊びが満載。身近な出来事を鋭く、時に笑いを交えて表現した一冊です。又吉さんは「笑いを交えつつ、深いメッセージを持った作品として楽しめる。」と述べていました。
#67 第2図書係補佐
【又吉さんのパーソナル・エッセイ集】
お笑い界の本好き、ピース又吉が尾崎放哉、太宰治、江戸川乱歩などの作品を通して、自らの思いを綴るパーソナル・エッセイ集。日常に寄り添う本の存在を描き、心に響く一冊。巻末には芥川賞作家・中村文則との対談も収録。
#68 夜を乗り越える
【小説への思いを初めて明かす本】
芸人で芥川賞作家の又吉直樹が、少年期から読んできた小説を通じて「なぜ本を読むのか」「文学の魅力とは何か」を考察。また、自身の芥川賞受賞作『火花』の創作秘話や、自らの著作に込めた思いを初めて明かす。文学に救われた又吉の初の新書です。
#69 まさかジープで来るとは
【自由律俳句集の第二弾】
妄想文学の鬼才・せきしろと、ピースの又吉直樹が編んだ自由律俳句集の第二弾。五七五の形式を超えた自由な韻律で綴る俳句の世界を広めた話題作『カキフライが無いなら来なかった』に続く文庫版です。
#70 孤独の俳句:「山頭火と放哉」名句110選
【又吉さんの俳句共著】
「孤独」を詠み続けた俳人、種田山頭火と尾崎放哉の自由律俳句を厳選した一冊。現代俳句の泰斗・金子兜太が山頭火の55句を、お笑い芸人で芥川賞作家の又吉直樹が放哉の55句を選び、計110句を解説。心に沁みる名句が、孤独や孤立を感じる現代に再び脚光を浴びる“奇跡の共著”です。
【番外編】
ピース又吉直樹のおすすめ本が無料で読めるサービス
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読書好きには欠かせない、Amazonの電子書籍サービス「Kindle Unlimited」。30日間の無料体験を利用すれば、期間内に解約することで一切費用をかけずに豊富な書籍を楽しむことができます。ビジネス書から小説、専門書まで幅広いラインナップが揃っており、又吉さんがおすすめする本も「完全無料」で読むチャンスです。この機会に、気になっていた本を存分に楽しんでみてください。
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【まとめ】
ピース又吉直樹のおすすめ本
ピース又吉直樹さんは、読書を通じて得た言葉への洞察と人間理解を、お笑いと文学の両分野で活かし、独自の表現世界を築いてきました。
彼が愛読する書籍は、単なる技術書ではなく、人間の内面や社会の本質に迫る深い考察に満ちています。今回ご紹介した70冊の本も、きっとあなたに新たな視点を提供し、言葉の力と創造性を高めるモチベーションになることでしょう。
ぜひ、ピース又吉直樹さんのように、これらの本から学びを得て、芸術と文学、そして人間性の調和した新しい表現の創造に向けて一歩を踏み出してください。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう!