艶種

誰かが踊っている

つま先を立て 身体をひねらせ

あるがままに生きている

木々の合間を縫って覗いた

その姿は 何よりも美しく

周囲の花々は

喝采を送るように咲き乱れていた

柔い掌をこちらに向け

淡い瞳がじっと見つめる

口元は少し微笑み

撒いた種を誘っている

歩を歩めることに 理由は無かった

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urara
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