欧州文化首都VP5日目 ボランティアレクチャーと美術館劇場訪問
プログラム5日目。
今日が何日で何曜日なのか、だんだんわからなくなってくる。
オープニングセレモニー当日は、11の通りに交通規制をかけ、ボランティアメンバーで交通整理を行う。今日はそのための道の確認をおこなった。
あと6日となり広場にはステージが建設され始めた。
各通りのリーダーたちの話し合いに同席させてもらった。こんな表現が適切かわからないが皆若くてもしっかりとしている。メンバーはそれぞれ仕事や学校があったりとなかなか全員が揃わないのだが、そんなこともあるさと淡々と進める。こういう時にガッと仕事を進める姿は、ルーマニアの人たちの力を感じる。必要に応じてルーマニア語の説明から英語に切り替えて私たちにも説明してくれる姿がかっこいい。10代のボランティアでも私たちがうまく理解できずに困った顔をしているとすっと近くにやってきて英語に通訳してくれる。そのホスピタリティに毎度感動する。
午後は自由時間となったので、広場の前の美術館にいった。
監視員さんに話しかけてみると一人目は「キャプションが壁にが貼ってあるでしょ」とあしらわれたが、二人目は丁寧に説明してくれた。二人目の方はかなりの美術好きらしい。
あとからわかったのだが、特別展示されていた、Negraさんは教会前の彫像のアーティストらしい。銃に打たれた形を表していると数日前に説明をうけたこの像だ。
美術館は、電源口がむき出しだったりなんとなく雑な部分も感じながら、昔Cluj-Napocaの美術館でみたような斜めに絵をかけられたような状態は一切なく、ガイドもしっかりとあった。これが14年間の変化なのか、そもそも美術館が違うからなのかはわからないが確実にこれまでみたものより洗練された空気がある。
夕方からは再び劇場へ。先日訪れた劇場でミュージカルではなく今度はストレートプレイの芝居があるというので見に行った。チケット料金は30レイ。前回の倍の金額だ。演目はJanne Tellerの「Nothing」という作品。もとは2000年に発行されたデンマークの小説だ。劇場では、ボランティアに参加しているおばさんが働いていた。
ハンガリー語の上演で、今度は字幕なし。ルーマニア語の翻訳機の貸し出しがあった。芝居に合わせて一人の女性がリアルタイムで翻訳を喋っている。始まる前には何かぼそぼそと言っているし、時々近くにいるであろうおじさんの咳込などが聞こえてくる。
全部理解できたわけではないが、外国語でみるにはピリついた空気の芝居のほうが好きだ。
ティミショアラにいるうちにドイツ語とルーマニア語でも芝居を観たかったが、残念ながらタイミングがあわなそうだ。
終演後、隣にいたおばあさんとお話ができた。足が悪いの、と言いながらパンプスを履いているおばあさん。階段を一歩ずつおりていく。お兄さんと一緒に観劇にきていた彼女は80を過ぎており、若い頃は英語教師だったそうだ。
ティミショアラでは、複数の民族がそれぞれ意思疎通が図れるよう、ティミショアラでの方言があるとボランティアプログラムでは説明を受けていた。だが、今日出会ったおばあさんは方言についてはふれず、ルーマニア語、ハンガリー語、ドイツ語、セルビア語、さらに英語ができると言っていた。いくら近しい部分があると言えども、そんなに使い分けられるものなのだろうか。