欧州文化首都とシビウ国際演劇祭とボランティアプログラム
欧州文化首都のプログラムが始まるまでの10日間、物理的な準備とともに私たちボランティアはトレーニングをうけることになっているようだ。
街のどこに何があるか、何をするかだけでなく、おそらく街の歴史や文化を学ぶ機会もありそう。
2017年に参加させてもらった、シビウ国際演劇祭でのボランティアプログラムもそうだった。これは私たち国外からのインターナショナルボランティアだけでなく、現地のボランティアも同様。現地のボランティアは演劇祭の開催前数ヶ月かけてトレーニングを受ける。
ものすごい数の現地ボランティアに対して、どうしてみんなボランティアに参加するのか尋ねてみると、就職や進学に有利だから参加しているという声があった。他にも海外からくるボランティアやアーティストとの交流を楽しみにしている人もいた。
それぞれ動機は違っても、学校以外で街の歴史を学ぶ機会があること、そしてフェスティバルのお客さんに紹介する機会があることは素晴らしいと思う。
学びと体験が結びつくし、活動を通じて街への誇りが強く育まれるだろう。
瀬戸内国際芸術祭で、地元の小学生が「子どもガイド」としてお客さんに案内をすることとも共通する部分があると思う。
ボランティアという名称を使うとたまに勘違いされるのだけらど、ボランティアは単なる労働力や人手ではない。
フェスティバルを滞りなく実施することだけを思えば、お金を出してスタッフを雇ったほうがよっぽど楽だ。
だけど、市民と一緒に作ることに意義がある。数時間〜数日ではなく長い期間トレーニングの時間を設けることにもそれは現れていると思う。
シビウ国際演劇祭も、欧州文化首都も、市民の参加に重きをおいていると強く感じるフェスティバルだ。
企画によるだろうがヨーロッパのフェスティバルってこういうものが多いのだろうか。
そういえば2009年か10年にクルージュ•ナポカでやっていた映画祭も、結構な数のボランティアがいた気がする。
エディンバラやアヴィニヨンはどうなんだろう?
そして今回、我々もボランティアとして活動させてもらうわけなのだが、受け入れの体制も整えていただいて、単なる労働力、人手となること以上に自分に何ができるのだろうかとずっと考えている。
そんなに難しく考えなくても良いのだろうけど、「欧州文化首都」という企画にヨーロッパ人でもないのに遥々アジアの東側からやってきて、どうして関わらせてもらえるのか。さすがに3度目のルーマニアなので、異文化体験以外に目標設定を持っておきたい。
ともに活動するボランティアや関係者が少しでもよりポジティブに活動できるように、楽しめるように貢献できたら。
またこの記事などを通じてティミショアラやルーマニア、欧州文化首都に興味を持ってくれる人が増えたら。今後のプログラムに参加するボランティアの一助になれば幸い。