欧州文化首都VP2日目 街巡り
欧州文化首都、ティミショアラでのボランティアプログラム2日目。
実質的な活動初日だ。
ルーマニアのボランティア受け入れチーム、セルビア人ボランティアチーム、日本からのボランティアチームがやっと揃った。
午前中はトレジャー・ハントというプログラム。
このプログラムはおそらく、受け入れメンバーがボランティアのために独自に考えてくれたもので、グループに分かれて、街の象徴的な建物やモニュメントを巡る。
ワッツアップ(メッセージアプリ)でチームに課題が送られてくるのでそのスポットを推測し、探し出し、現物の前で集合写真を撮ってるというもの。
テレビ局、ビール工場、教会、大学など。
ふざけながらも一位のグループになろうと走るので、ひーひー言いながら走る。5,6kmは動いたんじゃなかろうか。
このプログラムは、チームビルディングでメンバーのことをよく知る他に、街のことを知る狙いもあるような気がするのだが、自分が今どこにいるのかすらよくわからない。というか、英語がそんなに得意ではない私には、送られてきた課題が何と言っているのかも、どこを目指しているのかも不明なまま、走って着いていくのに必死だった。
でもとても楽しい。同じチームのセルビア人男性がすごい勢いで目的地を探し出してくれてめでたく、我々のグループは1番最初に全ての課題をクリアした。
別にご褒美があるわけでもないが、ただただ喜び合う。
おもしろいと感じたのは、課題を終えすべてのグループが集合した後、参加した全員にプログラムのよかった点と改善の余地がある点や感想を求めていたこと。
プログラムを作ってくれたメンバーたちに即時のフィードバック。私たち参加メンバーも他の参加者が何を考えていたのか、他のチームにどんなことが起きていたのか知ることができてその後の話も盛り上がる。
事務所に戻ってお昼ご飯を食べてしばしの自由時間。
私はティミショアラで一番大きいショッピングセンター、ユリウスモールに行く。
夕方からは探索の時間。午前中のトレジャーハントとは違い、みんなでゆっくりと街をあるく。建物やモニュメント、街の景観の成り立ち、歴史的な背景などを一つずつ教えてもらう。もらうのだが、私の英語力の問題であまり詳しいことがわからない。さっき何と言ってたの?と他の日本人ボランティアに尋ねてフォローしてもらう。
こういう町歩きのプログラムは、シビウ国際演劇祭のボランティアでも受けたのだが、みんな本当に町のことについてよく知っている。
もちろん、事前に勉強してくれたこともあるのだろうが、一朝一夕でみにつくものではないし街のことを誇らしく思いそして外から来た人にも知ってほしい、伝えたいという気持ちが伝わってくる。
オスマン帝国、ハプスブルク家など時代時代によって変わる新しい支配者の影響をうけつつ、それまでの勢力の影響も残しつつ複雑に彩られた歴史が街並みのいたるところに表れていてとても興味深いが、一度聞いただけではどうしても理解が追い付かない。日本の歴史でも、戦国時代の領地争いなどの話になると全くついていけなくなる感覚に似ている。
ティミショアラは一番最初に街灯がついた街なのだが、他にも「ヨーロッパで最初の〇〇シリーズ」がこのティミショアラにはいくつかある。どうしてパリやロンドンではなくティミショアラなの?と現地のルーマニア人に聞いてみたら、「パリやロンドンは人口も多いしいろいろ反対する人がいるけど、この街は誰も気にかけないからじゃない?」という推測が返ってきた。ヨーロッパの中心地から十分に離れていて実験的に使われているような響きに、私は若干のいやらしさを感じてしまうのだが、ティミショアラに住む人たちはヨーロッパで最初の街であることが誇らしそうなので、たぶん良いのだろう。