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リモート授業の良いところ悪いところ。

ニューヨークの学校が閉鎖となり2ヶ月が経ちました。

公立学校でも私立でも、子供達は毎日、リモート授業を受けていますが、リモート授業の内容は学校により、また担任の先生により全く異なります。

そもそも、こちらの学校には教科書というものは存在しません。授業の仕方やスクールトリップ(社会科見学や遠足など)も、担任により異なります。

ですので、同じ学年のあるクラスでは全くスクールトリップに行かないのに、隣のクラスでは毎月のように行く・・・などということもよくあります。

リモート授業の内容も同様であり、Google Classroomをはじめとした教育用オンラインアプリケーション(下の記事にまとめてみました)を使って課題を出して、それを提出させるだけの先生もいれば、朝8時から夕方3時まで、先生が入れ替わり立ち替わり、ライブで登場して教えるような学校やクラスもあります。

中学に通う娘の担任は前者であり、小学校に通う息子の学校は後者に近い感じですなのですが、どちらに近いやり方であっても、やはりリモート授業だけで学校の授業を行う弊害は強く感じます。

スクリーンタイムの長さや、スクリーン疲れはもちろんの事ですが、やはり対面授業や学校に通うというフィジカルな行為なしの生活が長引いていることによる、倦怠感やモチベーションの低下は大きな問題です。

先週もクラス(リモート授業です)中、生徒達と雑談をしている中で、ある生徒が「自宅待機がスタートした当初は、時間ができたから色々なことにトライしたけど、今は時間があるのに、なんだか新しいことをする気持ちが起きない」と漏らしました。

他の生徒も「うん、そう」「わかる、わかる」と同調。なぜそんな気持ちになるのかについて、みんなで話し合いました。

気持ちや精神状態の言語化は、生徒達にとって難易度は高いのですが(これについてはまた別に書きたいと思います)、みんな懸命に、自分たちの今の心情や気持ちの変化についてZoom上でシェアしてくれました。

孤立感を感じやすい今のような状況では、自分の気持ちを言葉にして仲間とシェアすることや、同じ気持ちなのは自分一人ではないと感じ合えることは、子供にとってはもちろんの事、大人にとっても大切なことです。

さて、リモート授業だけという環境に弊害があるのは明らかなのですが、リモート授業そのものについては、実際に毎週行っている中で、良いところや可能性も色々と感じています。

うちの学園ではZoomを利用していますが、まずZoom自体「かなり使える」というのが率直な感想です。正直ここまで使えるとは思いませんでした。

ホストとなる先生側にとっても、参加者となる生徒側にとっても、非常にわかりやすいインターフェイスであり、スタート初日から中学生以上の生徒は何の問題もなく一人でハンドリングすることができました。

ネット回線の状況にもよりますが、音声映像共にタイムラグやぎこちなさを感じさせず、スムーズなコミュニケーションが可能であり、また学園全体のリモート授業のスケジュールや機能管理を、事務局で行うという形がとれるため、先生は自分の授業のみに集中することが可能です(事務局に感謝)。

そして、リモート授業そのもの、つまりビデオ会議形式での一対多によるクラス運営というものに大きな可能性を感じたのは、予期せぬ収穫でした。

対面型授業の代わりにリモート授業を行うのは無理がありますが、対面型の通常授業をサポートするツールとして使うことや、はじめからリモート授業を前提とした講座やクラスを行うことは、特に高学年の子供達に対しては、十分に可能だと感じています。

もちろん、リモート授業用に工夫した指導案と教材・教具が必要となるためそれなりの準備は必要ですが、対面授業が再開した後にも、子供達のために、何らかのリモート授業型のプログラムをつくっていければと思っています。




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松本哲夫
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