マズローのピラミッドをお仕事に活かす
はじめに
この記事は、
【マイスター・ギルド】本物の Advent Calendar 2020の
16日目の記事です。
こんにちは。
マイスター・ギルド 開発部のうらにしです。
今日は12月22日。そう、私の誕生日です。
Happy birthday to me!
(同僚のみなさま、祝いの言葉はいつでも受け付けております。)
さて。
弊社はなかなかに自由なところです。
夏のアドカレはマッスルメモリーの小話をさせていただいたりね。
こんな自由な空気なので、技術のお話はしません。笑
でも、ちょっぴり誰かに役立つといいな、と思いながら書いてみようと思います。
◆
マズローのピラミッドとは?
アブラハム・マズローは言いました。
「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生き物である」
かっこいー!
そしてこうも唱えています。
「人間の欲求には5段階ある」
いまさらですが、アブラハム・マズローさんは20世紀後半の高名な心理学者です。「自己実現だなんて、うさんくさいセミナーみたいだなぁ。。」と思った方もご安心を。
次の図をご覧ください。
有名なのでご存知の方もいそうですね。
こちらが欲求の5段階ピラミッドです。
そうそう「ヘッダーまた筋肉か。全然関係ないじゃん。」と思ったあなた。ささやかながらピラミッドと三角筋で△リンクを意識しております。
マズローは、人間には基本的な欲求があり、低次の欲求を満たすことで高次の欲求が現れる。と考えました。マズローの欲求5段階説、自己実現論とも呼ばれたりします。
これらの欲求は、次のようなものとされています。
生理的欲求
生命維持のための原始的な欲求です。
食事・睡眠・排泄‥など。
生理的欲求は、生きていくための最低限の欲求とされるものです。
満たされないと病気になりますし、不快感を感じるものです。(というか、命に危機が迫っていますよね…)
安全の欲求
安心して過ごせる状態を求める欲求です。
食べ物がある・寝る家がある・貯えがある…など。
こちらも生にかかわる強い欲求です。安全でない生活を送っていると、それ以外のことなど考えられないですもんね。人間には、まず安心して暮らせる生活の基盤が必要だとわかります。
社会的欲求
帰属と愛の欲求ともいわれます。
社会とつながりをもちたい、という欲求です。
集団に所属することで安心感を得たい、という欲求です。会社に所属したい、友人が欲しい、家族を持ちたい。
生理的欲求と安全の欲求が物質的なものに対する欲求だったのに対して、だんだん精神的なものを求めるようになっていますね。
当然の欲求とはいえ、この欲求だけが強すぎると「依存」なので要注意。
承認欲求
尊厳欲求とも。この欲求はさらに2つに分かれます。
❶名誉や地位、他人の承認を求める欲求(他者承認欲求)
❷自立した基準で、自分を認めたいという欲求(自己承認欲求)
社会的欲求が満たされたとして、次に現れる欲求が認められたいという欲求です。評価されたい。何かを成して称賛を浴びたい。というのが❶の他者からの評価を求める承認欲求です。SNSでいいねをつけてもらいたい!というのもこの欲求ですね。そして❷は自分で自分に納得したいという欲求です。自分の中の喜びや目的を達成していたい。という欲求で、他者の目線ではなく自己の評価軸です。
他者承認欲求だけだと、評価軸が自分の外にあるため否定されたときにひどく落ち込みます。自己承認がうまれにくくなるため心が不健康になります。対して、自己承認欲求だけだと「他人の言葉に耳を貸さない」状態となり、他者からの承認を得にくくなりますし、トラブルの元です。
承認欲求が強い人をくさす表現を見かけることがありますが、人間が当然持ち得る心理なので、認めて上手に付き合っていきたいですね。
ここまでの4つの欲求は「欠乏欲求」であり「欠けていれば満たしたい」と思う欲求とされています。
自己実現の欲求
自分らしく生きていきたい、という欲求です。
最後に現れる欲求が自己実現、すなわちより自分らしく生きていきたいという欲求です。マズローはこんな風に表現しています。
”自分自身、最高に平穏であろうとするなら、音楽家は音楽をつくり、美術家は絵を描き、詩人は詩を書いていなければならない。人は、自分がなりうるものにならなければならない。人は、自分自身の本性に忠実でなければならない。”
自分の能力を活かしたい。自分にしかできないことを成したい。こうした自己実現の欲求は「欠乏欲求」に対して「成長欲求」と言われます。
◆
どう利用されている?
このマズローのピラミッド、以下のような場で実際に利用されるそうです。
●人材育成、キャリア形成の場
どの段階の悩みを抱えているのか、でマネジメントを変えたり、ピラミッドを段階的に進めていくようなキャリアビジョンの形成を促したり。
例:この部門では仕事への手ごたえが感じられずモチベーションに悩んでいるようだ。「お客様の感謝の声」を印刷して貼ってみよう。
例:△△さんはすごく頑張っているのにお給料がリンゴ3個分だ…。まずは安心して暮らせるお給金の出る企業へ転職してもらおう。
●看護・介護の場
看護・介護される側の各欲求を分析し、それを満たすように看護・介護プランを立てて実施したり。
例:自力で食事をとれない人には、「食事をとる」ための介助をしよう。
例:レクリエーションに参加してくれない。まず、この施設が安心で心地よい場所であることを感じてもらえるようにしよう。
●マーケティングの場
要求を満たす・くすぐるサービスを提供したり。
例:社会への帰属欲求をいつでもどこでも満たせるSNSサービスを用意しよう。より社会的欲求を満たせるようにメッセージのやり取り・引用機能も付けよう。承認欲求を満たすいいねボタンも実装しよう。
他者の欲求に働きかけたいような場面で利用されてますね。
◆
せっかくなので自分にも使おう
上記の例では、他者の欲求を理解するために使われていますが、せっかく知った理論なので自分に利用してみるのがいいんじゃないか、と思います。
Q.自分は今どんな欲求を持つ段階にいるのか?
例:住宅ローンがやばい…生活が不安で夜も眠れない。。。(安全の欲求)
例:毎日することもないし、孤独だ…(社会的欲求)
A.その欲求はどうやったら満たしていけるのか?
例:そうだ、就職しよう。(安全の欲求と社会的欲求を満たせる)
動機づけに使うのもありですよね。
例:お仕事へのモチベーション
生理的欲求:生活のため必要なお金を稼ぎたい
安全の欲求:ハラスメントやオーバーワークのない快適な職場で働きたい
社会的欲求:良好な人間関係を築き、楽しく働きたい
承認欲求:(他者目線)成果を出したい
(自己目線)いろんな業務ができるようになりたい
自己実現欲求:仕事を通じて誰かを少し幸せにしたい
辛い時もいいかもしれない。
例:なんか攻撃してくる人がいる…
生理的欲求:この人はものすごくトイレに行きたいのかもしれない
安全の欲求:この人は失職したばかりで傷ついているのかもしれない
社会的欲求:この人は失恋したばかりなのかもしれない
承認欲求:(他者目線)この人は認めてもらいたいのかもしれない
(自己目線)この人はやりたいことがあるのかもしれない
自己実現欲求:この人は自分らしく生きられていないのかもしれない
ちょっとだけ人に優しくなれそうですよね。
◆
実はピラミッドじゃない
ピラミッド図はわかりやすいのですが、順番が固定されて見えるのがデメリット。欲求の階層は人によって微妙に入れ替わったり欠けたりするそう。
寝る間も惜しんで漫画を描く漫画家さんもいますよね。そんな生理的欲求よりも自己実現の欲求が強い人もいますし、社会的に発展した生活をしてないと自己実現の欲求に達せないのか?と言うとこれも否、ですね。
また、自己実現の後の第6段階として「自己超越」の段階があるとマズローは説きました。自己のためではなくなる段階です。セレブリティな人が寄付する。はきっとこの段階なんでしょう。すごいなぁ。
◆
欠乏欲求を満たした経験は役立つ
私の好きな話でもあります。
一度欠乏欲求を満たす経験をしていると、再度欠乏欲求の段階になっても、欠乏感を感じにくく、心が健康で居易いのだそうです。
そう思うと、恐れずに段階を踏んでいけますね。
◆
おわりに
マズローのピラミッドをお仕事に活かしてみませんか?と紹介しましたが、
今持つ欲求を分析し、それを満たすように行動するとき、
それは「自己実現に向かって絶えず成長している」
そんな瞬間なのだと思っています。そう考えると、これらの欲求は
より人生を豊かにするためのもの
ではないでしょうか。
>(同僚のみなさま、祝いの言葉はいつでも受け付けております。)
社会的欲求と承認欲求をバシバシ感じさせるこちらの文章も、人生を豊かにするための努力の跡だと思えば「やれやれ、仕方がないなぁ」という優しい気持ちになってくださるのでは、と思っております。
投稿者:うらにし
マイスター・ギルドの開発部に所属しています。
コーディングできない系ママエンジニア。筋肉は最近しおれ気味。
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