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病院実習で直面した医療のウラ側

大学院に通っていた頃、病院での実習があった。

元々病院が苦手ということもあり、かなり心身が疲弊している感覚があった。そんな中医療のウラ側を見てしまったようなエピソードがある。

スーツをビシッと決めたイケてる会社員風の人たちが何人も来て、大量の高級弁当を医者に配っていた。白衣を着ている今よりもっと若造の僕にも、医者の卵だと思ったのか、「先生ぜひお食べ下さい」と差し出してくれた。

大きな会議室で、彼らは医者に向かってプレゼンを始めた。彼らは製薬会社の社員だったのである。

いかに自社の薬が優れているか、いかに薬価(コストパフォーマンス)が良いかをとても上手に説明されていた。

このような会議が毎週のように行われて、薬を病院で使用するかどうかが決定される。薬を売る製薬会社も薬を使う病院もお金が儲かるのだ。願わくば薬を服用する患者たちにも利益があれば良いが実情はそうでもないらしい、、

いかに西洋の薬を売るかということが医療現場のウラテーマなのかもしれないと感じたときに、西欧諸国と日本の関係の縮図が医療現場で再現されているのかもしれないとも連想をしたものだ。

その薬の取引の会議に1番参加すべきなのは患者なのではないかとも感じた。会議室を出るときにはなんともコトバにできないモヤモヤが僕のからだには感じられた。

現在、うつ病や発達障害などの精神病は年々多くなっている。そして、精神病と診断されれば自動的にどの薬が適応するかが【エビデンス】で示されて、何のためらいもなく薬が処方されて、何のためらいもなく薬を患者は服用する。

薬で副作用が起きても、【エビデンス】通りの処方をしたのだから医療の側に問題はないとされる。「手術は成功したが、患者は死んだ」というブラックジョークがあるらしい。

うつ病や発達障害は今後もどんどん増加するだろう。それは実は当たり前のことなのだ。DSMというアメリカの精神医学会が発行しているマニュアルがあり、そこに精神病の種類が大量に載っており、チェックリストにあてはまればめでたく診断ということになる。

どんな人間でもDSMのどこかの病気にはあてはまるだろう。現在DSMはDSM
5になっており、年々病気として記載されている数は増えている。つまりDSM3では病気ではなかったものがDSM4では病気と認定され、さらにDSM4では病気ではなかったものがDSM5の診断基準では病気になるのだ。(高血圧の診断基準が変化して、昔は診断されなかった基準であっても今の基準であれば高血圧症と診断されて薬が出されるという話も聞いたことがある)

病気の種類増えて、かつ診断のハードルが年々下がっている(簡単に病気と診断される)のだから、うつ病や発達障害が増加の一方をたどるのは当たり前なのである。

うつ病や発達障害という知識が当たり前のように世の中に広がったため、心配した親が子どもを精神科に連れて行き、DSMの基準に照らして診断がなされて薬が投与される。という現状を臨床現場で目の当たりにする度に、僕はあの会議のときに感じたモヤモヤがからだの中でフラッシュバックするのである。

全てはビジネスのため。薬を売ればみんながhappyになる。しあわせホルモンが分泌される薬を飲んだ患者もhappyという錯覚を忘れられなくなる。

薬や医療の力以外のもので、病気が治ったり予防されては困る人たちがいるらしい。

その人たちは考えた。さてどうしたものか?と。そうだ!医療以外の力に頼る人たちは頭の悪い愚か者ということにすれば良い。つまり【エビデンス】がないものとして、非科学的なものとして、悪者扱いをしてしまえば良い。

科学やエビデンス・数値の世界を神の領域にまで価値を上げてしまおう。代替療法には保険は適応させなければ良い。自然食品や健康的な食品なんてものはただの幻想である。なぜならエビデンスがないのだから。なんなら自然食品を食べて健康を害した人たちを取り上げてメディアに流せば良い。

陰謀論という名で、頭の悪い人たちを世間の魔女的存在に吊るし上げれば良い。占いで人の心が癒されるなんてことがばれたら大変なことになる。占いに行く人も占いをする人も愚か者であると世間に知らしめよう。

本物のセラピストが占星術やハーブ、錬金術などの勉強をしていたなんてことは隠さないといけないし、それこそ時代遅れの間違った学びであるとしておかないといけない。

天動説という愚かな考えの時代のものに価値はないということにしておこう。すべては観察と客観性の王者である科学が神なのだから。主観という個人の感覚を眠らせるようにそっとプラグに繋いでおこう。

これで幻想の世界の出来上がり。


これは僕個人の精神病的な妄想なのでございます。
そろそろお薬のお時間なので失礼いたします、、


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