一期一会と柳暗花明
占い系カウンセラーとしてデビューしてそろそろ1年になる。
とても濃くて楽しい1年だった。初めてのデビュー日はお客様は1名しか来られなくて、8時間ブースに座って利益は僅か500円だった。
たこ焼きも買えない、、占い師としてのデビュー日は残酷なほどに現実を突きつけてきた。
あれから大きな出逢いがたくさんあり、占い館を辞めて、別の占い館に変えた。最初はそこでもお客様が来ない日が続いたが、3か月ほどで少しずつ安定してお客様が来られるようになった。
同じ場所で長く続けることに意味があると思っていたが、それは言い訳に過ぎず、自分にあった場所に潔く移動する決意も必要だと学んだ。
占い館での占い以外に、イベント出展を徐々にするようになった。占い館はお客様の集客も占いをする場所も基本的に、占い館の社員さんがしてくれる。
一方でイベントは自分自身で自分を売り出していく必要がある。値段設定にしても、占術にしても自由ゆえに、自分の力がそのまま試される。
今までは占いのセッションのときに全力を尽くせば良いと考えていたがそれではだめで、始まるまでに勝負は半分以上決まっているといっても過言ではないと知った。
売り出し方や宣伝方法、ポップの作り方や人脈を広げるなどなど、、挙げればキリがないほどにやれることはある。
そんなイベント活動に大苦戦をする日々が続いた。占い館以上にイベント会場はブースの仕切りなどがないため他の出展者さんたちがどれほどお客様が入っているかが嫌でも目に入ってしまう。
他の出展者さんはたくさんのお客様で賑わっているのに、自分だけが全然お客様が来られない、、
僕は趣味で占い師をしているのではなく、心理カウンセラーの仕事も占い師の仕事も本業と言う覚悟でしているので、お客さんが来られないことに関しては生活が出来ないことを意味する。
心理カウンセリングも占いにしても、セラピーとしての一面があるので、何度もリピートしてもらうのが正しいわけではない。ただし、全然来られないのは問題である。
昔心理の先生が、「来られる方はみんな大人なので、来て良かったです。とコトバでは言ってくれます。しかし、それを真に受けてはいけません。本当に良いと思ってくれていればまた来られるはずです」
本当にその通りである。占い師としての自分には価値がないという現実が無情にも結果として現れているのでいるのであれば、いたずらに長く続けることも、自分にとってもお客様にとっても悪影響です。
イベントはお祭り的な要素があるため、楽しめりゃ良いと思っていた。だけどそれではダメなんだと指摘してくれる仲間がいて、このままではいけないと思った。
僕は占い師としてのフィールドで結果が出なければ、もう人生が終わりだと本気で考えている。この道が合わなければ他に輝く場所がない。
そんなことも見越してのアドバイスなのかと思った。
その後、すぐにイベントが2日続けてあった。
今までだったら楽しめたら良いなという程度だったが、今回はとことん自分にプレッシャーを掛けた。SNSにも結果次第では活動自体を減らしていくことを記した。宣言して逃げ場をなくさないといけないと思った。
心配してくれて、優しい言葉をメッセージで送ってくれた仲間の方もいた(心配掛けてごめんなさい)
いつ辞めるかわからないし、セッションで出逢う人たちとは次に会えるのが当たり前でないという気持ちで占いをしないといけないと改めて心を切り替えた。
一期一会である。
お茶の世界の言葉だが、お茶会で会う人たちともそこで出会うお茶の御道具とも次に会える確証はない。だからこそ今この瞬間の出逢いを大切にする。良い意味でこだわらない気持ちを持ちましょうよということ。
そういえばタロットの愚者の精神も一期一会だと言われている。
「いま・ここ」を大切に。これは心理カウンセリングの世界でも言われることだ。
イベント当日は、リラックスとは程遠い緊張の糸を巡らせた状態で臨んだ。
すると数名のお客様が来て下さった。
なんと、憧れの紫鏐さんが鑑定を受けてくれた。初めて紫鏐さんに会ったときのことを昨日のことのように覚えている。そんな紫鏐さんに鑑定をさせて貰えるなんて、、夢のような時間だった。
心配してくれたカモワンタロットリーダーが応援に駆けつけてくれて、鑑定も受けてくれた。
すると、まるで僕が鑑定を受けているような錯覚を受けた。幼き頃、カモワンタロットのリーディングを受けたときに感じたあの感動を思い出した。
この感動を多くの人に伝えたい。これが僕が占い師を志した理由の1つであったことを思い出した。
物語りの冒険のゴールは、スタート地点にあった。という話は世界中に溢れている。答えはを知りたければ「ソースに還る」必要がある。
気づけばたくさんのお客様に来て頂いた。もちろん偶然かもしれないけれど。
イベント後は緊張の糸がキレたように大きな疲労感と安心感があった。
もしも、お客様が全然来られなかったら、本当に活動を減らさないといけないと思っていたので。
追い詰められたからこそ、明るい兆しが見えた気がする。
柳暗花明。(リュウアンカメイ)
行き詰ったとたんに、新しい展開が起こること。を意味するコトバだそうだ。
幼き頃に占い師になりたいと思った、自分のためにもう少し占い師を続けようと思う。
僕はたくさんの愛に包まれて今日まで過ごしてこれたことに気づいた。
「解決は愛です」
これはカモワン先生のコトバ。
愚者の旅は、まだ続けることが出来そう。
名もなき愚者は、なんにでもなれる。