「月は囁く。俺は・・・」(原作:萩原朔太郎詩集『月に吠える』より 悲しい月夜)
お前なんか誰も気にしちゃいないよ
朝の月が言った
お前なんか今の俺のようなものさ
昼の月が言った
誰が何を言おうと貴方はあなた
夜の月が言った
「煩い!」
俺は叫ぶ
月は澄まし顔
「あなたが気づかなくてもわたしはここにいるの
あなたに見えなくてもわたしはいつもいるの」
月は宙を巡る
目を閉じれば世界は消え
目を開けば世界がある
存在は意識ひとつ
星が描く曲線の中心点に居る誰もが
「孤独だ」と勝手に呟いている
甘えた視線を背後に向けながら・・・面倒な『かまってちゃん』
べらぼう共奴 勝手に吼えろ
俺は・・・
俺は今宵、歌う。
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