信じる者は救われる。でも俺は信じすぎて沈みました。

人間なんてのは、経験を積めば積むほど完成に近づくと思っていた。実際にはそうじゃないらしい。何かを疑い、何かを信じてきた結果、手元に残ったのは、出来損ないの自分だけだった。なんだ、努力の積み重ねってそういうオチか?

信じ過ぎれば馬鹿を見るし、疑い過ぎれば孤独になる。それでも真面目に両方を試してみた。でも、気づいたんだ。信じた相手は全然救ってくれなかったし、疑った相手はそもそも俺を見てすらいなかった。どっちを選んでも、結局独りぼっちの茨の道だ。

「経験は宝物だ」とよく言うけど、それ、言ってるやつが宝持ってるだけじゃないか?俺の経験は、傷ついた自尊心と余計な知識を積み上げただけで、何の価値も生まなかった。ただのガラクタだ。転んでは立ち上がり、また転ぶ。それを繰り返して、最終的に「これが俺の生きる道」なんて言い切ったら、ただの負け惜しみにしか聞こえない。

まあ、いっそ開き直って考えれば、出来損ないでもこの世界で生きていけるって証明にはなるかもしれないな。「俺でもなんとかなるんだから、お前も大丈夫だよ」って、これ以上に説得力のある励まし文句はないだろう。

結局、信じるも疑うも同じ泥沼だ。だったら、次は信じてみようか。どうせまた痛い目を見るんだろうけど、それも「俺らしさ」ってことにしておこう。

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