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生成AIがやってくる。ラインスタンプクリエイターを待ち受けるものは何か?!
気になるニュースが目に入ってきました。adobeがIllustratorに生成AIを搭載し、ベクター画を生成できるようになる、というものです。これまでも生成AIによってイラストレーターの職が失われるのではないか?!という懸念の声は聞こえていますが、とうとうベクター画まで作れるようになってしまったのか。
いつものように2023年9月の売上状況を報告するとともに、今後の生成AI技術の向上によってLINEスタンプクリエイターがどんな影響を受けそうか考えてみました。
2023年9月の売上
何はともあれ、いつものように2023年9月の売上状況を報告します。いつものグラフを貼ります。
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売上総数:2,872個
売上金額(単品):277,790円
分配金総額:131,715円(内、プレミアム分:32,646円)
という数字になりました。先月よりさらに下がりました。がっくり。
2023年9月までの累計
次に累計(推移)のグラフを貼ります。
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横軸は、左が現在、右が過去です。
先月、下げ止まった感がしていましたが、まだ底ではありませんでした。さらに下げました。
株価が落ちていくときの感覚と同じです。下げ止まったと思って追加で購入したら、まだ下がってしまった(泣)、っていうやつですね。
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ラインスタンププレミアム
ラインスタンププレミアムの分配金(累計)の多いスタンプ10種に関して、これまでの変化を見てみましょう。
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左が最新、右が過去です。かなりひどい状況です。むしろ、これまでが異常だったのかもしれません。今後は、毎月3万円程度売れたらよい方だと考えておいた方がよいでしょうね。
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生成AI
さて、本題に入りましょう。ラインスタンプの売り上げが下がっていく中、さらに悲観的になる情報が入ってきました。
商用利用可能に
Adobe ExpressでAdobe Fireflyの生成AI機能が商用利用可能に
以前から、学習に使ったデータの著作権の問題が話題になっていますが、このadobeの生成AI機能は商用利用可能だそうです。
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どうやって解決したの?と思ったら、adobe stockに登録されるコンテンツの著作権者に対して、AIの学習データに使用することの許諾を取った、ということが、以下のサイトに掲載されていました。
画像生成AIはデータの学習元となる素材の著作権関係があやふやで、企業として使用するのには不安が残るものになっていました。
しかし「Firefly」は最大手のストックフォト「Adobe Stock」から著作権者がAIの学習データに使用することを許諾した画像とオープン ライセンスの作品、著作権期限切れになっているコンテンツのみを使用し、著作権のトラブルを解消しています。
※正確な説明ではありませんので、正確な情報はadobeのサイトや上記のサイトなどをご覧ください。
ベクター生成
さらにもう一つの気になるリリース。
アドビ、 次世代のAdobe Fireflyモデルを発表
という記事です。この中に、以下の記載があります。
Adobe Illustratorの新機能「テキストからベクター生成」(ベータ版)に実装された新しいベクター画像特化型生成AIモデル「Adobe Firefly Vector Model」は、ベクターグラフィックに対応
テキストから画像を生成する生成AIはあちこちで見かけますが、ベクター画像まで生成されるようになったみたいです。
ベクター画像は、拡大縮小や形の変更などが容易に実施できます。生成AIでベクター画を生成して、あとは好みに合わせて修正する、といった方法で、これまで以上に簡単に絵が描けるかもしれません。
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以上のような新しい機能(ビジネス)が生まれ出てくる背景には、adobe stockという巨大なコンテンツプールを持っているadobeの強みがあるように思います。
ラインスタンプの将来像
adobe stockと同じように、LINEさんは、大量のラインスタンプ画像を抱えています。著作権はクリエイターに残されたままなので、勝手にAIの学習データに利用し、それを商用利用することは難しいかもしれません。
でも、ちょっと振り返ってみてください。
ラインスタンプの買いきりモデルから、ラインスタンププレミアムという新たな販売モデルが生まれました。ラインスタンププレミアムが始まる前、クリエイター向けに告知がなされ、自ら「プレミアムの対象外にする」というオプトアウトを選択しなければ、自動的にラインスタンププレミアムの対象になったわけです。
つまり、同じ手法をもちいれば、「これまでのラインスタンプ画像を生成AIの学習データに用いることにしました。学習データに使用されたくないラインスタンプがあれば、期限までにオプトアウトしてください。そうでなければ、自動的に学習用データに用いることを認めたものとします」とできてしまうのです。
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さらにラインスタンプにはタグが付けられています。(おそらく)AIでタグを振ったものもありますが、クリエイター自らが設定したタグもあります。このタグの情報は、ラインスタンプ画像を学習データとしてもちいる場合に、一つの有力な教師情報の一部となるわけです。
adobeさんが、adobe stockという強みを抱えているのと同様に、LINEさんもスタンプ画像を抱えているわけです。これを活かさない手はないです。
ひょっとしたら、いま、まさに開発中かも(勝手な想像)。
その先に待っているもの
LINEアプリからテキストでスクリプトを入力したら、それに合致するラインスタンプを生成AIが生成してくれ、それを自らのスタンプリストに入れておく、といったことが容易に実現できそうです。
ユーザーそれぞれが、完全オリジナルのスタンプを持てるようになるわけです。これまでも名前を入れることのできるカスタムスタンプやメッセージを入れることができるメッセージスタンプなどもありましたが、カスタマイズのレベルを超えて、完全に独自性のあるスタンプが作れそうです。
ラインスタンププレミアムの次は、ラインスタンプAIというサブスクモデルがやってくるのでしょうか。。。
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その時、クリエイターは??
クリエイターに対しては、ラインスタンププレミアムと同じような割り勘モデルに基づき、学習データとしての利用料が配分されることになるのでしょうか?
実際にどうなるのかはわかりませんが、生成AI技術の発展によって、クリエイターに影響が出ることは間違いなさそうです。
クリエイターズスタンプが始まって約10年、いよいよ大きな変革が訪れるのかもしれませんね。
おわりに
最近、ラインスタンプの分配金が減る一方です。ラインスタンプを利用するユーザ自体が減っていること、ラインスタンプを作るクリエイターや、ラインスタンプの数そのものが増えていることなど、様々な要因があると思います。
その変化の中に、生成AIという大きな波がやってきそうです。ラインスタンプという副業収入が減る心配はありますが、これからどんな変化・発展を迎えることになるのか楽しみでもあります。
心配するより創作せよ、です。
今週末もラインスタンプを作らねば。。。
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