おっぱいの神様 乳神神社のお話 第1話
【乳神様とは?】
今日から数回に分けて
浦幌町に伝わる乳神様についてのお話をしたいと思います。
浦幌神社の境内でおまつりされている乳神神社の信仰は、
浦幌町瀬多来の地からはじまりました。
乳神様の正式な御神名は、
乳授媛大神(ちちさずけひめのおおかみ)です。
通称、乳神様(ちちがみさま)と呼ばれています。
乳神様とは、おっぱいの神様なのですが、
不思議に思われる方が多いと思います。
この乳神様の正体とは、ナラの御神木であります。
どんな御神木かといいうと、
木の幹に「おっぱいの形をしたコブ」をもっており、
乳神様と呼ばれております。
伝承によると、大正時代の中頃、
浦幌町瀬多来の山中で、
老婆が、このナラの大木を見つけました。
この老婆には、生まれたばかりの孫がいて、
孫の母親に母乳が出ずに悩んでおりました。
当時は、
母乳の代わりになる粉ミルクなどはなく、
母乳がでないと赤ちゃんの命にかかわります。
そこで、
たまたま、山中でこのナラの大木を見つけ、
「この大木は、乳授けの神様に違いない」と
とっさに思い、
「孫の母親に母乳を授けて下さい。」と
一心に祈願したところ、
母乳がたちまち出るようになり、
孫は母乳で元気に育ったといいます。
それから、
母乳授けの神様=乳神様として、
このご神木が丁重におまつりされるようになりました。
これが乳神信仰のはじまりです。
その噂があちこちに広まり、
乳神様のご神徳にあやかりたいと
遠くからたくさんの方が訪れるようになりました。
現在では、
子宝、安産、縁結び、病気平癒の神様として
全国各地からも信仰されるようになりました。
このように、乳神様の信仰は、
「子どもへの切なる祈り」から始まっております。
写真:題名「記憶の乳神様の木」
昭和57年、乳神様のご神木の一番近くにお住いであった
菅原敏枝様が乳神様のお姿を後世に伝えようと
ご奉納くださった油絵です。